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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2002.10
- 出版社: 河出書房新社
- サイズ:20cm/257p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-309-20364-7
紙の本
地球礁
アメリカSF界でもっとも独創的な作家として知られるラファティによる奇想小説。アイルランド大ボラ吹きの血と頑迷なまでのカソリックの信仰が生み出した奇想天外な語り部ラファテイ...
地球礁
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商品説明
アメリカSF界でもっとも独創的な作家として知られるラファティによる奇想小説。アイルランド大ボラ吹きの血と頑迷なまでのカソリックの信仰が生み出した奇想天外な語り部ラファテイのマジック・リアリズムの世界。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
R.A.ラファティ
- 略歴
- 〈ラファティ〉1914〜2002年。アイオワ州生まれのアイルランド系アメリカ人。45歳のとき突如小説を書きはじめる。短編「素顔のユリーマ」でヒューゴー賞受賞。
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紙の本
少年少女の冒険物のような
2006/10/06 21:14
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ニコン - この投稿者のレビュー一覧を見る
6人(7人)の異性人の子供たちが人類を皆殺しにして世界征服に乗り出す話です。異様だし、グロテスクであるにもかかわらず、子供たちがいかだに乗って世界征服の計画を進めていくところにはジュヴナイル小説のようなわくわく感もある。
この異性人たちと人類の違いというのは、ちょうど動物と人類の違いに似ている。肉親の死にさほどダメージを受けないとか、魚を生で食べるとか、ためらい無く敵対者を殺そうとする(度々失敗する)といったような、彼らがなまじ姿形や言葉を話すという点で人間に似ているせいで、ぎょっとさせられるのだけれども、動物の生き方の潔さを感じさせ、根本的には彼らのほうが正しいのではと思うこともしばしです。しかも彼らが戦う人間は田舎町にのさばる卑劣な権力者だからなおのことです。
加えて、この本は残酷な暴力描写がひっきりなしにあるのに、その反面で散文詩のように美しい描写やイメージが紛れ込んでいて思わず息をひそめてしまうこともある。
『宇宙舟歌』の軽さと『トマス・モアの大冒険』の重さの中間的な位置を占める作品ではないかと思います。
紙の本
地球アレルギーのプーカ人たち
2015/10/30 01:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:色鳥鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ラファティは、私から見ると、頭の良い作家の書く物語を書く作家。詳しい経歴は知らないし、読んでも何の話だったか説明しにくいこと甚だしいけれど、王道のSFとは呼べず、かといって文学文系の湿っぽさもなく。個人的にはバガーハッハ詩の扱い方を間違わずに歌えるようになってみたい、と感じる。含まれた寓意について考えるのはあとまわし、まずは残酷で優しい、いかにもラファティな作風に酔いしれる。
紙の本
地球侵略の6人の子供達、またはラファティがいかに変であるか
2005/04/22 23:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロスト・ヘヴンの片田舎にステーションワゴンで引っ越して来たデュランティ一家の6人(バッドジョンを入れれば7人)の子供達が、地球征服をするという物語なんだ。僕らの思い描く物語というものの範疇に収まっていればという仮定の上でだけど。
ロスト・ヘヴンはかつては炭坑で栄えたが、今はさびれつつある古い町。子供達は9歳のエリザベスから6歳のヘレンまで、お話を語るのが大好きで、バガーハッハ詩ももう十分に上手だ。なぜそんな彼らが地球征服をすることになったかというと、彼らがプーカ人だからというのは大きな理由だろう。プーカ人が地球を征服しなくてはならない理由とか、使命とか命令とかが別にあるわけじゃなくって、ただどうも彼らと地球人が共存するには地球は狭すぎたらしい。
プーカ人は地球人によく似ているがまったく違う。とても変だ。逆にプーカ人から見れば、地球人とはとてつもなく理不尽な生き物ということ。だって彼らにとっては常識であることを何も知らないし、彼らの持つ能力も持っておらず、彼らに聞こえる歌も聞こえず、彼らの論理を全く理解できないししようともしない。そんな地球人の変さ加減を見事に暴きだして見せた作者ラファティは一体何物か。地球人には理解できない論理を、「地球人には理解できない論理」と呼んで説明してしまうこともた易いが、ラファティはそれを当たり前のように展開して、しかも収束させるのだ。
やっぱりプーカ人なんじゃないの?
いや、実は他にもカミロイ人だったり、900人のお祖母さんだったりするので油断はできない。アイルランド系の敬虔なカトリック信者という説もあるのだが、眉唾だろう。それとも???
紙の本
愛すべきホラふき叔父さん追悼
2002/11/23 01:32
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MCN - この投稿者のレビュー一覧を見る
「仮面の画家」アンソールな装丁も嬉しい
SF鬼才ラファティ奇想長篇本邦初訳刊行!
入り口「Science Fiction」文字でロボット戦闘とかITとかなアレかい、
と敬遠しがちなお方、もったいねーぞ。
要は「世界」をどー観るか、ゆう立ち位置と語り口、
お題目とか分類項目とかどーあれ
その「物語」が面白いかどーか、でしょ。
敬虔なカソリック教徒にしておちゃらけ好きな酒呑みおっさん
アイリッシュ魂が紡ぐ稀代のホラ話精髄。
不粋説明解説抜きで放り出される「世界」にナニ読み取るんかは各々御自由次第。
異星人vs地球人闘争でもアンファンテリブル/ネオテニーでも
卑近相互不理解でもお好きに。けどお題目よか先ず読んでみ。
崇高な使命を負って偶々地球に舞い降りた騒々しいpuka人「デュランティ」一家
主にコドモたち(6人、あるいはバッド・ジョンも入れれば7人)の
波乱万丈奇想天外活躍次第が堪能できます。
んでハマったらヨソの邦訳短編集、
「九百人のお祖母さん」「どろぼう熊の惑星」「つぎの岩につづく」
も是非にbk1で。
ホラふきおじさん惜しくも本年3月御逝去。
けどどっかでコノ世界観ててくれるかも。横目で(笑)。
蛇足ながら本作読んでる途中、幻のストラディヴァリ銘品ニュウス流してて、
シンクロの妙にチョト吃驚しました。