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疑似科学入門 みんなのレビュー

  • 池内 了著
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みんなのレビュー7件

みんなの評価3.7

評価内訳

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5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本疑似科学入門

2009/12/14 19:54

予防措置原則

9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この本は第4章が素晴らしい。著者は、まず疑似科学を三種類に分類している。第1種としては、科学的根拠のない、人の心の弱みにつけこむもの。第2種として、科学を援用・乱用・誤用・悪用したもの。そして、第3種として「複雑系」で科学的に完全な証明ができないものに、一方的な結論を出したり、証明不能なことを利用して、自分勝手な結論を肯定するもの。
 
 この中で、第1種と第2種に関しては、マーチン・ガードナーやカール・セイガンに代表されるように多くの本が出ている。これはこれで大切なのであるが、はっきりと嘘であるがゆえに、指摘しやすい。一言で言えば、詐欺なのである。それに対して、第3種の言説は否定できないがゆえに(肯定もできないのだが)扱いが難しい。そこで著者が提案しているのが、「予防措置原則」である。これは、科学者の良心と言ってもいいだろう。
 
 第3種では、地球環境問題、地震予知、狂牛病、電磁波、遺伝子組み換えが俎上に上げられている。これらは本当に微妙な側面を持っていると思う。たとえば、環境問題において地球が温暖化しているかどうか、温暖化しているとして、それが人間による二酸化炭素排出が原因かどうか、温暖化による影響にどのようなものが考えられ、どのような規模になるのかなど、どの論題にも明確な答えが出ているわけではない。
 
 さらに、温暖化が地球の自然な歴史でなく、人類の排出する二酸化炭素が原因であり、存続の危機をもたらすことで一致したとしても、どのような手立てが有効であるかに関しては、意見が分かれることだろう。温暖化しているかどうか分からないのだから、何もしなくてよいというのは論外だが、リサイクルとか省エネとかの美名の元に、かえって環境を悪化させる活動が行われている場合がある。我々は、それを見抜く力を持たなくてはならないし、科学者は最善の道を示す努力を忘れてはいけない。
 
 その意味で、「予防措置原則」は、素晴らしいものである。正しく疑う心を育てることは大切だ。しかし、著者も語っているように、これとても両刃の剣になりうる。結局は一人一人が良心に従って行動できるかどうかである。人類の存続はそれにかかっており、それが試されているのだろう。

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紙の本疑似科学入門

2010/01/15 16:12

なかなかどうして我がポンニチ国民も騙されやすいことにかけては人後に落ちない……か

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

かなり前,故カール・セーガンの書いた「人はなぜエセ科学に騙されるのか」という本を読んだことがあり,コトその道(どの道だよ?)ではアメリカよりも日本のほうがなんぼかマシだと思った覚えがあるが,この本を読むとなるほど,なかなかどうして我がポンニチ国民も騙されやすいことにかけては人後に落ちないというか……そういえば家電業界がこぞって「マイナスイオン効果」だかを流行させたこともありましたね(何を隠そうあの頃買ったウチのエアコンには「マイナスイオン発生装置」ちうのがついている。効果は疑問だが,確かにオフにしたときとは違う感じの風がでます)。

池内センセイはいわゆる疑似科学の類いを3種類に分類する。第1種は占い系,超能力・超科学系,疑似宗教系で,つまりは精神世界に属するモノを科学とまぜこぜにして銭儲けをするやつ。流行のスピリチュアルだのオーラだのもこの類い。先生いわく,このテの疑似科学の特徴は「そもそも反証不能であること」だ。占いなんてのは占われた本人が「当たってる」と言えば「ウソやんけ」とは言えない。TVでその手の番組など観てて「てめーノーギャラでもそれ当たってるか?」と思いませんか? で,それでもウソだと言うと「ウソだってんなら証明してみろ」と来る。そういうのって本来は「真実だ」と主張する方に立証責任があるんだけど。

第2種は前掲のマイナスイオンとかの類いね。血液サラサラとか水に優しく話しかけると奇麗な結晶ができるとか,怪しげな統計を……ちゃうか,統計自体はホントなんだけどそいつを思いっきり怪しい方向に使うとか。

第3種は地球温暖化や電磁波の影響,地震予知のように真性科学と疑似科学の境界線上にあって,責任ある科学者であれば一足飛びに結論を出そうとはしないだろう問題に関する論争の類い。これが限りなく疑似科学化するのは,テレビなどが軽々に結論を出さない慎重な学者よりも無責任に「こうです」と言い切っちゃう学者を喜んで使うことも一因,という指摘は炯眼。

