ハードボイルドSF大長編
2024/11/23 15:45
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投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本推理作家協会賞。
SF設定ということだけわかっていて読み始めたが、SFなのにハードボイルドが過ぎる、と最初の段階で読むの辞めようかとも思った。ただ次第にストーリーが面白くなっていき、結局惹き込まれて最後まで読んでしまった。前提が間違っていた。これはハードボイルドなのにSFな小説だ。
琉球文化はある程度わかるものの、台湾文化に多少戸惑った。ゲームや戦闘部分はあまり頭に入らなかったけれど、総合的に面白かった。
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
SFだと知らずに読み始めた。
おもしろかった。
けど、カードゲームはよくわからなかったし、
背景もよくわからなかったかな。
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先の世界大戦後とおぼしき時代、米国占領下の沖縄は与那国島に集う台湾からの密貿易人達の物語かと思いきや、さらりと“義体化”され“電脳化”されたとてつもなく人間的な「サイボーグ」たちが、南国の気候に負けない濃密な丁々発止を繰り広げる。これが現代のサイバーパンクというやつか!?とにもかくにも主人公の武(ウー)さんが、不器用な生き方しかできない男ですいません的な男らしさと情けなさを発揮して、北方謙三もかくやのハードボイルド主人公として魅力を放っている。正直、後半はなんでもあり感がいきすぎて、バカらしくなる寸前だったが、そこを乗り越えられたのは、武さんのキャラクター力のおかげだろう。読んでて楽しい作品でした。ありがとう。
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時代設定からすればサイボーグ化した人間の存在は明らかに間違っているがあの時代にもしいたら又外国もその製造に手を付け様としていたら---こんな日がいつか来るかも。中国語や沖縄独特の言葉を小生少々知っている分面白く読んだ。
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なんて愚かなんだろうか。いくらでも上手く立ち回ることはできたし、武にとってもっと幸せな結末を迎えることだって叶ったはず。それでも、それが武の生き方だし、台湾人や琉球人が持つマブイの在り方なんだろう。怪しい貿易業で急速に発展を遂げた島を舞台に、一介のブローカーが達成困難なミッションに挑む。ネオンで照らされたシティ、印象的な酒や煙草、どれも魅力的。そしてなによりも人物とセリフがたまらない。「食人飯、犯人問」「指は内にぞ折れる」間違いない。これからも何度も読み返すことになるだろう。新年初っ端から嬉しい誤算だ。
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ジャケ買いです。設定も面白そう!ということで。
内容は、アニメを見ているかのような感じだった。第1章の与那国島での話はこれから何がおこるんだろうか?とワクワク。ところがそれ以降はちょっと尻すぼみな感じがした。謎の少女・紬や、麹大尉という愛国者、李志明の子ども達、特に玉城…これらの登場人物達の消化不良感が最後まで残ってしまった。
トキコは好き。
四色配というローカルゲームの話が20ページ分もあって(しかも2段組なため長い)ちょっとげんなりしてしまった。
台湾編では基隆市を舞台にしているのだが特定の道路をただ羅列されてもなかなかイメージが湧いてこなかった。例)義二路と信四路の交差点~とか(道の名前は実在していてグーグルマップで見ながらイメージを補完した)
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これも2024年の第77回日本推理作家協会賞候補作品。これは私には合わなかった。作者の話は前に「ループ・オブ・ザ・コード」も読んだが、とにかく読み辛くて疲れる。アイデアは非常に面白いんだけどなあ。ああ、しんど
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SFハードボイルド冒険活劇といった内容といえばいいだろうか。密貿易、サイボーグ、スパイ、裏切り、銃撃戦、などなど面白い要素がてんこ盛りだ。単純に楽しむだけならいいのだが、エンタメ要素を詰め込みすぎて、逆にベタな感じになっている。台湾や与那国島を舞台にする必然性も感じられなかった。読みやすいし、頭を使わずに楽しめるのは評価できる。
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めちゃくちゃ面白い!戦後の与那国島と台湾を元にしたパラレルワールドを舞台にしたバトルアクションものサイバーパンクSF。機械化された身体(義躰)や脳を電脳化することが一般的となった世界は攻殻機動隊を思わせる。
物語の構成がお見事で、主人公の目的、雇用主からの司令、主人公の正体の謎が少しずつ明らかになっていくのだが、話に無駄がなく読んでいてストレスがない。仲間でも友だちでもない4人の男たちが協力して闘うラストは胸熱!
