蒼穹のアリアドネ みんなのレビュー
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【期間限定 無料お試し版 閲覧期限2021年12月1日】蒼穹のアリアドネ 2
2021/12/01 18:03
死闘、そして世直し旅?
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投稿者:透子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
追っ手の近衛兵と戦闘になったラシル。
止めようとしたレアナがラシルを蒼穹の騎士に任じたことを話すと……
かなりシビアな事情の政略結婚ですが、それを前にしての出奔は大丈夫なのでしょうか?
知られたら婚約破棄、最悪戦争もあり得るような……
世間知らずのラシル君はともかく姫様はどういうつもりなのでしょう?
なにか考えがあるといいのですが。
2018/10/29 15:28
ファンタジー
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投稿者:みるちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
辺境の村で暮らす少年は、飛行都市に思いを馳せている。山に仕掛けた罠を見に行った彼は同じくらいの少女と出会い、彼女は飛行都市アリアドネの皇女だった。彼女との旅が始まります。始まり方とかとても好き。
【期間限定 無料お試し版 閲覧期限2021年12月1日】蒼穹のアリアドネ 3
2021/12/01 18:36
過去との対面
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投稿者:透子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
シウ族の村は、鉱物資源目当てに占拠されて強制労働を課されていた。
ラシルは占拠者が雇った兵士と戦うが……
ラシル、過去と向き合う回です。
シリアスなのに、レアナ様の評価がw
ただ、皇女らしさの片鱗も見せられました。
出奔の理由は、ただ広い世界を観たいというだけではなかったのかも?
鎖につながれた導師様という謎のキーパーソンの出番で、皇女への期待が高まります。
【期間限定 無料お試し版 閲覧期限2021年12月1日】蒼穹のアリアドネ 1
2021/12/01 17:24
旅の始まり
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投稿者:透子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
飛行都市のお話に憧れる少年ラシル。
浮遊する謎の少女と出会い……
僻地に家族と暮らす少年の旅立ちの物語。
主人公は外の世界に憧れるただの世間知らずの少年かと思えば、大変な過去もちでした。
正体不明の”オッサン”も過去絡みぽいですね。
そして始まった王族の義務を果たす前に世界を見て回りたかった姫君との旅路。
最初の街から壁にぶち当たってますが、さて、彼らは味方たりえるのでしょうか?
蒼穹のアリアドネ 4 (少年サンデーコミックス)
2020/12/10 21:10
ワクワクする
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投稿者:ぱぴぱぴこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
仲間がドンドン増えてきた!
しかも、部族感の関係もいろいろありそうな様子…。
バトルファンタジー要素に凄くワクワクします!
蒼穹のアリアドネ 22 (少年サンデーコミックス)
2023/03/25 14:37
ミノアの二の舞
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投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
年老いた親代わりの男と二人の妹と暮していた少年は、実在が噂されていた飛行都市の皇女と出会い、旅立ちを決意した。
人里離れた山奥に隠れ住むラシルは、廃棄処分が決まった兵器であり、発見されれば、命の保証は無いのだが、それでも、アリアドネ皇国の姫君の騎士になる。
宙に浮くレアナは、ラシルより、少しだけ、生まれが早かった。
近々、結婚するレアナが、独身時代に遣り残した事は、地上への旅である。
それに反対する者が、姫を連れ戻すべく、追っ手を差し向けたのだが、それを、独りで、撃退したのがラシルであった。
ラシルを含めると、十一人の少年少女が、兵器としての力を保有したまま、施設から脱出し、命を狙われていた。
その子等は、絆が強く、家族の様に団結して、追っ手と戦う。