でもこのテの本って読むたびに思うけど,ホントに読んで欲しいヒトは読んでくれないタイプなんだよね。

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紙の本疑似科学入門

2009/03/07 17:13

池内先生、「書いておかねば」の気持ちが先走りすぎたようですね。

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「科学の名を借りても科学でないもの」に、どんなタイプのものがあるのか。それを信じてしまう心理にどんなものがあるのか。この本では、疑似科学と言えるものを3種類にまず分類し、それぞれの特徴や、陥ってしまうポイントをあげ、「だまされた!」と後悔しないためには何ができるのかを考えさせていく。著者の論調は明快である。
 与えられる情報が多いこの時代、考えるよりそのまま信じる方が楽、という習性がついてしまうのを憂える著者の気持ちはよくわかる。しかし、占いや疑似科学商法を扱った部分では、考えさせられるとかはっきりわかったという気持ちよりは、どこかすっきりしない気分を感じてしまった。

 著者の「だまされることへの憤り」が強いせいだろうか、「間違っていることなど、あたりまえだろうが!」と怒られているような感じなのである。
 三章の中、アメリカで永久機関を売っている人の心理の説明として、著者自身がこう書いている。「現場も見ずに尊大な態度で法則を持ち出して簡単に否定してしまう(事実否定せざるを得ないのだが)、そんな科学者の傲慢さに強く反発しているのである。科学者は一般にナンセンスをみると実に冷たい。事を分けて懇切に対応し、根気よく間違いを正していく態度が科学者に欠けているのである(P92)」と。
 このような科学者側の問題点を、著者はこれまで「科学者心得帳」などで一人の科学者としての反省も込めて書いている。しかし、この本では少々この「批判される科学者」の性格がでてしまったのではないだろうか。
 池内先生、1,2章での説明は、懇切ですが私のように少々抵抗感を感じる人もあることを恐れます。「だまされてはいけない」「今言っておかねばいけない」の気持ちが先走りすぎたのではないですか。

 第三の疑似科学に著者が分類している複雑系などの科学の問題は、科学自身がどうこの分野を扱っていくかという問題と、科学がまだ扱いを考えなくてはいけないうちに社会的な問題になっている場合(環境問題とか)にどう社会が扱っていくか、という二つの問題を抱えている。これはこれで、現実的に取り扱いをきちんと考えねばならない早急な問題でもある。
 大切な問題点も指摘している本であるだけに、前半で読む気を阻害されてしまうことがあればもったいない。模索しながら検討していかねばならない問題だと思うので、池内さん、どうぞ何度でも叩き直して読ませてください。

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紙の本疑似科学入門

2008/10/09 20:42

騙されないことは騙しの方法を理解すること

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 現代は科学の時代といわれるが、占い、霊、超能力に関するテレビ番組がたびたび放送されるのは、どうしてであろうか。人間の心理的傾向の一面を理解するための方法としてなら、許容されるであろうが、真実であるように描写されている。しかし、視聴者側にそれを受け入れる傾向があるから、何度も模様替えして繰り返されるのであろう。
 そのようなものに関わり合いになると、まやかしものを掴まされたり財産を失ったりするのはよい方で、殺されたり人を殺させられたりまでする。そのような事態にならないためにも、疑似科学がどのようなものであるか、どのように利用されているかを理解し、騙されないようにしておく必要があろう。
 この本では、疑似科学を次のように分類し、それぞれについての問題点と、なぜ信じるのか、信じさせるためにどのように使われるのかを解説している。
 第一種疑似科学。人間の心理につけ込み、科学的根拠の無い言説によって人に暗示を与えるもの。占い、超能力、超常現象。自分で存在することを証明せずに、他人に存在しないことの証明を要求する。心理的錯覚を利用。
 第二種疑似科学。科学を援用、乱用、誤用、悪用したもの。(a)科学法則に反しているにもかかわらず、正しいかのように見せかけている言説。永久機関、水の記憶。(b)化学的根拠が不明にもかかわらず、根拠があるような言説でビジネスとなっているもの。マイナスイオン、健康食品、クラスター水。(c)確率や統計を利用して、ある種の意見が正しいと思わせる言説。見かけ上の相関関係を因果関係として結び付けるもの。
 第三種疑似科学。科学的に証明しづらい問題について、真の原因の所在を曖昧にする言説。複雑系やカオスに関係する現象で現在の科学が不得意とする分野に関係し、科学的にはっきりした結論を出せないもの。

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紙の本疑似科学入門

2024/01/18 08:43

ユニークな視点有り

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:M.F - この投稿者のレビュー一覧を見る

「疑似科学入門」というタイトルを見ると、心霊現象・超能力等を科学の視点で切り捨てていく内容を予想する方も、多いかもしれません。
確かに、そういう箇所も有るのですが、本書がユニークなのは、地球環境問題等、いわゆる複雑系科学にかかわる一部の言説(複雑系にかかわる「全て」の言説ではない)についても、それを「疑似科学」と同様にみなして、批判の対象としていることです(第4章)。
そこが、本書の特徴だと思います。

内容全体を振り返って思うこととしては、健全な批判精神とは何かを考えさせられる良書です。

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