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晩年の子供 (講談社文庫)
晩年の子供
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目次
- 晩年の子供
- 堤防
- 花火
- 桔梗
- 海の方の子
- 迷子
- 蝉
- ひよこの眼
- あとがき
収録作品一覧
晩年の子供 | 9-32 | |
---|---|---|
堤防 | 33-60 | |
花火 | 61-86 |
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紙の本
思い出
2003/02/20 14:01
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Summer - この投稿者のレビュー一覧を見る
山田詠美の本は最近になってよく読むようになったのですが、
日本の四季というか風情というのを描くのがうまいと思います。
恋愛小説の中のお酒やタバコのにおいやなんかが香ばしく感じられるのも素晴らしいのですが、
この短編集の中に出てくる日本にはすごく懐かしさを感じられました。
すっかり暖かくなった春の日の下校時、夏休みの午後のなんとも言えない気だるい感じや
子供心にも寂しくなる秋の夕方、夕焼けの映る冬の校舎、そんなものが次々と思い出されました。
この短編集を、自分の思い出と同じくらいいとおしいと思えるのは
読むたびに触発され、自分の子供時代を思い出させてくれるためでしょう。
紙の本
子供が晩年を知るということ
2002/05/08 17:19
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:麒麟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は、表題作をはじめとする8作の短編からなっています。
私は中でも、この「晩年の子供」がとても印象的で好きです。
物語の主人公は10歳のころ、ほんの数ヶ月の間だけど、晩年を過ごします。
主人公の「私」は、伯母の家で飼っている犬のチロにかまれる。
その後、犬にかまれて狂犬病になり死んでいくというストーリーのテレビ漫画を見てしまう。
「私」は、テレビと同様、自分も6ヶ月後に死ぬのだと思い込み……。
死を目前にすると、人はいろいろなことを考えるのでしょう。
それはきっと子供だとしても同じことで、死の近くにいれば、子供でも、晩年を迎えてしまうということなのでしょう。
最近、よく難病におかされた子供たちがテレビに出ているのを見ます。
たとえ小学生であったとしても、彼らが語る言葉は、そこらへんのぼんやりした大人よりずっと立派で、物事を深くまで見ています。
まるで人生を長く生きた、おじいさんやおばあさんが語る言葉のようだと思ったりします。
この子たちも若くして、晩年を迎えているのだろうかと、ふと思うのです(もちろん、小説の主人公と、本当に死と直面している子供たちとはまるで立場も苦しさも違うのですが……)。
私にとってこの作品は、心に残るだけでなく、心の奥へと問いかけてくる、そんな作品なのです。
紙の本
子どもの頃を思い出す
2021/10/22 20:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
子どもの頃、いろいろつまらないことを考えて、悩んで、眠れなくなったりしていたことを、表題作を読んで思い出した。
犬に噛まれ、狂犬病による死の恐怖に駆られ、一時「晩年」を生きる少女の話。
大人から見ると、ばかばかしい話だが、子どもにとってはとてもとても大きな悩み、出来事なのだ。
その子どもの内面世界を、見事に文学に昇華させている。
山田詠美さんはやはりすごいと思った。お気に入りの短編集だ。
紙の本
ノスタルジックな少女時代
2015/10/10 18:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは、ノスタルジックな少女時代を回想した短編小説集である。どの登場人物もちょっとおしゃまな子達である。作者の成熟した力量を感じさせる秀作集である。ちょっと気になったのは、普通小さな子供がこういう語彙では考えないだろうという作品があった。回想している描写ではなく、現在形で描かれているので、そこがちょっと違和感がありました。