ラシルは、レアナと旅をしながら、逃走途中に離れ離れとなった仲間と再会する。
戦争は奇縁の揺籃だ。
ラシルを育てたジークの人生も、波乱万丈であり、英雄から虜囚へと立場が一変し、目下、消息不明である。
彼の身を案じるラシルであったが、手掛かりが見付からず、蒼穹の騎士の任を全うするより他に、ジークの救出に繋がる糸口を見出せてはいない。
本作では、様々な種族の、家族の有様が描かれる。
ラシルには、実の兄がいた。
兄も兵器であった。
彼は、弟や仲間を守り、奮戦する。
旅の途中で、ヒト以外の種族とも知り合い、時には、彼らと寝食を共にし、苦楽を分かち合ったラシルには、山中で待つ老翁と幼い姉妹がいる。
レアナにも両親がいる。
父と母は別居中だが、健在で、二人の世の中に対する影響力は、絶大だ。
レアナは原初の光を探す。
飛行都市の成り立ちには、この光が、深く関わっており、彼女の一家が抱える問題とも、この光は無関係ではない。
原初の光は、時の流れに、作用する。
レアナがいなければ、ラシルは死んでいた。
ラシルがいなければ、世界は滅ぶ。
二人は出会うべくして出会ったのだ。
蒼穹のアリアドネ 21 (少年サンデーコミックス)
2023/02/24 00:50
混線する時局
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投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アリアドネ皇国の内紛が激化した。
王宮付近で、武力衝突が発生し、王族の身辺は慌しくなる。
国を守るべき七剣と呼ばれる実力者の一部が、職務を放棄して、敵に加担する。
アリアドネ皇国では、近衛とは別に、四人の騎士が、王家に仕えているのだが、蒼穹の騎士であるラシルの例からも明らかなように、騎士と近衛と七剣は、中々、協力関係を築けず、騎士同士の連携に関しても、定かではなく、政情不安が解消されない。
内憂外患とは、アリアドネ皇国の歴史を端的に表す言葉であり、汚名を返上する事のないまま、この国は滅ぶ。
アリアドネ以外の飛行都市においても、各地で不穏な動きがあり、何者かによる破壊活動が多発する。
世界の崩壊が差し迫る中、地上で、旅を続ける皇女レアナとその一行は、ヒト以外の十二の種族に見えて、彼女の親族による暴行と諒奪の痕跡の数々を目の当たりにした。
ある事件の被害者が別の事件の加害者になる事を、容認する者が一人でもいれば、平和は維持されない。
また、平和の構築を掲げた集団が、個人の権利を、不当に、制限する事も、許してはならない。
許した結果が、アリアドネ皇国の騒乱だと言っても、過言ではない。
身内として、多少なりとも、責任を感じているからであろうか、レアナは国を出た。
原初の光を見つける事が、何故、世界の崩壊を食い止め、アリアドネ皇国に安寧を齎す事に繋がるのかは不明である。
だが、彼女が考える根本的な解決策を、ラシルが知った時、この疑問は氷解するであろう。
この世には、歪な仕組みが内包されており、それを支える種族が、いくつも存在する。
ヒトは、何も知らなくても、生きられる。
何も知らされないまま、臨終を迎える。
人でなしは禁を犯した。
天変地異が打ち続いているのに、人々は従前通りの暮らしを営み、巷間では、終末論は聞かれない。
蒼穹のアリアドネ 20 (少年サンデーコミックス)
2023/01/26 00:00
山河無き戦後
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投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アリアドネ皇国や他の飛行都市の成立過程には不明な点が多い。
各飛行都市間には人的な交流があるものの、戦闘状態にある都市や、現状が把握しきれない都市もあり、各都市と地上の国々との外交的な結び付きに関しても、公にされてはおらず、住んでいる地域を問わず、誰しも、各国の実情を掴むのは、困難だ。
原初の光を求めるレアナの旅は、各国、各都市の思惑に翻弄される、命懸けの情報収集の作業だ、と言い換え得る。
ヒトと、それ以外の十二の種族は、都市部で混住する事もあるが、種族毎に別々の地域で暮す場合が、圧倒的に、多く、余所者は、それぞれの種族の伝統や風習に基づき、排除されるのが、一般的だ。
殊に、原初の光を探る者が、縄張りに入って来たら、問答無用で、攻撃するのが常道だ。
光のエネルギーに関しても、飛行都市の歴史と同様に、その発見や応用、管理等の技術的、並びに科学史的な点において、一般人が知り得る内容には限度があり、複数の種族が連携して、部外者に機密を漏らさず、その知識を独占している疑いがある。
天変地異の収束には、その在処を突き止める必要があるとされる原初の光の探索に、レアナは希望を託した。
レアナや彼女に付き従ったアリアドネの民は、この異変が各地に長期的な影響を及ぼす、と考えており、精力的に地上での活動を続けているのだが、地上では、予想外の出来事が相次ぎ、負傷者が後を絶たない。
