サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

新規会員70%OFFクーポン

高瀬舟 みんなのレビュー

  • 森鴎外
予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー1件

みんなの評価3.4

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (0件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
1 件中 1 件~ 1 件を表示

電子書籍

電子書籍高瀬舟

2020/10/23 07:42

「安楽死」だけではない、もう一つの大きなテーマ

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

明治の文豪森鴎外が1916年(大正5年)に「中央公論」に発表した短編小説で、文庫本にしてわずか20ページ足らずの作品ながら、それから100年以上経った現代でも「安楽死」をめぐる事件が起これば引用される名作である。
 物語は貧しさで死を選んだ弟の死にきれない現場に出くわした兄が、苦しむ弟を見て最後の一刃で殺してしまって遠島の刑で送られる高瀬舟の中での役人庄兵衛と罪人喜助のやり取りで進んでいく。

 「安楽死」がこの短い物語のテーマだとばかり思いこんでいたが、実はここにはもう一つ大きなテーマがある。
 それが「知足」である。「足ることを知っている」ということ、短い作品ながらその前半はそれが大きなテーマとなっている。
 遠島の刑で送られていながら罪人喜助はまるで楽しんでいるかのように見える。それに合点のいかない役人庄兵衛がその理由を聞けば、喜助は「自分はずっと貧しかったが、刑を受けるにあたって二百文のお金ももらい、寝るところも食べるものを困らなくなった」という。
 彼に比べ、庄兵衛は彼よりはうんと豊かな暮らしをしているにも関わらず、いつも不安だし満足がいくことはない。
 そして、庄兵衛は人の一生ということを思う。人は欲や不安でいつも先々のことを考えて踏み止まらない。なのに、この罪人は足ることを知っている。

 短い物語にこんなに大きなテーマが二つもありながら、物語は決して破綻していない。
 その筆運びのうまさこそ、さすが文豪と呼ばれた人の作品だといえる。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。