紙の本
中年になって再読してようやくこの話が分かってきた
2011/02/12 09:59
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投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る
風邪を引いて休んだ一日に読んだ。昔にも読んだ記憶があるが、不覚にも泣いてしまった。
シンプルな話だ。人間は御金だけでは生きていけないという筋である。そんな話しはいくらでもある。今さら読んで感動するまでもない。そう思いながらも、本書を読みだすと止まることが出来なかった。
子供の頃に読んだ本だ。子供用に書かれた本かもしれない。しかし、本当は、本書は子供には難しいのだと思う。
働く事の厳しさ。お金の重みという現実。親しい人を亡くした日の夜。子供を持ったことで分かる親心。
そういうものを実際に現実に経験した上で本書を読まない限り、本書はただのお伽話でしかない。また、中年になった今だからこそ、本書の細部に心を打たれるものがあるのだと、今回痛感した次第だ。
子供の頃に僕に本書を読ませた親にも感謝したい。あの頃に読む機会が無かったら、こうして、中年になって、異国の地で本書を再読することもなかったろうから。
紙の本
毎年クリスマスが近づくと読み返す本もあっていい
2002/04/01 21:00
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投稿者:ばんばん - この投稿者のレビュー一覧を見る
お気に入りの本をいったい何回読むだろうか。飽きるまで繰り返し読みたくなる本もあるし、一度読み終えたら2度と読まない本もある。このクリスマスカロルは、私にとっては、毎年1回クリスマスが近づくと読む本である。そしてそのたびに懐かしい想いと、新たな暖かさを与えてくれる。
ストーリーとしてはありきたりかもしれない。文章表現は古めかしいかもしれない。しかし、人が幸せになるために優しさを得る、いや違う、優しさを得たことで、幸せを得るその様は、時代を超えて心をうつ。
幸せになったのは、1人の頑固なスクルージじいさんではないのだ。誰もが自分の中に持っているスクルージじいさんを捨て、自分の中の優しい部分を引き出し、優しい部分を見ることで、自分自身も好きになれる。この世のたくさんのスクルージじいさん予備軍が、自分自身を好きになるために読んで欲しい作品だ。
私も、毎年1回、優しい気持ちになるため、読んでいる。反省と愛情を込めて。
紙の本
濃密なひとときを過ごせる一冊
2001/11/12 04:21
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投稿者:紗斗実 - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前から読みたいと思っていた一冊だった。100年以上前の小説なので、やや古臭く、話の先が読めてしまうのは、しょうがないだろう。それを差し引いても、面白い作品だった。童話のように一息に読め、後味がすっきりとしている。
主人公の老人が、あそこまで頑固で変哲だったにも関わらず、案外簡単に心を入れ替えてしまったのには、あっけない気持ちにはなった。しかし、それほどまでに濃密な出来事だったのだとも言える。自分の過去、現在、未来をひとときに目の当たりにすることはない。それを続けざまに見せつけられるということは、自分自身を変革させるのに充分だろう。
この短い小説も、短いなりに濃密な一冊であった。
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ストーリーは単純明快。先もすぐに読めてしまい、子供向けといったレッテルは拭えない(ディズニー・アニメの題材にもなった)。とはいえ、(どこかの小説にあったように)時の流れに負けない作品というものは、抗しがたい魅力を備えている。それを証明してくれた一冊です。
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翻訳者の村岡花子さん同様、毎年クリスマスに読む本。
何となく児童文学のようなイメージを持っていたけれど、子供の頃は怖くて読めなかった。大人になってようやく意味が分かり、これはけして児童文学ではない。大人こそ読むべき本だと認識を改めた。
人間誰しも年をとるにつれて頭が固くなり、偏屈になったり、へそ曲がりになったりする。そうなってはいけないと自戒の意味で毎年読んでいる。1年経って忘れかけた頃にまた読む。何度読んでも新鮮な思いにとらわれ、毎回感動している。失いたくない素直な心、他人に対する愛情と善意を思い出させてくれる本。この本を読んでもなお頭が固く、偏屈でへそ曲がりな方には、DHA & EPAを摂取することをお薦めする。
