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投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
老人がこわくなる一冊、執着するのに年齢は関係ないし、何なら歳を重ねたぶん、思いは重なり募っていくものかもしれないし。
佐坂や今道のような、頼れる警察が増えてくれたらなぁなんて思いながら読んでました。
被害者遺族の人生が狂っていく感じや、自分の感じている恐怖を人が真に受けてくれない絶望は読んでて苦しかったです。
物語としては櫛木作品らしく最高でした。
単行本『老い蜂』改題文庫化
2024/01/31 20:32
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
不気味な老人に突如として付き纏われた女性たちの恐怖を描いたホラー要素と、犯罪者の純粋なまでのエゴイズムを紐解いて真相に迫るミステリ要素が融合された、戦慄のホラーミステリ。
理屈も何もあったものじゃない。ストーカーの悍しいほどのナルシシズムと勘違いに震え上がった。周りの理解も薄く、あまりにさらっといなされるから、次第にこちら側(被害者)がおかしいのか?と洗脳されかけた。人の心理を巧みに操る表現の数々に気が滅入るほど引っ張られた。『死刑にいたる病』でも光っていたが、人の心の隙に入り込むサイコパスの手管と、取り込まれてしまう人の心理描写がとても秀逸。
あまりに理不尽過ぎて、煮えくり返った腸から出た何かで胃潰瘍になるかと思ったレベルのトラウマ作品。
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章によって異なる登場人物の目線で描かれるけれど、こんがらがることもなくすんなり読めました。
なお内容は暗く重めなのですんなりではありません…。
久しぶりの櫛木理宇さんの作品でしたが、面白かったです。
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※
入りから早々に怖いです。
そして、怖さだけでなく理由のわからない
状況に巻き取られていって、想像以上に
複雑怪奇なラストが待っていました。
見ず知らずの人から突然突きつけられた
悪意に満ちた視線と行動で、恐怖と不安が
瞬く間に膨らんでいく様子はホラー映画の
様に鳥肌が立つ様な怖さです。
その上、恐れを他人に理解してもらえない
もどかしさが募って、次第に絶望に打ち
のめされて精神的に追い詰められていく。
これでもかと言うぐらい重ねて迫ってくるので、
なんとも形容し難い怖さがあります。
心理的な負荷大のホラーかつサスペンス。
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櫛木理宇さんらしさ。好きです。
登場人物多すぎて整理できなかったです…。
内容は、描写が細かく、犯人たちの動機が明かされていく場面が面白かったです。
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2024/02/08リクエスト4
老人がストーカーする姿の恐ろしさ。
それを周りから理解されないこと、誰にも助けてもらえないことにより恐怖を感じた。特に丹下薫子のアパート二階での体験。リアルすぎて二階の物件に住みたくないと思った。
過去にストーカー殺人事件で姉を失った佐坂、本庁の北野谷。佐坂は27年前に実姉を喪った時、今道警部補に会っている。その今道と一緒に捜査することになる。
いくつもの事件の関連がわからずページが進み、ラスト近くでまとめて収束する。
複雑なので、私は他の方のように一気読みにはならず。
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前半はとにかく老人が不気味で不気味で。。
想像力掻き立てまくり
恐ろしさ満点
後半は事件の解決に向けて急加速
世の中にはどうしようもない奴っているんだなぁ
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若い女を狙う老いたストーカー事件、そして都内で起きる殺人事件。二つの事件の真相とは。
本作は抜群の面白さがある。
事件へのリアリティーの持たせ方、その積み重ねがずば抜けて上手い。実際にあった事件をいくつも引用して描かれる日本の暗部には戦慄した。物語の進行と共に加速していくサスペンスはさながら極上の映画でも観ているかのよう。
一気読み必至の一冊である。
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気味が悪くてゾッとする。
