紙の本
昔の話?いえいえ。。
2016/01/26 08:20
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:メロリーナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔の話のはずだけど何か変わった?カラコンにもはや違和感はなく、欧米に認められる事が大好きな日本人には胸に迫るものがありますね。ネラ・ラーセンの「白い黒人」、ジョン・カサヴェテス監督作の映画「アメリカの影」どちらも白人の血が混じっており白人のふりをして生きる女性が出てきます。これらも衝撃だった。それもできないピコーラ、どちらも不幸せでしょうが。
紙の本
ある意味感動します
2022/02/28 20:34
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投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人種差別の話なのですが、淡々と物語は進展します。
性的な描写もあるにですが、細かい描写に感動します。
人物構成が一読ではわかりづらいので、もう一度読み直したいと思います。
作者へも訳者へも、感謝ですね。
紙の本
他の作品も読みたい
2015/09/25 18:41
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は、テーマは重いけれど女性作家らしい繊細な感じがして、大事に読み進めて行きました。でも途中から圧倒され夢中に読んでいる感じになりました。
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トランプ政権下、黒人の地位は向上しているのか
2019/01/28 16:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
父親にレイプされるという想像を絶する過酷な運命を背負うことになった少女ピコーラは「誰よりも青い眼にして欲しい」と神に祈った。公民権運動が始まった1960年代以前の黒人は、白人と同じ権利を自分たちも持っているという事実を判ろうとしなかったというよりはそんなことは考えもしなかった。この本においても、黒人自身、白人との間に明確な線引きがあることを当然の様に許容していた。だから黒人たちは自分たちより劣っている(劣っていると思われる)黒人たちを「ニガー」と蔑むことによって不満を解消している描写が登場する。この作品は、奴隷から解放されても白人支配からは解放されていない時代の悲劇を描いているが、トランプ政権下、状況ははたして好転しているのかというと
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青い眼がほしいー状況がリアルに描かれていて読みごたえがあります。
描写はとても伝わりやすくて、リアルに描かれている。
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登場人物皆が苦しみの中生きている。
絶望の中生きている。
「~~~したかったのに」という自責の念の中耐え生き抜いている。
根底には、悲しい白人社会の押し付けによって、
それを受け容れざるを得なかった黒人社会。
やがてそれは黒人の黒人による残酷な差別へつながって行った、悲しい事実が流れています。
見事にそれを鮮やかに詩的な表現で、時には残酷でむごい表現が際立つように描かれています!!!!
読後すっきりする本ではありません。
差別とは何だろうか、
日本でもいまだに差別が続いているのです。
日本にいるから関係ない、ではありません。
今一度読み直したい本です。
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テレビで西加奈子女史が絶賛していたので、購入してみたが…いやまいった…翻訳が良くないのか?
途中で読むことを断念。
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2020/08/13
猫町倶楽部で課題本となった「青い眼がほしい」について、ほんの触りではありますが、レビュー動画を作ってみました。
https://youtu.be/WpF9_cBzoQI
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他者に押し付けられた価値観や美的感覚ではなく、自分自身の美しさや価値を信じることができる社会にならないと、本書のピコーラのような悲しい若者が作り出されてしまう。日本人も、モンゴロイドの美しさよりも白人や黒人の体型や顔立ちになりたいと願う少女たちは少なくない。もっといろいろな美しさが並存して認められる社会であってほしいと思う。
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ノンジャンルと言える長寿本の一つに珍しく手を出してみた。ノーベル賞作家トニ・モリスンのデビュー作であり、1970年に生み出されたものの、広く世界で読まれるようになったのは四半世紀という時間を要したそうである。
この作品は、あらゆる意味で人間を比べてみることの愚かさと、その中で犠牲になってゆく心の痛みへの深い理解を、地道に、日常の言葉で綴ったものである。主たる視点は少女のものだが、時に他の三人称視点を使って挿入される作中作のような物語が、かしこに散りばめられている。
