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紙の本
小林よしのりの 「戦争論」 に対する批判だけでなく戦後民主主義への批判も…
2012/04/28 00:24
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の内容はおもに小林よしのりの 「戦争論」 に対する批判だが,小林よしのりや新しい歴史教科書をつくる会に対する批判だけでなく,戦後民主主義や共産党もあわせて批判している. 「従軍慰安婦」 に関しては日本が謝罪し賠償すべきだといっているが,それに関しては十分に納得できる理由がしめされているとはいえない. 憲法 9 条に関しては護憲派であり,それをなしくずしにした 吉田 茂 を批判している. 日航機ハイジャックで福田首相が 「生命は地球よりも重い」 といって人質を解放したことを 「自民党のやった 「一番いいこと」」 だといっているが,これは理解できない.
紙の本
吉本先生っていったい…。
2004/08/29 17:45
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉本隆明という文芸評論家の本(対談集)を初めて読んだが、つまらん内容だった。もっと、理論的に物事を語るのかと思ったが、推察や記憶違いが多々あって、信憑性に欠ける内容だった。
小林よしのりの『戦争論』に反論するということで本書ができているが、小林よしのりが『戦争論』を出版する前に吉本先生が国民を啓蒙すべく本を出版すべきではないかと思った。人の言葉尻を捉えることなど誰でもできるのだから、現代の思想家である吉本先生は事前に大いに発言すべきと思う。
18P、オランダがインドネシアを植民地にと言うべきところをインドシナと言ってみたりで、編集者もテープ起こしの時に気がつかなかったのだろうか。
また、19Pでは韓国や中国の民衆が日本に反感を抱いているのは、民衆をケモノ扱いしたからだという表現をしている。これだけではなく、中華思想の観点から東夷が反攻してきたことにも反感を抱いていると文化的な面からも論じて欲しかった。せっかく44Pに日本は中国を宗主国として仰いできたと述べているのだから。
大東亜戦争という呼称ではなく、太平洋戦争と先の大戦は呼ばなければならないと主張される。それは、アメリカとの戦争に負けたからだという。
降伏調印の相手国はアメリカだけではなかったはずだが、これはどのように解釈したらよいのだろうか。
従軍慰安婦の項では従軍慰安婦と名乗でてきた女性に対し日本は補償をしなければならないと言われる。
それならば、日韓平和条約の締結の際の賠償金を韓国から返還してもらい、一から平和条約締結の話し合いをしなければならないと考える。吉本先生は国際法を少しでも勉強されたのかと疑問に思うし、そんなことをされたらベトナムに残してきた韓国とベトナム人慰安婦との間の子どもに補償しなければならず、韓国自体が困るのではと思う。
日本政府は中国に正式に謝罪すべきと吉本先生は言われるが、過去の清算をしたからこそ日中間で国交が開かれたと思うがいかがなものだろうか。いつまでも謝罪、謝罪といいながら、その実、資金援助のボディーブローを中国が日本に食らわせていることも吉本先生には理解して欲しい。
吉本先生は戦争経験者であるものの、東京の生まれ育ちだから、隣国と接している厳しさなど分らないのだろう。
子供の頃、玄界灘で演習する韓国海軍の大砲の音を聞いた身には、そんな吉本先生の言葉など文学青年のたわごとにしか聞こえない。ジェット戦闘機でわずか30分で朝鮮半島に達する地域に住んだ身には、民間代表が戦闘行動を起こすか起こさないかの判断を自衛隊に指示するなど信じられないことである。そんな悠長なことを議論している間に国民は蒙古襲来の時と同じように皆殺しにされてしまう。
吉本先生は蓮実重彦、柄谷行人、浅田彰の三氏を「知の三バカ」と評されたとのことだが、吉本先生はその「三バカの親分」かも知れない。
期待して読んだが、リアリティに欠ける、大したことのない「戦後思想界の巨人」です。