恐ろしいほどの執着に身の毛がよだつ。
なのに、面白い。
恋人につきまとう老人。
若夫婦を襲撃した老人。
自分をストーキングする老人。
この老人は何者なのか、その目的は何なのか。
得体が知れないから余計に怖い。
謎は深まる一方で、気づけば物語に引き込まれている。
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真面目につつましく生きてきた女性たちに迫るストーカー。
しかもそれは老人だった。
そして、それに平行してある若い夫婦の夫が殺され、妻が連れ去れてしまう。
この三つの事件を柱に物語は進んでいきます。
こんな風にまとわりつかれたらと思うと怖いですよね。
そして同じように姉をストーカーに殺された刑事が主役というのがらしいです。
世の中にはどこになんの地雷があるか、わからないもんだなぁと思いつつ、それを踏まずに平穏な生活をしたいなぁと思わせる一冊でした。
最後に救いがあるのがよい作品です。
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小輪の彼氏・智保は、何か知っているはずなのに口が重く、語ろうとしない。
警察も、高齢者だというと、真剣に聞いてくれない。
小輪の不安が頂点に達したとき彼は姿を消す。そして、老婆は来なくなった。
後味が悪い。何も解決していないまま次の章に進む。モヤモヤを残しながら、気になってページが進む。
ひとつの殺人事件もまた、不可解。
二人目の怯える女性。
高齢者だということで、やはり相談相手、後輩、兄は重くとらえてくれない。
結局、自分は何かあれば戦える、強い方だから。
女性の立場で考えてくれない人たちにみな、絶望する。
薫子の場合は、小輪よりも悪質、執拗。
最後の言葉が怖い。
湘の姉を殺した犯人の行動。
痣を見せるときと見せないときの差はなんだろうと思ったけど見抜けなかった。
自分が救われたいから、自分の子供の情報を渡す親、全部他人のせいにして犯行に及ぶ親、親の行動で人生を狂わされた子ども…。
ラスト、湘と今道の会話、笑顔で終わったのが良かった。
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薫子が追い詰められていく描写が凄い、食べかけ餡パンと陵辱系の本の組み合わせは気持ち悪過ぎる。郵便物引き抜いた瞬間も中々。
犯行時の描写がより詳しく描かれるかと思ったけど流石に厳しいか。
あと読んでいる途中にユヤタンのフリッカー式を思い出した。
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ただのミステリーじゃない、読んでいて怖かったし後味悪くなる作品であった。
ストーカーが老人なんて聞いた事ないぞと思ったからこそ、気になるから読んでみようと思った。
登場人物が多く、視点も様々な人物になるので面白く感じるが、それだけでなく、ストーカー老人と登場人物の関係性を紐解かれていき、ストーカー行為の理由や事件の事実などが明らかになっていくのは面白かった。
でも終わりはあまりしっくり来なかった気がする
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序盤の、女性たちに付きまとう老人の不気味さが半端なく、オカルト的なホラー小説なのかと思うほど。
老人の目的が不明というか、ただの快楽目的っぽく、何を考えてるのかわからないため、いつどこで襲われるか予想がつかない恐怖感も相当強く感じます。
加えて、過去の類似事件や被害者の関係者などの要素が多くて複雑で、序盤はそれらがどのように収束していくのかがとても気になります。これらが徐々に紐解かれ、事件の関係性が明らかになっていく流れは、常に先のページを気にさせてくれる求心力がありました。
そうした半端ない恐怖感・緊迫感と、少しずつ明らかになっていく真相、そして最後の最後まで引っ張る未解決要素(佐坂と永尾の関係)の存在が、分厚くて文字も小さいこの本を爆速で読ませてくれたように思います。
また(櫛木理宇作品では珍しく?)引っかかるところが残らない大団円で、エピローグが爽快だったのも個人的に好ポイントでした。
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久しぶりの本格サイコミステリー。
謎のストーカー老人、老人による殺人事件、老人の正体は気になるし、刑事3人の持ち味も良いし、被害者の女性が仲良くなるのも良かった。
沢山の人間の心理を順に表していく、矛盾なく、話を構築する技術もすごい。
過去の事件を辿っていく、ミステリーが好きかも。
面白い。