世界の歪みを、多角的な視点で捉えつつ、様々な区別や差別が人間に対してなされてゆく行為や、無意識という水底に沈殿してきた最大の罪のあり様を、作者は文章によって水面に浮上させてゆく。見た目の形としての差別。
人種差別、性差別、知的差別、肉体的差別。そのすべてを象徴するもののように、黒人少女ピコーラは周囲から捉えられており、その生を、語り手のクローディアは世界の歪みとして気づきつつ、なおかつ安全圏にいる自分の立場に揺れる。
恐ろしい時代。1941年の秋から翌年の夏への一年の季節。マリーゴールドが咲かなかったことから物語は始まる。大戦前の不穏なアメリカ。その時代の小さな村で、小さな女の子の身に何が起こったのか? 誰も耳を貸さなかったこの本は、1993年に作者がノーベル賞を手にした途端、日の目を見ることになる。1994年にトニ・モリスン・コレクションとして再版され、2000年にはこの文庫本のかたちとなった。
それを2020年に読んでいる自分がいる。TVではトランプとバイデンによる選挙の予想が報じられ、人種差別問題は、現代の南北戦争とまで呼ばれている今、本書は決して古い物語ではなく、連綿と続くアメリカという国、また遠い国の話というだけではなく、日本国内、身のまわりでも、当時同様の偏った精神性に身を委ねようという無思考な姿勢が問われてはいないだろうか。
今、この時代に、社会問題としてよりも、人間の在り方というような日常の視点からこの問題を抱え込んで頂きたいと、本書は万人に語りかけているように思う。
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「情欲のように静かに」で挫ける。
https://sessendo.blogspot.com/2022/01/blog-post_31.html
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読了後に残る、いくつものどうすることもできなさ…。誰よりも青い眼をした少女を静かに見つめることしか出来ない。
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叙情的な比ゆが特徴の人種ごとの美しさ……についての物語。
うむむむ……素養がなかったのか、正直読み取れなかった。
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著者の作品はこれで2冊目。
これYAにあったけどYAは不相応。
なぜならば性的表現がきついのと
ライトに収めているけれども近親相●がでてきます。
ただし、そこまで重いわけではないです。
なぜならばあからさまに登場する人物を
批判するわけではないから。
主人公の子は黒人の子だったもの、
ピコーラのようにはなりませんでした。
それは不条理なことをする白人に怒り
マウンティングする子たちにくみしないことから
理解できることでしょう。
でも、ピコーラはこれらの人種差別の
犠牲者ともいえるのです。
肌の色が批判対象でなければ…
そしてその目すら…
考えさせられることは多いはずです。
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黒人差別を描いた作品は何作か読んで来た。概ね、白人による
黒人差別を描き、壮絶なリンチの様子や家畜以下の扱いをされ
た時代と、公民権運動で権利を勝ち取る時代を綴った作品が
多かった。
本書も黒人差別を扱った作品である。しかし、これまで読んで来た
作品と趣を異にしている。白人から差別される黒人同士であっても、
より貧しき者、より弱い者が、同じ肌の色を持った人々から差別さ
れるのだ。
本書の主な語り手は黒人少女のクローディア。クローディアには理解
出来ないことがある。みなが欲しがる「可愛い人形」は、何故青い眼を
して、黄色の髪をしているのか。
美の基準。それは白人社会の価値観に他ならない。クローディアは
黒人の少女。だから、人形に自分を投影することが出来ないし、
可愛がることも出来ない。
しかし、クローディアの友人ピコーラは青い眼に憧れていた。「誰より
も青い眼を下さい」とピコーラは願う。そうすれば、誰も私をないがし
ろにしたり、苛めたりしないだろうから。
そんなピコーラに悲劇が訪れる。実父による暴行の末、ピコーラは
妊娠する。えぐられるように傷ついた心はますます浮遊する。
「もし自分に白い肌やブロンドの髪の毛、誰よりも青い眼があれば、
どんなに世界は素敵なものに変わるだろう」
ピコーラは現実の世界の境界を踏み出し、自分は誰よりも青い眼を
持っている世界へ行ってしまう。
みな、貧しさの中で生きている。ピコーラだけではなく、彼女を犯した
実父でさえも切ない過去を背負っている。
誰もピコーラを傷つけようとして傷つけた訳ではない。知らず知らずに
一番弱い者をどん底へ落としてしまう。
重層化した差別の構造を、小説で描き出した作品は人の心の弱さと
美の基準を考えさせてくれる。
多分、多くの日本人の美の基準も欧米基準なのだろうなと思う。私
自身もそうだから。そんな価値観を考え直す機会を本書から得た。
ただ、久し振りの小説だったので誰が誰を語っているのかを把握する
のに戸惑ったのと、原書の文章自体が私には合っていないかもしれ
ないが翻訳が読み難かったのが残念だ。