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反社会学講座
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.1 74件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2004.6
  • 出版社: イースト・プレス
  • サイズ:19cm/305p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-87257-460-5

紙の本

反社会学講座

著者 パオロ・マッツァリーノ (著)

反社会学の目的は2つです。社会学という学問の暴走する現状を批判すること、不当な常識、一方的な道徳から人間の尊厳を守ること…。謎の論客・マッツァリーノ氏が贈る、オトナ社会の...

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商品説明

反社会学の目的は2つです。社会学という学問の暴走する現状を批判すること、不当な常識、一方的な道徳から人間の尊厳を守ること…。謎の論客・マッツァリーノ氏が贈る、オトナ社会の紋切り型にメスを入れる「反常識の知」。【「TRC MARC」の商品解説】

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書店員レビュー

ジュンク堂書店新潟店

謎の(おそらく)社会...

ジュンク堂書店新潟店さん

謎の(おそらく)社会学者、パオロ・マッツァリーノさん。自称イタリア生まれ(どうやら日本人のようですが)。もともと、「スタンダード反社会学講座」というホームページで行っていた連載を単行本化したものです。社会学、あるいは社会学者になにか恨みでもあるんでしょうか。かなり痛烈な批判をしています。内容そのものはエッセイ感覚で読めるんですが、参考文献の量がすごい。ありとあらゆるメディア、資料から引用しています。出版されてからしばらく経っておりますので本書の中で触れていることと、現在の社会情勢に多少の変化はありますが、充分に楽しめます。笑いながらも、ハッと考えさせられる良書!
人文科学書担当 西村

みんなのレビュー74件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

それでも若者論を信じますか

2004/07/26 15:30

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:後藤和智 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 なんとも痛快な本が出た。最近は新聞、テレビ、雑誌、出版、どこを開いても「今時の若者は…」という愚痴がさまざまなところにあふれており、また多くの「識者」や読者がそれを支持している。しかし、それは本当に正しいのか、という検証は、専門的な研究の分野ではある程度は試みられてきたとしても、一般書のレヴェルではほとんど試みられなかった。なので、この本の登場は、革命的と言ってもいい。
 この本が相手にする「社会学」は、「社会学」の名の下に俗情に迎合した理論を垂れ流し、徒に社会の危機感を煽る理論のことである。例えば、「少年の凶悪犯罪が激増」「学生の著しい学力低下」「少子化で国が滅びる」などというものが挙げられる。これらの多くは「若者論」と結びついており、だから大衆に受け入れられたのだろう。
 また「若者論」は、「今時の若者は堕落している」だとか「少年犯罪が凶悪化している」などといった、さして検証もされず、多くの人(情報や議論の受け手)が当然として思い込んでいることを前提としているが、そのような前提の検証なき議論は、単なる大衆迎合、あるいはポピュリズムでしかない。
 本書はその「前提」を疑う試みである。例えば現代日本の若年は昔や外国と比べて堕落した若年とされている。然るに本書では、それを覆すデータがさまざまなところで現れる。また、「ふれあい」が少年犯罪などを減少する、などと文部科学省の役人やマスコミは宣伝しているが(その延長が「心の教育」だろう)、本書によって「ふれあい」には全く効果がないことが実証されている。
 こうしてみると、いかに我々が「若者論」に対して無防備であるかがよく分かる。最近では「若者論」はベストヒットを生み出し、政治さえも「若者論」で動いているように見えるが(例えばメディア規制や教育基本法の改正など)、そのような「若者論」を疑う試みこそが、今最も必要なことであり、権力の横暴に抗うことでもある。時代がこの本を求めていたのである。
 さあ、「善良な」大人の皆さん。
 「ゲームをやると脳が異常になる」と主張するアノ本を。
 「母子密着型の子育てで、日本の若者は恥知らずのサルになった」と主張するアノ本を。
 「憲法に義務条項を入れれば少年犯罪はなくなる」と主張するアノ政治家を。
 「道徳教育の強化が急務だ」と言うアノ識者を。
 それでもまだ信じますか!

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紙の本

年寄りのヒトにこそ読んでいただきたい(でもきっと怒るんだろうな)という類いの本である

2005/03/25 06:25

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る

 何を隠そうオレは学生時代「社会学科」というところに所属していたのだが,そのオレに言わせると「反社会学」つうタイトルはピンとこない。「反ー」つうのはどっちかと言えば今現在権力を持っていたり,世間で幅を利かせているものに異を唱えるイメージだと思うのだが,オレが学生だった白亜紀中葉のころから,社会学がそんなに隆盛を誇ったこたぁない,つうか,あの時点で既に「死んだ学問」だったような気がするんだよね……。
 そんな死者を鞭打ってどうする,と,いぶかしく思いながら読み初めてなるほど,と合点がいった。著者が「反ー」を唱えているのは世に溢れている怪しげな「社会学風アプローチ」なのね。そういうもんであれば確かに現在,雲霞のごとく溢れている。ところどころ,まるでオレが書いたのではないかと思うような意見もあり,ちと仰天。……ま,オレだったらこんなに真面目に統計を集めたりしない,つまりオレの方がより社会学から遠いわけだけど。
 どう読んでも書かれている日本語はネイティブ,しかもオレと同年輩か年上のヒトのもののような感じ(ギャグ・センスからの類推)だし,カバー折り返しに記された著者略歴はいかにも怪しげで,一部にはあの偽ユダヤ人山本七平氏の再来か,という声もあるみたいだがそんなことはどうでもいい。ふざけた文体ながら内容は至ってマトモであり,どっちかと言うと年寄りのヒトにこそ読んでいただきたい(でもきっと怒るんだろうな)という類いの本である。

