君のクイズ 新着
著者 小川 哲
クイズ番組の決勝で、僕の対戦相手は1文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たす。彼はなぜ正答できたのか? 推理作家協会賞受賞&本屋大賞6位、圧巻のエンターテイン...
君のクイズ
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商品説明
クイズ番組の決勝で、僕の対戦相手は1文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たす。彼はなぜ正答できたのか? 推理作家協会賞受賞&本屋大賞6位、圧巻のエンターテインメント。文庫化に際し短編小説「僕のクイズ」を収録! 解説は田村正資氏。
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☆クイズミステリー☆
2025/04/25 23:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ACE - この投稿者のレビュー一覧を見る
生放送のTV番組「Q-1グランプリ」決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手である本庄絆がまだ1文字も問題が読まれぬうちに解答し、優勝を果たすという不可解な事態を訝しむ。
一体、彼はなぜ正答できたのか?
真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島は、軈て、自らの記憶も掘り起こしていくことになる。
決勝で出された問題を1問ずつ振り返り、クイズプレーヤーとしての問題の分析と、三島・本庄の双方の実体験(過去の経験)との2つの視点から、本庄の《ゼロ文字押し》は実力かヤラセかを検証していく。
確かに、はたから見ればヤラセ感がプンプン匂う状況ではあるが、本庄の驚異的な記憶力、圧倒的な知識量に加え、これまでのクイズ番組を通して勉強してきた《クイズ力》が徐々にわかってくると、「ひょっとすると、実力でもぎ取ったのでは?」と、心証がだんだんと傾いていく。
物語の過程が面白いだけに、結末は少し腑抜け感があったように感じてしまった。しかし、純粋にクイズを楽しむ三島と、クイズ番組を利用する本庄との《クイズ》に対する考え方が違うだけに、ある意味で当然の帰結か、と思われる。これは、まさに「あなたにとって、クイズとは?」という問い(君のクイズって、何?)に対するアンサーなのであろう。
私もクイズは好きだが、やはり、三島派の人間で、「知識欲に満たされたい」「もっといろんなことを知りたい」という人種なので、本庄のようなビジネスライク的にクイズを見ることに、ちょっと抵抗がある(ただ、本庄の過去の経緯等を踏まえると、彼の考え方も一種の逞しさがあり、そこは見習いたい、という部分もあるのだが・・・)。
何はともあれ、ミステリーに分類されるような本書であるが、お手軽に読める感じであり、また、明日からも自分の知識欲を満たしていくよう頑張ろう、と思える作品であった。