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神様ドォルズ みんなのレビュー

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みんなのレビュー26件

みんなの評価4.1

評価内訳

  • 星 5 (2件)
  • 星 4 (21件)
  • 星 3 (2件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
26 件中 16 件~ 26 件を表示

飛び越えられるだけの力

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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

当主の枸雅清方や伯父の枸雅将征が、天照素に取り込まれた日向桐生ごと、日向佐兵衛や綾女を闇に葬り去ろうと画策していることを知り、枸雅匡平は弟である桐生を助けるために抵抗するのだが、弥隈利の隻である枸雅蒼也により、史場日々乃ごと捕まってしまう。
 隙を突いて日々乃だけは逃がすことに成功したものの、匡平自身はかつて枸雅阿幾が軟禁されていた座敷牢に閉じ込められてしまった。

 綾女により撃たれて重傷を負った日向勾司朗は、怪我を押して、約束を守るために宇輪砲と共に戦場に行く。それを見送る日向まひるは、きいちゃんに子どもが出来たことを知り、失った禍津妃の代わりに武未禍槌を駆って戦場に向かうことを決意するのだった。
 一方、天照素に対して迦喪建角で哨戒任務に当たっていた枸雅紫音は、その武装の少なさゆえに攻めあぐねていた。しかし、玖吼理と共にやってきた枸雅詩緒、火官土の日向暁、そして弥隈利と枸雅蒼也の参戦で、何とか戦況を維持することに成功する。

 その頃、杣木靄子の許には、弱った暗密刀を抱えて阿幾が転がり込んでいた。

 靄子のいじましさはいったい何なんだろうね。それでいて、責任を負った大人としての一線は守るわけだ。背負うものがあると中々自由には生きられないんだ。それに対して、そういうしがらみの一切を無視できるほどの圧倒的な才能を持った匡平は、ついにそれは自覚的に使う決意をする。
 これは一種、中世から近代へ、家から個人への変化を生んだ意識革命をなぞっているようなものなのかも知れない。

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過去に囚われる亡霊たち

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玖吼理の隻としての権限を取り戻した枸雅匡平は、空守村で大ピンチを迎えていた。史場日々乃や杣木靄子、そして詩緒と一緒に帰郷する途中で、日向のお館様が復活させた天照素に襲われたのだ。
 とりあえずピンチは脱したものの、村は臨戦態勢。それにも拘らず、影では枸雅と日向の権力闘争が引き続いている。それは、個人の意趣返しを動機とした、至極ちっぽけなもの。

 そして詩緒は、匡平にある提案をするのだった。

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玖吼理の異変

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日向まひるの禍津妃を退けた玖吼理だが、なぜか詩緒の操縦を受け付けなくなってしまう。代わりに、枸雅匡平は何かふさぎこんでいる様子だ。そんな彼の前に、阿幾が現れる。
 一方、居場所を失くしてしまった桐生は、空張久羽子の父親の恭介に拾われていた。しかし、彼が刑事だと分かり、またも居場所を失くしてしまう。彼の居場所は一体どこにあるのか?

 日向のお館様が大層なことをやってくれています。

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浮いた想いの向かう先

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流れから平城と敵対することになった空張久羽子は、銃を持ちだしてきた平城と格闘戦を演じることになってしまう。
 一方、史場日々乃と出会った日向まひるは、枸雅匡平に拒絶された憤りを、日々乃にぶつけようとしていた。そこに、詩緒が玖吼理を連れて介入する。

 今回は案山子同士の本格戦闘が激しく繰り広げられます。

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もう一つの過去

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枸雅匡平と阿幾、日向まひるの共通する過去が語られる。それは匡平が玖吼理の左手を初めて開いた日の物語でもあるし、阿幾との決別を予感した日の物語でもある。そして、まひるが匡平を唯一無二のヒーローと見なすきっかけとなった物語でもあるわけだ。

 一方、現在の阿幾は、平城によって監禁され、薬漬けにされている立場だ。だが、まひるの単純さを利用して史場日々乃に目を向けさせ、強制的に匡平を巻き込もうとする。その結果おきる出来事とは…。
 今回はあんまり詩緒の出番なし!

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隻の責任

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枸雅匡平と詩緒がお世話になる史場家に、空守村出身の下尾が息子の透を連れてやってくる。仙台に引っ越す前の挨拶だという。しかし史場父は、匡平が枸雅家の人間で、しかも詩緒は隻であることを思い出し、青ざめる。下村と枸雅の間にある因縁とは何なのか?

