紙の本
武士がよろずもめごとを仲裁するほのぼのユーモア時代小説
2009/12/13 19:31
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
<あらすじ>
神名家の末弟で冷や飯食いの平四郎は、同じ道場通っている明石半太夫と北見十蔵たちと道場を始めることになった。
しかし、これから門下を集めて道場を開こうかという矢先、家族と共に移り住んでいた明石は、妻子ともども行方を眩ましてしまった。
持ち逃げされた五両を取り戻すべく明石を捜したがいっこうに見つからない。
まずは食べていくために平四郎は、仕事を思いついて北見に看板を書いてもらった。『よろずもめごと仲裁つかまつり候』
平四郎は裏店でさまざまなもめ事を仲裁し、手間料をとる仕事を始めた。
<感想>
全体的にほのぼのとした雰囲気とユーモアに包まれている。
各話ごとに起こるもめごとのほとんどが市井のもので、それを武士が仲裁を行うという異質な面白さと、平四郎の弁舌とはったり、楽天的な性格がほのぼのとした絶妙なおかしさを纏った雰囲気を作っている。
しかしほのぼのとしてユーモアがあるだけではなく、平四郎の気持ちの良い剣闘シーン、目付である兄・監物が関わる政争、平四郎が婿養子に入るはずだった塚原家の娘・早苗との再会、北見や金を持ち逃げした明石との交友など、各話を通した共通の話によって、安定した世界が作り込まれている。
また、作品を通して何かを伝えようという作者の押しつけがましい意図は感じられず、単純に読者に楽しんでもらおうというサービス精神が感じられ、気負いなく読めるのもうれしい。
ハッピーエンドで締めくくられる気持ちのいい作品。
紙の本
大好きな本です。
2019/04/21 17:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:satonoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
ずいぶん前に読んだのですが、筋や雰囲気をころっと失念していて、今回久々に再読しました。
岡本さとるさんの『取次屋栄三』をちらりと思い出すストーリーですが、藤沢周平さんの美しい文章、ときにユーモアのある文章が、また素晴らしいです。
これから下巻にかかります、また楽しみです。
投稿元:
レビューを見る
藤沢周平作品を数読んでないのは、古いものは暗いって聞いたから。平四郎はいいです。池波作品好きならいけるはず。市井ものが私はやっぱり好きやなぁ…。
投稿元:
レビューを見る
銀魂の銀ちゃんとかぶって萌えると聞いて手を出してみましたvv
結構おもしろいbb萌えるな??学校で読んでてニヤけそうになるもん←
まだ上巻しか読んでないけど、絶対下巻も読むvv
投稿元:
レビューを見る
弁と剣の腕は立つが妾腹で肩身の狭い平四郎は道場を作ろうと仲間と金を持ち寄るが、それを騙し取られてしまう。
しかし実家に帰ることもできない平四郎は「世に揉め事の種は尽きまじ」とよろず仲裁を行なうことになる。
不倫、結婚問題、強請りに集りを弁と剣(と兄の威光)で仲裁する手際、殺陣シーンの緊迫感が軽妙に書かれてあり、さらっと読める。
「当たり」の小説だと思う。
個人的には北見さんが好き。
投稿元:
レビューを見る
隠し剣シリーズとはまた違った読み口。
さわやかで活気がある感じ。
これはこれで良い。
登場人物もそれぞれ背景や癖があって好感がもてた。
投稿元:
レビューを見る
剣の腕と口上だけはあるけど、妾腹で冷や飯食い平四郎…なんだけど、いい奴なんだこいつが!たつきの道がなくなって、「揉め事仲裁屋」なるものを始めた平四郎のもとに、いろんな事案が持ち込まれる。早苗との初恋を実らせたのもまた好感持てる。乗りかかった船から降りない潔さが魅力の主人公。
投稿元:
レビューを見る
上下2巻の長編ではあるけれど、それぞれの章が独立した物語で構成されていて、短編集のようでズンズン読めた。
よろず揉め事の解決も、それぞれに味がある。
平四朗と元許婚の早苗が引き合っていくのが、ごく自然に描かれていてよかった。
投稿元:
レビューを見る
●2008年4月23日読了
私的にはもうちょっと平四郎が頼もしい方がよかったかな。
気配ぐらいは気付いてほしかったかも;
投稿元:
レビューを見る
よろずや=何でも屋
ってことで、入ってくる依頼は、痴話喧嘩だったり人探しだったり…いまいちパッとしない。たまに大店の依頼で大金が入っても、気が大きくなって使ってしまう。もちろん毎日依頼が入るわけでもなく、暇な時は一日中ゴロゴロ。
って、なんかダメな侍って感じですけど。
でもね、なんて言うんだろう?
剣の腕は立つし。意外と人情派。“粋”なんです。
侍でありながらも、平民(裏店の住民)目線で。
毎回違う依頼の話なんだけど、そこに同時に兄の監物から頼まれてる仕事や、元許婚の早苗との話が絡んできて、一話読みきりであってそうでない所が飽きさせないのかしら。
『水戸黄門』みたいな勧善懲悪じゃないところも私のツボでした。だからと言って、暗い気持ちになることもなく、爽快な終わり方で。
もちろん主人公の神名平四郎も魅力的なんだけど、裏店の住人達や監物の部下、平四郎と同じ様な仕事をしている老人とかね。周りもかなりいい味だしてます。
やっぱり藤沢周平はおもしろいなぁ♪
投稿元:
レビューを見る
オモシロいよー。これもなんか、時代劇になってましたね!血気盛んな若者、神名平四郎が営むよろずやのあれこれ。短編連作集。
投稿元:
レビューを見る
藤沢作品にしては全編を通して明るめな気がする。
主人公のタフさと、ある程度の適当さ、人の好さがあらわれているからかも。
用心棒シリーズとよく比べられているけれど、個人的にこっちの方が好き。
投稿元:
レビューを見る
少年マンガが好きで時代小説にも興味が出てきたけれど何から読んでいいのか悩む…という人に、ぜひどうぞと手渡したい本です。特に『銀魂』好きな人ならば、抵抗無く読めるのではないかと。主人公の雰囲気がどことなく似ています。
投稿元:
レビューを見る
主人公がよろずやさんという設定が興味をそそられました。
歴史は詳しくないけど藤沢さんの作品はそんな私でも楽しく読むことができます。
投稿元:
レビューを見る
ドラマ化もしたし藤沢作品の中では結構メジャーなよろずや平四郎。明るく痛快、テンポが良くて面白い。最後も明るくハッピーエンドでよかった。思わず2回読んでしまった。