紙の本
駅を乗り過ごさないように。
2001/06/18 02:37
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ノンノン - この投稿者のレビュー一覧を見る
旺盛な好奇心と徹底した取材。この二つがあれば、大概、本は面白い。好奇心だけじゃ集中力に欠け、取材だけなんていうのは特ダネの亡者か浮気調査の探偵の仕事だが、この本は大丈夫。
電車の中でぽつぽつ読もうと思って手にしたのだが、駅を乗り過ごしかねない面白さだった。ハワイイは、もちろんハワイのことだが、現地の言葉ではそう発音するらしい。著者は現地人の発音にならって、ハワイイで通している。観光ハワイも魅力的だが、この本は「ハワイイ」の奧の深さを教えてくれる。巻頭の小さな地図を開いて見ては、人が大海を渡って島から島へ移り住んでいくポリネシアの海の様子や、風や、マウナケア山頂の展望鏡に映る星空や、火山の噴火や、朝の驟雨や、タロ芋畑や、山や谷などまだ見ぬハワイを想い描いた。スケールの大きな話が多い。
今回、小説「スティルライフ」や「夏の朝の成層圏」を読んで抱いていた著者のイメージがだいぶ変わった。理科系の知識や観察眼はこの本でも活きているけれど、だからといって線の細いインテリ作家と即断すべきでない。マウイではサーフィンを体験したり、結構行動派のよう。
じめじめしたこの季節にお薦めのピュアな1冊である。駅を乗り過ごさないようご注意を。
紙の本
より深くハワイを知ることができる良書
2016/02/23 19:13
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み進めていくと、古代日本と古代ハワイがよく似ていることに気付くのが印象的。旅をして、その土地や歴史を深く掘り下げていくことは本当に素晴らしいと思わせる本。
紙の本
生きたハワイイ
2023/08/15 17:24
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホノルルもワイキキビーチもほとんど出てこない異色のハワイ紀。いかにも池澤らしいが、これを読めばまた興味も拡がるのは確か。住んではいないが、沖縄に住みながら断続的に短期滞在を重ねたらしい。山火事の被害が話題になっている今では逆に悲しいものがあるが、そう、ハワイの過去には悲しい部分もあってそこも直視している。
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ハワイに行ったことはないし、あまり行きたいとも思わない。でも、こんなハワイイなら、行ってみたいなぁ。
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本当のハワイは奥が深い。自然、土地、食べ物、文化などのいろいろな角度から眺めることで、その奥にある本当の姿を発掘していく。
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「○○してハワイに行こう!」という言葉によって定着した「観光客の楽園・ハワイ」とは異なった角度で光を当てることによって見えてくる、ひとつの豊かな自然・文化連合体としての「ハワイイ」への、「ガイドブック」とはひと味違った案内書。それにしても、「ハワイイ」と「ウチナー」の共通点の多さには驚かされる。かつては王国であったこと、大国の思惑にいいように翻弄され、あげくのはては併合……それでもちゃーんと、したたかに自己主張しているところ、などなど。
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私は文庫版で読みましたが、ハワイについて知るにはとっても有用な本だと思います。
ハワイ=典型的な観光地のイメージがありますが、これを読んで以来、フラダンスひとつ見てもとてもスピリチュアルなものを感じるようになりました。
旅行会社勤務時代にも、色々な人にお勧めしていました。
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いきなりハワイ(しかもいきなりマウイ)旅行に行くことになって、ガイドブック読んでもつまらないだろうと思って買った本。かなりのボリュームで行きの飛行機では読み終わらず。帰りでようやく読み終えました。あまりに知的な注記とかが鼻につく、という人にはオススメしないけど、興味深いエッセイ・旅行記。パックのツアー旅行ではなくて自分で組み立てて旅をしたい人には、そのへんのガイドブックより役に立つのではと思います。
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ハワイイの「観光」以外について語られた一冊。自然、文化、歴史…オヒアの花、アホウドリ、帆船、すばる天文台。ハワイイを舞台に「人と自然」「人と人」の関係についての考察。味わい深い時間を過ごす為に「ハワイ旅行」のお供に是非。
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ますますハワイに行きたくなった。次に行く時は絶対に街でなく、ローカルサイドに行きたいと思えてくる本。
