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商品説明
ヴァチカン異端審問資料庫で発見された写本などを踏まえた完全版全集。5は、スピノザの残した著作の中でも特に謎の多いテクストであり「エチカ」の萌芽的前身と目される「神、そして人間とその幸福についての短論文」を収録。【「TRC MARC」の商品解説】
1861年にオランダ語訳をもとにした写本が発見されるまで、書簡と間接的な証言によってしかその存在が知られていなかった作品。神の存在と人間の至福についてスピノザが友人たちのために講義したものであり、のちに主著『エチカ』で展開される哲学体系の萌芽が見てとれる。生前スピノザは公刊を断念し、没後数世紀を経て1862年に出版された。【商品解説】
目次
- 日本語版『スピノザ全集』への序文
- 凡例
- 神 、そして人間とその幸福についての短論文 ……… 上野 修 訳
- 前書き
- 第一部 神、および神に属するものについて
- 第二部 人間、および人間に関係する事柄について
- 付 録
- 概 要
著者紹介
スピノザ
- 略歴
- 上野 修(ウエノ オサム)
1951年生.大阪大学名誉教授.『スピノザと十九世紀フランス』(共編,岩波書店,2021年),『スピノザ『神学政治論』を読む』(ちくま学芸文庫,2014年)ほか.
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紙の本
完璧なる神との合一
2023/07/02 14:37
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投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『エチカ』以前に書かれた、あるいは述べられたもので、『エチカ』の直前なのか、それとももっと初期なのかも判然としていない、写本を元にした本。
訳註は、ほぼ全て翻訳の問題、どのテキストを用いるかなので、研究者でもない限り、いちいち参照しなくてもいいと思われる。
これまで読んだスピノザの本に比べて、わかりにくいなと思いながら読んでいたのですが、そもそもかちっと固まってなく、スピノザ自身が完成稿としたものではないかららしい。
神は、完全なるものとして語られる。
それがキリスト教的な神なのか、部外者からすると判断に困るが、すくなくとも神の子キリストの話や、教会は、興味の対象になかったと思われる。これは当時においてラディカルな危険思想になったのかな。時代背景がよくわからないけど、正統(カトリック?)キリスト教は、受け付けない考えに思える。
全能の神という、理詰めで考えるほどに矛盾を感じるようなものを、人格をこそげ落として、宇宙の理としていくような書物でいいのかな。これは確かに信仰であるんだろう。
スピノザにとっては、完璧なる神との合一を図ること、それが、神を信じるってことなのだと思われる。