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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.4 15件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2003.3
  • 出版社: 文芸春秋
  • レーベル: 文春文庫
  • サイズ:16cm/307p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-16-766130-4
文庫

紙の本

宮殿泥棒 (文春文庫)

著者 イーサン・ケイニン (著),柴田 元幸 (訳)

宮殿泥棒 (文春文庫)

税込 755 6pt

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収録作品一覧

会計士 11-86
バートルシャーグとセレレム 87-160
傷心の街 161-226

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みんなのレビュー15件

みんなの評価4.4

評価内訳

  • 星 5 (9件)
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  • 星 3 (3件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

人間の不可思議さを誠実に描き切る。

2009/12/29 01:06

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:浸透圧 - この投稿者のレビュー一覧を見る

この作家の美質は予想外な展開をあざとく感じさせない誠実さにある。
ありがちな展開をあちこちで想起させながら、決して安きに流れない。
他者に対し進歩的で理解ある人々が登場する。それでも齟齬をきたし、
別の関係を模索する様が実直で、解決が困難である点もリアル。
そして、描きすぎない。程よいところで手を離し読者に委ねる。
あるいは、そのまま放置する。そんな作風も現実味を醸し出す。
説明できることばかりでないのが現実というもの。
一見地味だが、実に素晴らしい作品群だ。

『会計士』  
騒乱を欲しながら実直に生きた人生をはたと振り返る主人公。
会合直前に会合相手が宝にしている物を瞬間的に盗んでしまうのは、
まさしく破壊衝動だ。実直な彼の中で何かが目覚める。
そうして初めて最愛の娘が強い関心を自分に擁いたというくだりは、
おかしくも切ない。そもそも彼は若い頃、知的で節約家の恋人をふり、
あることで一瞬好ましく感じた浪費家の女を選び結婚している。
実は結婚では既に破壊的な道を選んでいたのだ。無意識に。

『バートルシャーグとセレレム』
細部が魅力的で舐めるように読み進める。
いったいどこに落とすか、今作も見当がつきそうでつかない。
兄に対する弟の葛藤に照準を合わせると思わないでもなかったが、
それでも見事、ラストで愕然とさせられる。
絶好調な兄の人生が頓挫するのを望む気持ち。
兄弟のいる者なら誰しも思い当たる節があるだろう。
兄が決定的な場面を迎えたとき、「これで僕の上昇が始まる」
と感じるくだりが、ひりひりして痛い。
それゆえ、15年後の弟の痛みが鮮やかに決まる。
人間の暗部を照らすだけでなく、救済も用意されている。
うなったシーンに、いつも寄り添う隣人が深夜、タバコの吸殻を
主人公らの庭に投げ捨て、それを偶然、主人公らが目にする場面。
実にいい。ありそうなことで、それについて深く追わないのもいい。

『傷心の街』
これも予想外な展開。落とし所が予感できず、最期まで読まされる。
再生の物語にみせかけて、実は喪失の物語。
そこへラストをもってくるところに、この作家の知性を感じる。
再生の物語は語り尽くされ、逡巡から幸せに踏み出すまでといった話に
なりがちだ。しかし、この作品は違う。
目前の幸せがただの復元でしかないと気づかせ、さらに最愛の者を
ある意味で失う哀しみを描いてみせる。一筋縄でいかない。
ラストで置いてきぼりを食う読者がいるかもしれない。
似た経験をした人間しか実感しにくいかもしれない。
僕は読後しばらく、ぼおっとするほど唖然とした。
しかも奇を衒わないからリアルでもある。
なるほど、こうくるかと感心ひとしきり。

『宮殿泥棒』
最初の数ページで、映画化され観た記憶に思いあたる。
結末を覚えているし展開もそこそこ思い出した。
しかし、原作のほうが格段に素晴らしい。映画は原作を超えられぬか。
枠からはみ出せない小心者たちの物語は胸に染みる。
ラストが滋味深い。この作家の世界に対する眼差しとスタンスを感じる。
教職にあった主人公は物静かな元生徒と飲みながら、互いに過去の
ある部分には決して触れない。元生徒の老人になった様に主人公が
はっとするくだりは感無量。彼らを照らす光や風まで感じる光景だ。

イーサン・ケイニンが描いてみせる世界は、いかにも小さい。
しかし細部に神がやどるように、感慨をもって読ませる筆力がある。
バランス感覚に富み誠実で知性的な主人公たち。
しかし自分の「宮殿」を追われ、追われることに自ら加担してしまう。
彼らに注がれる作家の眼差しとスタンスは人間への尊厳に満ちて誠実だ。
この作家は医者と小説家の兼業らしい。緻密で堅実な作風に納得。
めだたない脇役を主人公にしたケイニンの作品をまた読んでみたい。

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紙の本

人生劇場

2003/04/23 00:36

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:深爪 - この投稿者のレビュー一覧を見る

なんとも渋い一冊です。短編でも長編でもない「中編」ならではの魅力、というものがあるとしたら、そのすべてがここにあるのでは、といいたい。

4編それぞれが絶妙の味わい深さです。主人公がみな、いわゆる「グッド・グッド・ボーイ」っていうと聞こえは悪くないですが、要は決して頂点を極めることのない、何かひとつ突き抜けたところのない、圧倒的な魅力に欠けている「そこそこ」の男たちなのです。そして通底するテーマは、「人格は宿命である」。もう感情移入せずにはいられません。