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骨太なストーリーにハードボイルド、SF、と要素が多くて中盤少し胸焼け…
読みなれない2段組小説もあってか、ここ最近断トツで時間がかかった。完読した後の疲れもありぐったり。
内容が濃すぎてちゃんとした感想文を書くのが難しい作品。個人的に本じゃなくて映像でみたい作品。
サイバーパンクでもありスチームパンクでもある本作の要は電脳かな。武器ではなく情報戦の裏の読み会いが一番怖い。
遠い未来もっと技術が発達すればこんな世界になるかもしれないと少し怖くなる。
残念だったのは、賭博のシーン。
麻雀を知っている方はきっと楽しめる。
私はひとつも知識がなかったので、きっと盛り上がってハラハラ場面なんだろけど全く理解出来ませんでした。
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戦後の与那国と台湾を舞台にしたサイバーパンク。
設定が面白いので、街の描写をみてるだけで楽しい感じは良い。
ただ個人的に主人公は結構掴みどころのない感じで、(設定で仕方ないのかも知れないけど)ラストまであまり好きになれなかった。
脇役のほうがキャラとしては立っていたかも。
あと結構会話がずっと続いて移動、また会話みたいな感じが多く、あまり躍動感がなくテンポが悪く感じてしまった。
面白い部分も多いけど、もう少しドキドキワクワクが欲しかったような。
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2段組み400ページ超という長編、また沖縄や台湾言語が並ぶのでかなり読みにくい。その分、じっくりと楽しむことが出来た。サイバーパンク×正統派冒険小説といったところ。前作でも思ったことだが荻堂さんは端役の人間に対してもしっかりと物語を構築する。今作では密貿易を見逃している警察官の息子や主人公の右腕、玉城のおばあの過去の話など。これをするととんでもなくページ数がかさむのは仕方がないか。メイン軸は超王道なので猥雑ながら理解はしやすくエンタメ的にはめちゃくちゃに面白い。ラスト付近の戦闘シーンには痺れること間違いなし。ページ数にひるむことなかれ。
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読み応えあった。米軍占領下の与那国島が舞台ということでハードボイルド系かと思ったら、サイボーグ…。推理作家協会賞も受賞なら、その要素も出てくるかと最後までワクワク。途中、月村さんも降臨…。「自由を守るためには兵士が必要」今の世界情勢眺めていると、複雑な思い。
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何を云っているのだと思われるかも知れないが本作は«ハードボイルドSFアクションほんのりミステリー歴史スペクタクル»である。いや、本当に何を云っているのだろう。事実てんこ盛り作品なのだから、これで間違いは有るまい。どんなキャラクターに対しても人物描写が丁寧で世界観が広くて深い。それ故SFに馴染みの薄い私ですらのめり込んでしまう。世界観も良ければ、文句無しのラストがたまらなく素晴らしい。ネックはあまりお手軽な長さではないくらいかな。日本推理作家協会賞受賞作。
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第二次世界大戦後の米軍占領下にある琉球・与那国島。一本の煙草から最新鋭の義肢まで、ありとあらゆるものが売買されていた。密貿易を行なう台湾人・武庭純(ウー•ティンスン)は、終戦を信じられない元憲兵との関わりや、謎のアメリカ人からの指示を遂行するうちに、壮絶な陰謀に巻き込まれていく…
ジャンルで言うならSFハードボイルド戦争スパイ歴史小説か。戦後の時代設定ながら近未来SF(サイバーパンクと呼ぶらしい)。色んな要素がごた混ぜすぎて、とにかく読みにくかった。“義体化”“電脳化”されたサイボーグが蔓延る世界観に頭がついていけない。“人間の頭を自由に操れるプログラム”ってどんなんやねん。
「四色牌」という麻雀もどきの賭博場面が延々と続くのも退屈。私は一応麻雀打ちだが、「四色牌」のルールはさっぱり理解できず、勝負にひりつくこともなかった。
場面が急変したり、謎が処理されないまま物語がどんどこ進むのでモヤモヤしながら斜め読み。このリーダビリティの低さで上下二段組400ページ超はキツい。それでも完読した自分の読書魂(マブイ)に乾杯。
日本最西端の島•与那国島。地図で見ると台湾は目と鼻の先。この距離感なら当時は頻繁な往来(密貿易)も行われてたんだろうなと、納得。行ったことないし今後も行くことはないだろうけど、与那国島の地理と歴史の知識が得られたのは良かった。
日本推理作家協会賞 受賞(2024年)