空中と地上、或いは、地上の各地点で、各々が離れた場所にいる筈なのに、同時に、身体の不調を訴える現象が頻出する。
光のエネルギーは不可思議だ。
物質の存在要件に干渉し、時の流れを、阻害する。
アリアドネ皇国と大帝バルバロスとの間には、国家や種族の壁を越えた軋轢と因縁があり、その解消には時間が掛かる。
地上に厄災を齎した大帝は、空でも、牙を剥く。
蒼穹のアリアドネ 19 (少年サンデーコミックス)
2022/12/22 17:39
甘えたい年頃
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投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
復員兵の社会復帰は困難である。
郊外の森の中で、心身の傷を癒そうとしても、感情を逆撫でされるのが関の山だ。
その森は犯罪の温床であり、地元の人は、足を踏み入れない。
行き場を無くした彼等は、酒浸りになり、些細な事に腹を立てて、身を滅ぼす。
十一人の少年兵の場合、事態は更に深刻である。
抹殺命令が下された人間兵器には、人権が無い。
研究施設に運ばれた生体組織は、無断で、新型兵器の開発に転用される。
世界の破滅を阻止しようと模索するアリアドネ皇国の姫君レアナは、蒼穹の騎士に任命したラシルを皮切りに、寄る辺の無い少年少女の力を借りて、旅を続けているのだが、彼らは自発的に戦いに参加しているとは言え、戦後も命の危険に曝され続けているのは事実であり、安住の地が見付からずに各地を転戦する彼らに、同情を禁じえない読者は少なくないであろう。
天変地異と政情不安が立て続けに発生し、混乱し続ける各国を尻目に、我欲の追求に心を砕く為政者が多過ぎる。
だが、森の女王は、配下の精霊の声に耳を傾けて、己を律し、鍛錬に励む。
しかし、そのような女王であれば、その森の中でも、快適に過ごせる、と考える読者がいるのであれば、認識を改めなくてはならない。
その森は危険だ。
常識が通用しない。
光のエネルギーに関する情報は精度が低く、実際に経験しなければ、詳しい事は分らない。
先遣隊から本隊への連絡が途絶えた。
森の女王の安否が気遣われる。
蒼穹のアリアドネ 18 (少年サンデーコミックス)
2022/08/27 00:58
献身的な皺寄せ
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投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
皇女レアナの生育環境は最悪だ。
彼女の親類縁者の多くに、不幸が相次ぎ、行方不明者や故郷を離れる者が後を絶たず、内憂外患のアリアドネ皇国では、王族と言えども、安寧な生活を保証されない。
落ち着いた暮らしを過ごせた時期はあったものの、実の父親が惹き起こした戦乱の世を生きる娘の心中は、常に穏やかではなく、レアナ自身が任命した蒼穹の騎士のラシルに兄の面影を見出しては、過去を思い出し、心を痛めている。
それでも、レアナは、アリアドネ皇国のみならず、世界中の国々とその民を救うべく、危険を冒して、地上へ降り立ち、災いの種となった原初の光を求めて、旅をする。
ラシルを皮切りに、仲間を増やして、大所帯となったレアナの一行だが、出自の異なるメンバーのそれぞれに、種族や所属する組織、或いは、階級の違いに起因する軋轢や悪縁が表面化し、一難去っても、また一難が生じる、悪循環に似た騒動が、絶え間無く、起きている。
原初の光を探ろうとする者の前に姿を現す、と言われる種族や、未知の災厄を招く突然変異の集団、この世の理の遵守を他の種族にも強制し、従わなければ罰則を与える傲慢な輩等、ラシルが戦う相手は、預言者や審判者の如く、レアナの前に立ちはだかっては、異様な力を発揮して、旅程を狂わす。
レアナとラシルの出会いは、地上への降下を自発的に決意したレアナの行動の結果である。だが、レアナが、そこに降り立たなかった場合には、ラシル以外のフォトンキャリアーと同道したとは思われず、レアナは何らかの指針に基づいて、旅程を組み、仲間を募っている、と考えられる。
レアナの人脈の構築が、当初の目論見通りに進んでいるのかは、定かではないものの、旅に出てから、彼女は良縁に恵まれた。
戦闘に長けた者も、後方支援に従事する者も、力の限り、レアナに尽くす。
蒼穹のアリアドネ 17 (少年サンデーコミックス)
2022/05/25 17:15
怪人の末路
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投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
旅は危険だ。
レアナと一緒に家を出てから、生身の人間であれば、死んでいたであろう土地に、ラシルは、何度も、足を踏み入れた。
