破軍の星
著者 北方謙三 (著)
建武の新政で後醍醐天皇により十六歳の若さで陸奥守に任じられた北畠顕家は奥州に下向、政治機構を整え、住民を掌握し、見事な成果をあげた。また、足利尊氏の反逆に際し、東海道を進...
破軍の星
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商品説明
建武の新政で後醍醐天皇により十六歳の若さで陸奥守に任じられた北畠顕家は奥州に下向、政治機構を整え、住民を掌握し、見事な成果をあげた。また、足利尊氏の反逆に際し、東海道を進撃、尊氏を敗走させる。しかし、勢力を回復した足利方の豪族に叛かれ苦境に立ち、さらに吉野へ逃れた後醍醐帝の命で、尊氏討伐の軍を再び起こすが……。一瞬の閃光のように輝いた若き貴公子の短い、力強い生涯。
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人生観に変革をもたらす感動の書
2002/12/31 18:19
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:陸奥守 - この投稿者のレビュー一覧を見る
南北朝の動乱に生きた北畠顕家の人生を重厚に描いたかなりハードな作品です。父親房の国家観を具現すべく陸奥にくだり、親王を戴して忠実に国体の守護をはかろうと激しく格闘する青年武将顕家。感動無しには読むことのできない物語です。日本史上、かくも激しく生き抜いて散っていった男がいたのかと感動の涙が出てきます。人としてどう生きるか、男としてどう生きるか、この書は語りかけてくれます。北方ならではの「男の」描写です。私、この本を二冊ぼろぼろにしました。
人生観に触れる作品
2019/05/26 14:53
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:毘沙門天 - この投稿者のレビュー一覧を見る
北畠顕家という人物が存在した意味と理由について、筆者の感覚で力強く表現されています。描写された世界が、北方ワールドであることを知りつつも、リアリティの高い世界に映ってきます。自分が南北朝時代にタイムスリップして、顕家と同じ空気を吸っている錯覚に陥ることすらあります。国家とは、民とは、平和とは、義務とは、生きるとは、指導者とは、様々なテーマで思考を巡らせるきっかけを与えてくれる作品だと評価しています。顕家が命を賭して守ろうとした社会、足利尊氏が築こうとした社会、些細な価値観の相違から両者は対立し南北朝時代を駆け抜けました。しかし、両者ともに一秒たりとも無駄にしない真剣な人生を生き抜いたことは共通しています。作者からのこのメッセージに感動し、勇気づけられる作品だと思います。
歴史家では描き得ない顕家像
2018/07/19 16:29
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年(2018)は北畠顕家生誕700年ということで、手にとった。柴田錬三郎賞を受賞しただけあって、なかなか深い内容。国のかたち、大義とは、男の生き方、などが描かれている。短期間のうちに2度までも長駆し得た顕家は、確かに非凡な人物であったろう。歴史家では描き得ない顕家像が造形されていて楽しめた。
南北朝物の代表作
2020/08/04 11:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
「武王の門」と並んで北方謙三の南北朝物の代表作である。
ハードボイルド調の文体であるが登場人物が生き生きとしていて読みごたえがある。
ただし北方謙三の歴史物作品全般に言えることだが、主人公の性格 イメージが似通ってしまう。
この「破軍の星」の北畠顕家と「武王の門」の懐良親王の印象が重複してしまう。
南北朝物の代表作
2020/05/24 19:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
「武王の門」と並んで北方謙三の南北朝物の代表作である。
ハードボイルド調の文体であるが登場人物が生き生きとしていて読みごたえがある。
ただし北方謙三の歴史物作品全般に言えることだが、主人公の性格 イメージが似通ってしまう。
この「破軍の星」の北畠顕家と「武王の門」の懐良親王の印象が重複してしまう。