謎の大王 継体天皇
著者 水谷千秋
大和から遠く離れた地に生まれ異例の形で即位した天皇。そしてその死も深い闇に包まれている。現代天皇家の祖はどんな人物なのか武烈天皇が跡継ぎを残さずに死んだあと、畿内を遠く離...
謎の大王 継体天皇
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商品説明
大和から遠く離れた地に生まれ異例の形で即位した天皇。
そしてその死も深い闇に包まれている。現代天皇家の祖はどんな人物なのか
武烈天皇が跡継ぎを残さずに死んだあと、畿内を遠く離れた近江・越前を拠点とし、「応神天皇五世の孫」と称する人物が即位した。
継体天皇である。
この天皇にまつわるさまざまな謎―血統・即位の事情、蘇我・物部・葛城などの大氏族との関係、
治世中に起きた「筑紫君磐井の乱」との関わり、「百済本記」に記録された奇怪な崩御のありさまなどを徹底的に追究し、
さらに中世の皇位継承にその存在があたえた影響までをも考察した、歴史ファン必読の傑作。
目次
はじめに
第一章 継体新王朝説
第二章 継体出現前史――雄略天皇、飯豊女王の時代
第三章 継体天皇と王位継承
第四章 継体天皇の即位と大和定着
第五章 磐井の乱――地方豪族との対決
第六章 辛亥の変――二朝並立はあったのか
終章 中世以降の継体天皇観
あとがき
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学者の視点による小説とは異なる興奮
2001/11/20 11:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:松尾雍正 - この投稿者のレビュー一覧を見る
継体天皇に関するこの著作は、考古学と文献考証学、すなわち遺跡文物の検討と記紀・中国史書や過去の古代史論文との徹底的な比較という、まったく気の遠くなる作業をわかりやすいかたちで説明したものである。読書のポイントは王族や中央・地方豪族の位置付けを踏まえることと、継体天皇が越前から樟葉、そして奈良に至る経路を検討することの2点。古代史に興味のない方は無理をして読まなくてもよいと思うが、興味ある方には価値があるだろう。学者の視点による小説とは異なる興奮を味わうことだと思う。