そして、その死因は、地形等の自然環境に起因する事故死である場合よりも、圧倒的に、他殺の割合が大きい。
交戦状態にあるアリアドネ皇国から脱出したレアナは、安住の地を求めて、地上に降り立ったのではなく、彼女の旅は、肉親の野望を阻止し、世界を破滅の危機から救う事を目的とした決死行であった。
だが、因果は、人智では、紐解けず、現状では、世界が崩壊する前に、レアナの旅が終結する確率の方が高い。
ヒトと、その他の十二の種族、更に、精霊は、各自、打算的に、或いは、合目的的に行動し、世界の秩序の維持や、自然の理の遵守には、往々にして、頓着しない。
旅人の身の安全を保障する枠組みは存在せず、曖昧な境界線が引かれた支配領域を通行しただけで、問答無用で攻撃対象にされる危険地帯や紛争地域、正体不明の武装集団が占拠する鉱山、傍目には安全そうな街や観光地が各地に点在しており、世界大戦終結後の世界においても、誰しもが平穏無事な生活を営める環境は整備されてはいない。
旅に出なくても、ラシルの身には、危険が迫っていた。
人間兵器は、速やかに、廃棄処分しなければならない。
勝手に産み出されて、勝手に殺される。
世の中には、その死体に、利用価値を見出す者もおり、追っ手から逃れた十一人の光子の保持者は、死んでも死に切れない。
精神的にも、肉体的にも、追い込まれた者は、面の皮を厚くして、内面を押し隠す。
蒼穹のアリアドネ 16 (少年サンデーコミックス)
2022/02/24 17:12
感情の代償
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投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
肩書きを失ったら、居場所を無くす人がいる。
自分は強者だと思っていた者が、屈辱を被り、挫折を知った時、その胸中に、苦々しい過去の記憶が蘇る。
光のエネルギーの技術を独占したい領主の野望は、止まる所を知らず、自国民を意のままに操り、他国民の人権を蹂躙して、崩壊しつつある世界に、更なる混乱を齎す。
戦争によって生じた遺恨は、戦後、世の中が一変しても、容易には、解消されず、その影響は、身分の高い者程、優先的且つ迅速に緩和される訳でもないので、私怨と妄想に駆られた為政者が戦後処理の方法を誤れば、無関係な後世の人々に、多大な禍根を残す事となる。
ビオーヴ王国における局地的な戦闘は、アリアドネ皇国から来た者にも、地上で生まれた者にも、精神的な痛手を負わせるのに、十分な、被害を与えた。
悔しさの余り、男の子の前で、上半身が裸のままで歩き回る女の子が現れたのも、その所為だ。
レアナの正体を知ってから、余所余所しいディヴァは、依然として、態度を軟化させず、このままでは任務に支障を来たす惧れがある。
その一方で、森の女王は、予期せぬ形で、威厳を取り戻す。
十一人のお尋ね者と十二の種族の大半と出会ったレアナの旅は、まだ、その目的を果たせずに、続いている。
アリアドネ皇国の皇族の家庭問題が解決されなければ、各地で続発する紛争は終結しないが、それが実現したとしても、それだけでは、レアナは旅を終えられない。
光と時間が生命を苦しめる。
仮面は意味を成さない。
外面は悪い方が良い。
蒼穹のアリアドネ 15 (少年サンデーコミックス)
2021/11/24 17:45
手駒の調理法
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投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
僭主には、忠臣は不要である。
恐怖政治の利点は、君主が臣下の顔色を窺って、疑心暗鬼となり、国内に無用な混乱を生じさせて、政情が不安定となるのを防げる事だ。
主従の相互の信頼と信用は、無用の長物であり、消耗品である人材の補充は、権力者が磐石な経済基盤さえ有していれば、さして問題にならない。
アリアドネ皇国と縁のあるビオーヴ王国は、他国の領土を侵略し、国土を拡張する、身勝手な絶対君主制の国家であり、その勢力の伸長は、近隣諸国のみならず、世界中の国々の安寧を脅かす。
だが、ビオーヴ王国の建国神話が、王権神授説のような国家観を捧持する裏付けとなり、それが魅力的な観光資源となって、他国の人々が、大勢、ビオーヴへ訪れて、結果的に独裁国家の繁栄を支えているのは、皮肉な事だ。
多少なりとも、ビオーヴ国内の情勢を把握しているレアナの一行は、王都に於いて、招かれざる客であると同時に、手薬煉引いて待ち受けられる獲物でもあり、各政治勢力の思惑が入り乱れて、各々が敵対勢力を出し抜く好機を探っている。
ラシルも、ノイシュも、ルルロラも、カグラも、そしてカリギュラも、命を狙われた。
レアナは、彼女に対して、臣従の誓いを立ててはいない旅の仲間を、身を挺して、守る。
