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商品説明
【メフィスト賞(第25回)】池袋署の所轄で連続発生する密造拳銃事件。硬派のタフガイ・武本刑事と警視庁一の軟弱お坊ちゃま刑事潮崎のコンビが事件を追う。その裏には巨大組織の影が…。第25回メフィスト賞受賞作。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
日明 恩
- 略歴
- 〈日明恩〉神奈川県生まれ。日本女子大学卒業。「それでも、警官は微笑う」でデビュー。
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紙の本
柔らかな刑事ミステリ
2004/02/03 13:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
メフィスト賞受賞作品です。
メフィスト受賞作にはとても個性的な作品が多いのですけど、本書はいわゆる刑事もの。剛柔二人の刑事の活躍を描くミステリです。お決まりといえばそうなのですけど、重い内容を柔らかな情愛のようなもので包む作風は、やはり異色でしょうか。
『キチク』とあだ名される武本は強面、無骨で古風な面をもちながらも、純情な一面が好感を抱かせる人物です。
一方、爽やかな風貌にマニアックな推理小説の知識をもつ潮崎は、実家が茶道家元というお坊ちゃま。実家の権力を傘に着るどころか実家の影響力に悩むナイーブな青年です。
この二人の主人公が追っているのが、ある銃です。
小型で性能は良く、背後に大掛かりな組織の存在をうかがわせるものの、まるで手がかりのない銃。
この銃を軸に、事件は展開していきます。
二人とは別に、銃の流れを追う麻薬取締官の宮田。
三人三様に組織の縦社会に抗いながら、なんとか己の意思を貫こうとします。
そうして追い詰めた一人の男。
結末は三人にとってはけして納得の行くものではなかったのですが、それでも、己の行く道を信じて行動した三人の生き様は清々しく、重くやるせない事件を背景に、爽やかささえ感じさせます。
後悔するのなら、やらなかったことではなくやったことに対して後悔しろ
武本が父親から受けた訓戒です。
けれど、実際に様々なしがらみの中で、後悔のないように行動を起こすことはとても難しい。しかしこの教えを実践するべく、武本はあがくのです。
登場人物の大半が個性的かつ魅力的。潮崎のミステリをはじめとする膨大な知識も楽しめます。
紙の本
拳銃をめぐる事件
2019/05/06 20:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
暴力団も関係なさそう、個人で作るにしては件数が多い、製造元がわからない拳銃の事件を追う話です。
寡黙な刑事と天真爛漫なお坊ちゃま刑事のコンビ、頼りがいのある課長などカッコイイ刑事が出てきます。
もちろん、もっと上役と本庁の刑事たちは嫌なやつばかりというお約束。
紙の本
そして私も微笑う
2002/06/24 16:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ち−さん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作がデビュー作となる作者だが、過去のメフィスト賞受賞者の中でも新人臭さがなく、まとめられた内容になっている。既存の警察小説とは少し異質を感じるかもしれない。警察官として両極を行く武本と潮崎だが、相容れなさそうな二人がお互いを認め事件解決に協力していく姿に、「躍る大捜査線」を思い浮かべる人も多いだろうが、話の流れにスピード感があり若い世代にも本の読みやすさを教えてくれる。今後どう続くのか期待させられる一冊。シリーズ化を切望する。
紙の本
オーソドックスな警察もの
2002/09/15 04:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TT - この投稿者のレビュー一覧を見る
メフィスト賞ものなのに、なぜか、ノベルズじゃない、
というのも、うなづけるような、オーソドックスな警察もの。
雰囲気的には、踊る何ちゃらの湾岸署に似ているかも。
あくがない分、一般向けだけど、インパクトがないので、
メフィスト賞ものを漁ってる人には、物足りない感じ。
出来としては、星4つというとこだけど、ハードカバーで、
コストパフォーマンスが今いちなので、星3つ。
紙の本
それぞれの信じるモノのために闘う男たち
2002/10/17 00:39
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺人事件の捜査から外されたものの、納得できずに犯人を追う「キチク」こと武本巡査部長。
警部補でありながら武本を「先輩」と慕う名門茶道家元の次男坊・潮崎。
そして、かつての恋人の父親の汚名をすすぐべく、研究者としての未来を捨て麻薬取締官となり、調査を続ける宮田。
刑事と麻薬取締官という相反する男たちを「九ミリ口径の小型拳銃」が結びつけた。
組織からはみ出してしまった彼らが、それぞれの信じるモノのために、執拗に事件を追う過程を描いてゆく。
やらなかったことを後悔するぐらいなら、やってしまって後悔するほうがいい、という信念のもと、がむしゃらに進む武本のまっすぐさも良いのですが、お坊ちゃまであることが足枷となりながらも、飄々と、前向きに武本をサポートしてゆく潮崎が、これまたなかなか味があってよろしいのです。
中国茶の葉っぱが事件のひとつのキーポイントになっていたり、章題が「寄付」「迎付」「席入」など茶事の専門用語になっていたりするのも、趣向が凝らされていて面白いです。
刑事モノということで、最初は男性が書いたものかと思っていましたが、女性作家さんだったので意外な気がしました。読み出すと、もう先が気になって、あとは一気です。
メインとなる登場人物以外のキャラも、みな魅力的で、この作品だけでお別れは淋しい気がするので、ぜひ、彼らの今後の物語を期待します。