ディケンズの翻訳はあまり良いものがなく、日本語で読むのが辛い(原書ではもっと辛いが、雰囲気は損ねないだろう)のだけれど、村岡さんの翻訳は好き。私が生まれる前に訳されているにも関わらず、けして古臭く感じない。また、ディケンズの文体もよく捉えていると思う。ジョン・アーヴィングが敬愛するディケンズ。その理由がよく分かるような訳が小気味良い。
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定番のクリスマスものの物語。
最終章のスクルージの様子を読むと、こちらまでウキウキした気分になってきます。
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毎年クリスマスが近くなると、ついつい読み返してしまうこの本。
しかし、何度読んでもいい話だー。
宗教っぽさもまったくないし、日本にもこういう「みんながみんなのことを考えてあったかくなろうの日」があればいいのになー、とか、ロンドンの石畳の上をこの時代に歩いてみたかったなーと思います。
自分の子どもには、ぜったい読ませたい名作。
「赤毛のアン」シリーズを完訳していらっしゃる方だけあって、村岡花子さんの翻訳がまた、うまいのだ。
めちゃめちゃ薄くてすぐ読み終わるので、こころが沈んでいるときには読むべし!
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ケチでリアリストなスクルージ爺さん。クリスマスイブの夜に訪れる幽霊が、彼の凍りついた心に奇跡を起こします。クリスマスの時期に毎年読んで毎年泣きそうなほど感動してしまう本。5冊ぐらい買ってるかも。魂の救済。命の洗濯。
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ディケンズらしい性善説の御伽話。キリスト教色は思いの他薄くて誰でも楽しめる。クリスマスに読んでほのぼのするのがいいんだろうな。
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ディズニーで映画化されもした名作。ケチで人間嫌いの爺さんが、幽霊たちによって経験させられる様々な出来事によって改心していくさまは小気味いい。毎年クリスマスになると読みたくなる。
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貧しいけれど心の暖かい人々、孤独で寂しい自分の未来……亡霊たちに見せられた光景が、ケチで冷酷なスクルージの心を変えさせた。
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クリスマスの前夜、守銭奴で強欲な商人スクルージの前にあらわれた三人の「幽霊」たち。三人はスクルージをしんみりとさせ、心ゆくまで楽しませ、はては恐怖のどん底に突き落とす……。
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なにぶん文章がまわりくどくて、場面はコロコロ変わるし、ひどく分かりづらかった。もう少し短く、童話のようにまとめてくれた方がよかったかなーなんて……。
とはいえ、スクルージが改心したところを読むと、やっぱりうれしくなります。意地悪な人は、自分の幸せばかりを守ろうとして、そのために幸せになれないのかもしれないなあ。
いつもより誰かにやさしくなる日が一年に一度あれば、それはクリスマスでもなんでもいいのかなって思いました。
原題:A Christmas Carol
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有名な本なので、どんなモンかと思って読んだ。
主人公のじいさんのイカレ変貌ぶりが面白い。
これ、童話のような雰囲気があるのだけど、それこそドストエフスキー的な陰湿さを持ってもっと長く深くなってれば面白いかもしれない。
あ、別につまんなくないよ。
ただじいさんの変貌っぷりが腑に落ちないだけ。
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描写がやりすぎなくらいに丁寧で、物語通じて異国(イギリス)の情景が目に浮かぶような雰囲気はすばらしいと思う。あと主人公の男の個性の与え方が上手かった。
でも、クリスマス礼賛、毒にも薬にもならないような道徳的訓示、この二つがなー。
クリスマスに対する逆恨み的感情とかアホらしいけど、分かってても一年のうちでもっとも嫌な日の一つだしな(笑)
テーマ的にも語りつくされたキリスト的道徳の確認作業なので退屈。
とはいえ、200年近く昔の作だし、ディケンズの偉大さを否定する意図は全然ないですよ。
飽くまで文学的素養のない現代の寂しい男の一人がこう思っただけですんでね。