ビオーヴ国王の意向に背けば、安穏な余生を送れないのは、表向きは観光客であるレアナの一行も、ビオーヴ国民も、同じで、両者に処遇の差は生じず、また、たとえ、彼の意向に沿ったとしても、アリアドネの王族の連れが、無事に、国外に退去し得るとは限らない。
光のエネルギーは争いの種である。
効率的な兵力の運用や新兵器の開発には、光のエネルギーの知見の蓄積具合や技術力の高さが、物を言う。
その供給網を完全に掌握した時、独裁国家は覇権国家へと変貌する。
現ビオーヴ国王は、僭主ではないものの、暴君である。
光の力は絶大だ。
蒼穹のアリアドネ 14 (少年サンデーコミックス)
2021/08/25 00:27
高貴なフーリガン
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投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
十一人の少年少女が、銃弾を掻い潜り、ある施設から、逃げ出した。
十年以上、経った、現在でも、その子等は、お尋ね者であり、潜伏先が判明すれば、掃討作戦が開始されて、世界平和機構の隊員が、その場へ派遣される。
商業都市ノマドは、マフィアが牛耳る治安の悪い街だ。
身寄りのない子が集まって、徒党を組み、犯罪に手を染めて、辛うじて、社会の底辺で生き延びたとしても、常に、報復される危険性が高く、ノマドは、隠れ家を築くには、不適格な土地である。
人間兵器フォトンキャリアーに関する技術は、戦後、各国の同意の下、世界中で、廃棄された。
だが、アリアドネ皇国のように、光のエネルギーを利用した新型兵器を一部の兵士に配備する国が存在する以上、水面下では、この技術の転用や、新たな研究が、各地で、行われているのであろう。
失われた技術を復元するのには、行方不明の十一人の子供の身柄を確保し、研究素材として、その生体組織を活用するのが、手っ取り早い方法だと考えられる。
噂では、何者かに捕われた子もいるらしいのだが、十一人の安否は、誰にも、分らない。
ロストイレブンの一人、ラシルは、旧知の仲間との再会を願いつつも、容易には、その行方を知る手がかりを得られずに、レアナとの旅を続けている。
数名の仲間とは、再会を果たし、再度、行動を共にするようになったとは言え、出会えてもラシルに同行しない者や、名乗らずに姿を消す者もおり、レアナの一行は、彼女の本願を実現するのに必要な人材を確保するのに、手間取っている。
何れの国にも属さない地域が、世界にはあり、ラシルもレアナもルルロラも、其処へ立ち寄った事があるのだが、アリアドネ皇国の建国に、深く関わるその地は、目下、近接する別の国の膨張政策により、その支配下に組み込まれかけている。
その国は、商業都市ノマドにも、影響力を行使し、裏工作をする、地域の安定を脅かしかねない、極めて、厄介な国家だ。
神話を捏造して、観光客を誘致するその国に、レアナの一行は、足を踏み入れる。
森の女王ルルロラは、彼の地で、勇者となる。
蒼穹のアリアドネ 13 (少年サンデーコミックス)
2021/05/25 17:29
朽ちた断頭台
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求道半 - この投稿者のレビュー一覧を見る
空に浮かぶ都市の目撃報告は、大分前から、あったらしい。
だが、その記録は数百年分もあるのではなく、どうやら、アリアドネ皇国の歴史は、然程、長くはなさそうだ。
十に満たない都市国家が、その存在を、地上の人間に、知られる事なく、空中で、覇権争いをしている。
レアナの秘密は、近侍の者にさえ、明かされない、トップシークレットであるばかりか、地上で暮らす人類を含めた十三の種族の生存を脅かす、深刻な事態の発生を予告する、誰もが聞き流せない内容だ。
予期せぬ形で、それを聞かされたラシルは、惰眠を貪れるほど、肝が据わってはいない。
手の内を、少しだけ明かしたレアナも寝付きが悪いようだ。
寝相が悪いルルロラは、その話を全く理解しないので、熟睡する。
先の大戦時に大活躍した英傑は、三人とも、世界の異変を感知した。
マウ族は平原を駆けるケンタウロスのような生き物だ。
現存するマウ族は、大量虐殺の目撃者で、レアナの出生にも関わりのある別の種族の機密を、一族で共有する、排他的な種族である。
ギサウ族のダット博士は、ラシルと同様に、空に浮かぶ都市の目撃者だ。その弟子のポポルは推理能力が高く、レアナの秘密の内容から、思考を深化させて、大胆な仮説を提唱する。
ポポルがレアナの旅に同行したのは、ルーサ族の王の墓所を出た直後である。
ルーサ族は、原初の光を探す者を監視する。
ヴィーヘェ族の集落で、レアナが見た光景は、幻ではなかった。
原初の光の在処を探るレアナの旅は続く。
ラシルには妹がいる。
レアナには姉がいる。
戦災で家族の一員を失った者は多く、彼らの心の傷は未だに癒えない中で、戦争犯罪人のバルバロスは壮健だ。