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紙の本
情報開拓精神の発露を見る
2001/03/07 09:18
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:三中信宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の国会図書館のモデルにもなった,アメリカの議会図書館の創立から現在にいたるまでの二世紀あまりの歴史をたどった本である.独立戦争,南北戦争をはじめ数多の政治的動乱の時代を越えて,議会図書館が「あらゆる情報」を収集すべく努力し続けた動機と背景を描いている.代々の館長の人柄や人脈が図書館運営にさまざまな影響を及ぼしてきた経緯がよくわかる.
第9章に述べられている「電子図書館」化のもくろみは今も続いている.議会図書館の図書・雑誌その他の収蔵資料のインターネット検索システムはよく作られており,私もしばしば利用している.その膨大な資料は目くるめくばかりである.
本書は,議会図書館に関するさまざまなデータを踏まえて,この巨大な図書館を長年にわたって成り立たせてきた社会的・文化的背景にまで切り込んでいる.図書館の意味をじっくりと考えさせる好著だと私は思う.
【目次】
まえがき
1.試行錯誤:創設期の混乱
2.南北戦争以後:国立図書館への道
3.繁栄の象徴:本館完成
4.アメリカの夢:図書館の図書館
5.戦中期の文化:図書館の組織改革
6.パックス・アメリカーナ:世界の中の図書館
7.波乱の国際政治:全国サービスに向けて
8.国家財政の悪化:図書館のネットワーク
9.電子情報立国:二十一世紀の議会図書館
10.文化の宝庫:議会図書館のコレクション
11.アメリカ文化としての議会図書館
文献案内
あとがき