 一方、勾司朗は、桐生の暴走に頭を痛めていた。一緒に東京へ上京した器師の杣木靄子からも、これ以上言うことを聞けないならば調整はしないと最後通牒を突きつけられてしまう。そこで、匡平を通じて詩緒と桐生の手打ちを考えるのだが、そこに新たな隻、日向まひるが現れてかき乱す!
 どうやらまひると匡平の間には、過去に何かがあったらしい。その過去は現在にどのような影響を与えているのか?

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再び東京へ

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杣木靄子たち器師による案山子・玖吼理の修理も終わり、匡平や日々乃、詩緒は東京へと戻っていく。そんなとき、匡平と勾司朗はちょっとした画策をしていた。
 そして戻ってきた東京。阿幾の再登場や、村を出て外で暮らす村人たちの画策など、新たな事件の様相が明らかになってくる。そして、詩緒たちに目をつけた空張久羽子の父親も、本格的に捜査にあたりはじめる。

 村の内にいても外にいても、どっちがえらいのかを比べなきゃ生きていけないなんて、大変だねえ、と。

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神にかかるもの

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壊された案山子・玖吼理を修理するため、空守村へと戻る決断をした枸雅匡平。そこには、詩緒と同じ顔をした日向家の隻の正体を確かめたいという思いもある。そして史場日々乃は、そんな匡平に同行を申し出る。
 細い山道を抜けて、日々乃の運転でやってきた故郷・空守村。そこに広がっている景色は昔と何も変わらず、住んでいる人々の意識も時間が止まったままだ。そのことを実感するにつけ、匡平の頭をよぎるのは、一人の女性。阿幾の過去にも共通して登場する、瀬能千波野という外から来た教師のことだ。それは阿幾が囚われの身となり、詩緒が隻となったときの物語。

 一方、日向家に戻った桐生は、厳しい叱責と折檻を受けていた。それを止め、自宅に連れ帰った勾司朗は、彼に温かい家庭というものを実感させる。それはこれまで彼が得たいと思っていて、決して得られなかったもの。

 今巻は、匡平と阿幾の人生を変えた過去の回想編。そう思うと、彼らの生き方を変えてしまったのは、瀬能千波野という女性の罪なのではないかと思えなくもない。だがそれはあまりにも酷な見方なのだろう。なぜなら彼女はそれを避ける術を持たなかったのだから。
 それもそのはず。ちはやは神にかかる枕言葉。彼らが案山子という神の抜け殻に関わるのならば、その出会いは必然だったのだろう。

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新たな刺客

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村で枸雅家と権力を二分する日向家の勾司朗が、阿幾を追って匡平の前に現れる。そして彼らが案山子を使役して戦う現場には、史場日々乃の友人・空張久羽子の姿があった。彼女の登場は、彼らの戦いにどんな影響を及ぼすのか?
 そして、隻でありながら、彼らの動向について全く聞かされていない詩緒。彼女に隠された秘密は、匡平の生活をどう変えていくのか?その鍵はおそらく、彼らの過去にある。

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逃げ出しても逃げ切れない過去

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枸雅匡平は、実家のある村から東京の大学へとやって来た。そんな彼が懇親会で世話になっている史場日々乃に告白しようと思った日、村においてきたはずの因縁が再び彼の許へとやってくる。カラオケ店で発見した惨殺死体。その手口は、彼が昔に村で見たものと同じだった。
 その予感は当たり、自分の部屋へと帰るとそこに待っていたのは、妹の詩緒だ。案山子という神様の抜け殻を操り、奇跡を起こす隻でもある彼女は、脱走した阿幾を追って東京へとやってきたのだ。かくいう匡平も元・隻であり、詩緒が操る案山子・玖吼理も彼の持ち物だったのだ。

 そしてその匡平の住処を襲撃する阿幾。そのおかげで、父親が村の出身だという日々乃も巻き込み、案山子たちの戦いが始まることになる。

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あ~終わってしまった…(ToT)

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投稿者:おこめ - この投稿者のレビュー一覧を見る

設定と案山子のデザインとキャラクターたちの魅力ある表現ですっかりとりこになっていましたが、巻数的にもここまでかな~と悲しくなりました。
 ちょっとネタばれもあります。

 全体に「やさしい」がつまっていました。
外からも中からもとても残酷なシーンがあるのでうけれど、そういう事があったから余計に人の痛みが人ごとに思えない。
 それを案山子も受け取ってるという…
 ホッとしたけれど、このアイディアをこの短さで終えるのはとても悲しい。
それが★一つ分原点した理由です。

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