なぜ難民を受け入れるのか 人道と国益の交差点
著者 橋本直子(著)
世界であいつぐ迫害や人権侵害.「自国第一」を掲げるポピュリズムの台頭.状況が年ごとに複雑になるなか,国際社会は葛藤を抱えつつも難民保護の取り組みを続けている.各国はいかな...
なぜ難民を受け入れるのか 人道と国益の交差点
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商品説明
世界であいつぐ迫害や人権侵害.「自国第一」を掲げるポピュリズムの台頭.状況が年ごとに複雑になるなか,国際社会は葛藤を抱えつつも難民保護の取り組みを続けている.各国はいかなる論理と方法で受け入れを行なってきたのか.日本の課題は何か.政策研究の知見と実務経験をふまえ,多角的な視点で難民「問題」を考える.
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難民の 詳しいことが わかる本
2025/04/02 22:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:清高 - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容・評価
日本は難民を受け入れる数は少なく、それはよくないことである。筆者はこの程度の軽い認識だったし、難民は可能な限り受け入れない方がいいと思っている人もあろう。
しかし、難民は、そういうものではないのだ。
難民は、一時的には財政に負担を生じさせるかもしれないが、経済的に自立している人が多く、受入国に貢献している場合が多いことがわかる本である。
また、難民は、「"差別に基づいて"[原文は傍点]迫害される者」(p.9)なのであって、単に出身国にいるのが苦しいだけの存在ではないことを認識させられる。従って、ウクライナの人が日本において「難民」ではなく、特別のカテゴリーになっているのに理由があることを認識できる本である(ただし、ウクライナ避難民の優遇という批判も本書では示している(第4章))。
難民にはいろいろなカテゴリーがあり、大まかに書けば、「『待ち受け方式』」と「『連れて来る方式』」(ともにp.73)があり、最近の傾向では「『連れて来る方式』」の「第三国定住」(同)がよく使われているようである。「第三国定住」は確実な選抜の上で定住するから受入国の利益になりやすいが、より困っているであろう「『特に脆弱な難民』」(p.205)が受け入れられにくい懸念がある。北欧諸国においてその枠を作って受け入れていることが第6章に書かれている。
単に可哀想だから受け入れるわけではなく、受け入れる国の社会に害をなすから受け入れないわけではないし、受け入れないわけにはいかない(難民の地位に関する1951年の条約等の締約国)。このような人道的な側面と、受入国の利益になるような受け入れの方法が示されていて、参考になる。
以上の通りであるから、5点とする。
しっかりとしたいい本です
2024/09/15 08:29
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投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読んで、難民という言葉を読んだり聞いたりしてわかっていた気になっていたのが、実はちゃんとわかっていなかったということがわかりました。国際的な条約とかで、定義がされていること、でも、その一方で、その定義も国や地域でのブレや変化もあることとか。アフガニスタンの日本の大使館やJICAとかで働いていた現地の職員や家族の受け入れなどの問題や他国とのずれのことなんかも知りました。きっと政治家の人たちも、私同様、この本読んでちゃんと知識を持つべきなのでは。冷静なトーンで書かれた、しっかりとしたいい本だと思いました。
難民の色々が分かる1冊です。
2024/07/23 16:00
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投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
そもそも「難民」ってどういう定義なのか、という根本的な所から話が始まります。
その後、難民を種類別に区分けして説明し、そして諸外国、日本の難民受け入れの実態について詳しく説明しています。
日本人は難民問題について詳しく知らない人が多いので(私もその一人)、当書を読んで難民の色々をしっておくべきと思います。