訳者のあとがきで気づいたんですが、著者の「慈悲の天使、怒りの天使」という短編が村上春樹編・訳の「バースデイ・ストーリーズ」に収録されています。一人暮らしの寂しい老婆の話で、はっきりいって印象はあまりパッとしたものではなかったんです。が、この作品集は素晴らしい。
凡庸ながら、しかし懸命に生きてきた男の人生から、ふいにこぼれ落ちる決定的な哀しみ…が実に巧みに描かれています。この人の作家としての矜持はそこにあると思います。
「傷心の街」のラストは特にぐぐっと胸に迫るものがありました。ソフィスティケイトされた哀愁というべきか、人生における根源的な哀愁のようなものが静かに染み入ります。

どんな人でも、ふと振り返って、「自分のこれまでの人生っていったい何だったんだろう。自分は何をしてきたのだろう?」と思ってしまう瞬間があるんだと思います。それは結構怖いことです。
問いに対する答えが、たとえ「人は変われない。人は自分以上になれない」だったとしても、胸を張っていられたらいいですね。あのSMAPの唄のようにね。

タイトル作の「宮殿泥棒」は映画化されたとか。ケヴィン・クラインもいい役者ですが、個人的にはジェームス・アイボリー監督、アンソニー・ホプキンス主演で観てみたい気が。

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紙の本

4つの中篇それぞれにくっきりと生々しいまでに描き切られた男性たち。個人の像を丹念に彫塑することで、向こうに透けて見えてくるアメリカ社会。

2003/08/12 23:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 カバーの装画が非常にユニークで、割れた卵の殻様のかぶり物の下に、どんな目が隠されているのか気になる。内容を暗喩する絵だと思うが、読み進めていて私が思い浮かべた絵は、アンドリュー・ワイエスである。
 ワイエスは、アメリカ中西部にある自宅のわずか数キロ四方の風景、そしてそこに暮らす人びとを描きつづけた。モデル女性の髪のほつれ1本1本、風になびく草の葉1つひとつを写真で切り取ったように写実的に描くのだが、本人は自分は抽象画家的だと言っているらしい。確かに、絵を眺めていると分かる気がする。モデルの深い内奥や、その場に漂う雰囲気など、形にならないものを封じ込めている。

 小説には、絵では抽象的に留まらざるを得ない人物の内奥に、言葉で肉迫していこうという側面がある。たとえば、それが憧れか嫉妬か憎しみか、作者が何であるのかと明確にしなくても、読者は登場人物の内なるつぶやきを読ませてもらうことで、自分なりに解釈していける。
 髪の柔らかさや目のけわしさ、骨格の具合などが文章には書かれていないなら、絵画よりもリアリティという面でひけを取るが、逆に絵画には表れない感情のうねりや推移が書かれることで、絵画以上のリアリティを獲得することができる。
 今、私は安易にリアリティという言葉を使ったが、それは「こういう人が確かに世のなかには生きている」という存在感のことで、割に漠とした意味のつもりだ。
 ワイエスの絵はごく細部まで丹念に描かれていて、モデルの内奥を読み取り、それに感応した画家が絵のなかの対象に魂を吹き込んでいる。イーサン・ケイニンの文章は、ある人物の性格を想定し、それをごく細部まで丹念に描きながら、それに感応した作家が登場人物としての対象にやはり魂を吹き込んでいる。すっきりとまとめられないのだが、存在感ある人物、もっと言うなら、鑑賞者に肉迫してくる人物像を表現することにおいて、両者は似通っているなと思えたのである。

 4つの中篇それぞれに描かれた主人公は、どれも対照的な人物像の副主人公を配すことにより、効果的にその生活や人生、信条や運命を浮き彫りにされている。というか、ペアの人物を描くことで、それぞれの背景である一定の価値に基づいた社会も描く。さらに、その二つの社会を接触させることで、二つの社会を包括するアメリカ社会を描くことができているのだと思う。
 たとえば表題作「宮殿泥棒」は、半世紀にわたり高校教師として生真面目に勤め上げてきた老人の話。歴史教師として、一方で人類の気高い理想を目途とすることを少年たちに吹き込もうとし、同時に、人間の成す営みの儚さを認識させたいとも考えていた。お気に入りのローマ史で、教育機関の果たすべきモラルの植付けを実践してきたのだ。彼に相対されるのはワルながらにカリスマ性のあった教え子で、卒業後、産業界のリーダーに出世している。物語は、教え子の在学中と40年ぶりに再会したときに共通するイベントを通じて展開されるが、教育界という教師が背負って立つものに対し、教え子が背負って立つものは政治的な駆け引きの世界だ。元高校教師は、在職中すでに教育を担う学校であれ政治力で動くことを知るが、教え子との再会により、社会や国を動かすものの正体を改めて知る。
 主人公たちにはユダヤ系という設定があるものもあり、それゆえ勤勉実直という性格づけがなされている。民族と社会のコンフリクトという読みもできるが、すべての人に普遍的な人生の「ほろ苦さ」でまとめられている点が魅力だ。

 

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2005/05/16 00:39

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2006/01/29 14:32

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2006/05/06 01:02

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