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本を読むことは、旅に似ている。ほかならぬ池澤さんのお言葉ですが、まさにそういう読書体験でした。
ハワイの歴史、食文化、農業、天文台、植生、鳥、神話、フラ、サーフィン、カヌー……さまざまな視点から語られるハワイの姿。観光地としてのハワイではなく、生きたハワイがこの本の中にあります。
写真や図がたっぷりで、語られる見聞や知識が分かりやすくて、厚めのわりには親しみやすい一冊です。
読み終えて旅行に行きたくなりました……二、三日で観光地をめぐるんじゃなくて、しばらく滞在して、その国の人々の生活を垣間見るような、そんな旅。
何で日本にはリフレッシュ休暇という概念が浸透しないんだよう。……まあ、実際に休暇を与えられたとしても、言葉の壁にしり込みして、結局は行けない自分が容易に想像できますが。でもいいなあ。
ちなみにタイトルの「ハワイイ」というのは、「ハワイ」の現地での発音はむしろ「ハワイイ」になるのだそうです。
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なぜ気付かなかったのだろう。HAWAIIはなぜ「ハワイイ」でなく「ハワイ」と呼ばれていたのだろう…と、本のカバーを見て思い、ページをめくると、そこには素顔のハワイイの姿がとても丁寧に描かれています。「南国の楽園」としてあまりにも有名な島々の素顔です。雑誌の連載をまとめた単行本が1996年に発行され、文庫化にあたって加筆されたまさに「完全版」がこれです。
ハワイイという場所には、リゾートなどという浮ついた総称を簡単に一蹴できるだけの力のようなものがあります。ひとたび訪れると、そこにはちゃんと、大地・海・植物・動物といったものたちが厳然としてあります。そして、そこに住む人々の食生活も宗教も文化も、その大地や海のうえに成り立っているのです。著者はくまなくハワイイを巡って綿密な取材をし、サーフィンやフラの歴史にも迫ります。ハワイイに行く前にもおすすめですが、現地で読むのもおすすめ。まさにハワイイのバイブル的一冊といえるでしょう。
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日本のみなさん、「ハワイ」じゃなくて、綴りどおり「ハワイイ」と言ってみてください。「カワイイ」なんて言うのとおんなじように。そしたら、かなり正確にHawaiiと発音できます。私は、とてもとても限られたハワイイしか知らない。オアフ島とハワイイ島、そしていくつかの場所、だけ。でも、ほんとに大好きなのだ。また、帰りたい(「行きたい」ではなくて「帰りたい」と思える場所は、さほど多くは、ない)。いつか、必ず、少し長い時間を費して、帰りたい場所。自分が日本人であるということの意味を二重三重に感じながら、でも「環太平洋」に棲む仲間なんだ、ということもさらに大らかに感じさせてくれる、場所。完全版になって文庫になって、ますます「旅のお供」にもしやすくなってます。でも、「文庫版あとがき」にあるように、「それやこれやで、写真あり図あり表あり脚注あり、文庫本にしてはおもいっきり賑やかな紙面になった。この先は音と動画も入れてCD-ROMにするしかないという、書物の限界を極めた本。これが旅先でほんとうに役に立てばいいのだが。」です。役立てることができる人には、大いに役に立ちますよ、保証します。そして、旅人でなくても、これ1冊で、どれほど「ハワイイ」を思い、想像し、懐かしんだりすることもできるか!今のところ、私にとって、日本語で書かれた「ハワイイ・バイブル」です。もちろん観光ガイドという体裁ではないけれど、ハワイイの地を踏む方々の荷物の片隅に、これを絶対に1冊、お薦めしたい。海で泳ぎてぇーよー、私は海で泳ぎを仕込まれたんだよ〜(内海だったけど)、それは「日本古武術古式泳法」だったんだよ、だから、「タイム」は気にせず、いかに水に身体を任せて長い時間や距離を泳げるか、それが私の底流にあるのです。南太平洋で、泳ぎたい。それはともかくとして、この池澤さんの紀行は、いろんな面で役に立つと思います。写真だけでも美しい。ポリネシアン・メラネシアン・マイクロネシアン(ミクロネシアン)の関わりなんかを感じる一端ともなるでしょう。私、タロ芋、好き。で、再度、ニホンノミナサン、「ハワイイ」と発音してみてください。それでじゅうぶんだから。「アロハ」は「アローハ!」って言ってみて!
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著者は表題のとおり紀行文にするつもりだったようですが、ハワイイの民俗に触れてだんだん紀行文ではなくなっていってしまいます。
ま、それはそれで楽しめます。
ハワイに行って事のある人は、より楽しめるんでしょうね。
行ってみた事がないので、読んでみたんですが、ハワイに行くことになったらもう一度読んでみようと思います。
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海外旅行をしてその行った先々の国が好きになる事はよくあります。この本を読んだ後は、訪れた国を尊敬する事が出来るようになりました。