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紙の本

完璧なる神との合一

2023/07/02 14:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『エチカ』以前に書かれた、あるいは述べられたもので、『エチカ』の直前なのか、それとももっと初期なのかも判然としていない、写本を元にした本。

訳註は、ほぼ全て翻訳の問題、どのテキストを用いるかなので、研究者でもない限り、いちいち参照しなくてもいいと思われる。

これまで読んだスピノザの本に比べて、わかりにくいなと思いながら読んでいたのですが、そもそもかちっと固まってなく、スピノザ自身が完成稿としたものではないかららしい。

神は、完全なるものとして語られる。
それがキリスト教的な神なのか、部外者からすると判断に困るが、すくなくとも神の子キリストの話や、教会は、興味の対象になかったと思われる。これは当時においてラディカルな危険思想になったのかな。時代背景がよくわからないけど、正統(カトリック?)キリスト教は、受け付けない考えに思える。

全能の神という、理詰めで考えるほどに矛盾を感じるようなものを、人格をこそげ落として、宇宙の理としていくような書物でいいのかな。これは確かに信仰であるんだろう。

スピノザにとっては、完璧なる神との合一を図ること、それが、神を信じるってことなのだと思われる。

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