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火星年代記 みんなのレビュー

  • レイ・ブラッドベリ (著), 小笠原豊樹 (訳)
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みんなのレビュー5件

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紙の本

紙の本火星年代記 新版

2010/08/18 20:44

生と死、光と影、がダンスを踊る

10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る

旧版も持っているのだが、
ブラッドベリに出すお金は惜しくない!
と思い、購入した。

旧版との違いは、カバーと解説だけではない。
冒頭にブラッドベリの序文と
本編に、新たに一話が追加されたことと、
一話が差し替えられたこと。
そして、時間の流れ。
旧版では物語のはじまりが1999年1月だが
新版では2030年1月に変わったこと。

本国での初の単行本化が1950年。
いわばファンサービスというかたちで
「21世紀を迎える読者にむけて、
 ブラッドベリ自身が改訂した」
この版は、1997年に発刊、定本とされた。

27編から成る、「火星移住」のオムニバス。
時を追って、色々な人たちの人生が語られる。
火星に移住するにあたって、
時期をずらして探検隊が送り込まれるが、
第1探検隊から第3探検隊までが
なぜか地球に戻ってこなかった。
厳重な体制でさらに第4探検隊が臨み、
民族大移動がはじまる。
火星で初めてのホットドック屋をひらく男。
樹木を植えて酸素と緑を供給しようとする男。
教会を建てようと、やって来た神父たち。
地球からはなれた彼らが、火星ですることは、
やはり地球でおこなわれていることばかりだった。
そして
たまに現れる火星人たちとのシュールなやりとり。
火星はいったいどうなっていくのだろうか。

翻訳がとてもすばらしいのだろうと思うが、
まるで1枚の長いCDを聴いているみたいだ。
詩のような絵画のような美しさを持つそれぞれの曲が
しずかに、問いかけるように、歌っている。

火星と地球が敵対し派手な戦いを繰り広げる話ではない。
淡々と個人の暮らしが綴られる。
そこに、人生の悲哀、文明への皮肉や警鐘が込められる。
どれだけ時が過ぎようとも、人が生きるかぎり
普遍である生への執着、死への恐怖。
それは愛への執着であり、孤独への恐怖ともいえるだろう。
生まれた星をはなれて暮らすことは
じぶん自身への疑問という絶望がつきまとう。
そんなかなしさが伝わってくる。

27編のうち特に印象的だったのは
「夜の邂逅」と「火の玉」である。
「夜の邂逅」でトマスは考える。時間の色とは、音とは、匂いとは。
あたりまえに存在するものに対しての問い。
これも本編でブラッドベリが伝えてくるテーマのひとつだと思う。
そして時間に対する問いとはじぶんの人生に対する問いでもある。
生きているかぎり時間を消費するわけだけれど、
それはいろんなことを選択したりしなかったりの連続だ。
その瞬間は、正しい選択をしているかどうかわからない。
後になってわかるせつなさ。

「火の玉」では人の獣性がえぐり出される。
人を見下すエゴ。自己顕示欲。偽善。
無欲というステージはあまりにも高いところにある。

美しい表現が散りばめられる中にも
深い哲学が内在している。
きっと何年も何年も読み継がれる本だと思う。





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紙の本

紙の本火星年代記 新版

2020/11/29 22:11

旧版で持っています

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る

ハヤカワSF文庫に収録される前のNVに入っていた旧版を持っている。火星に押し寄せる地球人たちと火星人の物語は、そのまま新大陸に押し寄せてアメリカ人になったヨーロッパ人の焼き直しのよう。ここには「詩情」としかいいようのない情感があって、繰り返される人間の物語がほんとうに叙情的に描かれる。火星人の残した廃墟でバイロンの詩が連想されたり印象的な場面がいくつもあってその感動は忘れようがない。終幕の『百万年ピクニック』で映し出される「火星人」の姿を目にする。訳文にもリズムがあってブラッドベリの世界をちゃんと日本語に移し替えられていて素晴らしい。

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電子書籍

電子書籍火星年代記

2017/11/11 01:25

まごうことなき名作

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:通りすがりの偽善者 - この投稿者のレビュー一覧を見る

電子書籍化されたのをきっかけに、本当に久しぶりに読んだ。
最後に読んでから、少なくとも十年は経っているだろう。
ラストの「百万年ピクニック」まで、何回も読んでも、結末を知っていても、読み終えた後にある種の喪失感とともに未来への希望を抱かせてくれる。
確かに半世紀以上前の古典ではあるが、まごうことなきSF小説の名作である。

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