「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
親族の基本構造
著者 クロード・レヴィ=ストロース (著),福井 和美 (訳)
婚姻規則、親族分類法、特権・禁止体系は同一の現実の、つまり当該体系の構造の、互いに不可分な側面をなすことを明らかにする。民族学・文化人類学の古典の新訳。【「TRC MAR...
親族の基本構造
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
婚姻規則、親族分類法、特権・禁止体系は同一の現実の、つまり当該体系の構造の、互いに不可分な側面をなすことを明らかにする。民族学・文化人類学の古典の新訳。【「TRC MARC」の商品解説】
のちに構造主義と呼ばれる手法を用いて、インセスト禁忌、交叉イトコ婚などの問題解明に挑んだ古典的名著。レヴィ=ストロースの原点にして、20世紀の哲学・思想に一大衝撃を与えた野心的労作を、意欲的で大胆な新訳で待望の復刊。【商品解説】
目次
- 凡例
- 初版序文
- 第二版序文
- 序論
- 第1章 自然と文化
- 自然状態と社会状態/自然状態から社会状態への移行問題/「野生児」/動物生活の高等な形態/普遍性という基準/普遍的規則としてのインセスト禁忌
著者紹介
クロード・レヴィ=ストロース
- 略歴
- 〈レヴィ=ストロース〉1908年ベルギー生まれ。文化人類学者。59年コレージュ・ド・フランス正教授となり、社会人類学講座を創設。著書に「悲しき熱帯」「野生の思考」など。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
フランス人類学の最高傑作
2000/12/13 11:52
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:松園万亀雄 - この投稿者のレビュー一覧を見る
レヴィ=ストロースの提唱した構造主義人類学は、烈風のように二十世紀後半の人類学と思想・哲学の世界を席巻した。いま、さすがに風は収まったかに見えるが、ポストモダン、ポスト構造主義、ポスト植民地主義などさまざまの名前で呼ばれる現代思想の潮流のなかにも強い影響力を残している。
『親族の基本構造』は、レヴィ=ストロース最初期の著作であるが、斬新な論点と大胆な展望によって一九五〇年代からの数十年間、世界の人類学界に替否両論を巻き起こした。とくに親族とは「交換」のシステムだという考えと、結婚のシステムは「限定交換」「一般交換」の二タイプに分類できるという理論については、その解釈や事実の裏づけをめぐって議論が沸騰した。親族研究は社会人類学や文化人類学にとって基礎的な研究分野であり、学説上の蓄積も多いし自信満々の研究者も多かったからこそ、『親族の基本構造』は論争の的になったのである。当時の人類学者にとっては、レヴィ=ストロースの考えに対してどんな距離をとるかということが、すなわち人類学方法論に関するそれぞれの自己証明にもなっていた感がある。レヴィ=ストロースのもっとも独創的な点は、「基本構造」を人間精神のなかに求めたことにあるが、経験的な現実を重視する者はそれに違和感を覚えたということだろう。
今日ではほとんどの文化人類学入門書にはレヴィ=ストロースの親族論が紹介されるまでになっているが、それが親族の一般理論と言えるかどうかについては、まだまだ議論が続いている。構造主義に反対する人類学者も、本書がフランス人類学の最高傑作であり、記念碑的な著作であることについては異論がない。本書は入門者にとっても読んでみる価値があるし、研究者にとっても過去の論争史を歴史的視野のなかで再検討する機会を与えることになるだろう。
紙の本
編集者コメント
2000/12/09 09:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:青弓社編集部 - この投稿者のレビュー一覧を見る
若き日のレヴィ=ストロースが、当時の人類学の最難題に挑んだ挑戦的論考の集成。本書に収められた未整理で生々しい思想的格闘の痕跡は、当時の人々を震撼せしめた思考の波動を原型のままとどめていて、読者を暴力的に思考の原生林へといざなう。その波動の力を削がないよう細心の注意を払った意欲的で大胆な新訳によって、その思考の精髄をあますところなく伝える。加えて、翻訳という行為の再考を促す訳者あとがきは必読。