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紙の本

「本日ここに戦後最もキレやすかった少年が決定しました。グランプリは昭和三五年の十七歳、つまり昭和一八年生まれで平成一六年現在六一歳のみなさんです。おめでとうございます」

2004/06/27 14:36

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:king - この投稿者のレビュー一覧を見る

「反社会学」には、二つの目的があると著者は言います。

「第一に、社会学という学問が暴走している現状を批判すること。第二に、不当な常識・一方的な道徳・不条理な世間体から人間の尊厳を守ること」

本書の講座第二回において、少年犯罪の増加凶悪化を叫ぶマスコミの用いる資料のトリックを暴き、戦後以降の凶悪犯罪が昭和四十年以降減少傾向にあり、最も凶悪事件の少なかった平成二年と最も多かった昭和三五年では七倍もの差があることが指摘されます。
十年スパンでしか統計の書かれていない「警察白書」をみただけではわからないそういった事実を、きちんと戦後以降の統計が網羅されている「犯罪白書」をひもとくことできっちりと裏付けを取ります。
戦後最もキレやすかった少年たちはいまや六十歳。いろいろな企業、マスコミなどの管理職などになっている年齢です。
そこでつまり、と著者は続けます。

「マスコミのお偉方は自分たちの世代の凶暴さを隠すために、過去のデータを意図的に伏せていたわけです」

本書の基調にあるのは、メディアに垂れ流される、今時の若者論やフリーターの増加を批判する記事、学力低下を危惧したり本を読まなくなったことを憂うといった、たいした根拠を持たないながらも、なぜか非常に大きな影響力を持っている「謬見」を根拠と資料の裏付けのある社会学的な調査方法によって、冷ややかにバカにする視線です。
上の引用も、冗談めかして語られてはいますが、おそらくかなりの妥当性のあることだと思われます。

というか、本書全体が一貫して揶揄しバカにし冷笑し攻撃しているのは、いまやいい大人になって会社やなんかの管理職についているオヤジ、戦争特需の後押しで景気が上向いたことを経済成長期のサラリーマンは偉かったなどという神話にすり替えたりする連中、良い気分で現代の社会を批判した気になっている飲み屋の酔っぱらいなどの言動に現れる「世の中が悪くなったのは、自分以外の誰かのせいだ」という盲信です。

そういった連中は、フリーターを雇わなければ立ちゆかない社会である(コンビニ、ファミレスでは八割以上、葬儀でも三割がバイトという資料が載ってます)ことを無視して、現在の若者はまともに就職する気概もないとか、無責任な連中だ等という与太を飛ばします。それでいて、上からの経費削減要求に応えるために社会保障を切ってしまえるアルバイトをどっさりと雇って安賃金でこき使うのです。
自分のやっていることの責任を若者の精神論にすり替えているわけです。

そしてまた善良な市民たちは、失業率が五%という現状(算出の前提として、求職活動をしていることが条件となっていることに留意)にもかかわらず、都市部に溢れるホームレスを「自己責任」として非難し、自分たちの社会の構造的な問題であるということを決して省みない。

本書はそういった「人間の尊厳」を奪う根拠もなく正当な理由もない非難、批判の類を徹底して小馬鹿にします。「社会学」風の手法で主張を正当化する相手に対しては、もっと綿密な「社会学」的手法で、正反対の結論を導き出し、いかにその主張がデタラメなやり方で捏造されたものであるかを白日の下にさらすのです。

ただ、著者の言っていることを全面的に信用してはいけません。著者本人がWEB版の「スタンダード 反社会学講座」で言っているように、本書は社会的手法でデタラメの与太を「証明」することをもって「社会学」を批判しているのですから、その「証明」されたデタラメが本当にデタラメなのか、はたまた実際に信用に足る知見なのか、疑問が浮かんでくるのです。

おそらく、その疑問をきっかけに自分で考え始めてもらうこと、それが著者の願いなのでしょう。そして、本書ではそういう疑問を持ったときにどういうやり方で調べ、考えればいいかがすでに「実践」されている、極めて教育的な本なのです。

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紙の本

「非社会学」への痛快な一撃

2004/06/25 13:51

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:辻大介 - この投稿者のレビュー一覧を見る

社会学界のかたすみに身を置く者です。
「社会学」を笑いとばすどうしようもなくおもしろい本がついに出てしまった、と思った私は、実のところ反社会学者であったのかもしれません。

もとはウェブで公開されていたものですが、加筆修正がなされ、新たに2章分が加えられています。
ウェブ版よりすこ〜しだけ毒が薄まっているような気もしますが、痛烈な笑いと皮肉をまぶしつつバッサリ社会学を斬る破壊力に変わりはありません。
著者の批判する社会学のやり口とは、次のようなものです。

「最近の若い奴らは、私の講義をまじめに聞かん、けしからん」という個人的感情から、
→「あいつら、親のスネかじって自立していない、だから自分勝手で、私の講義のすばらしさに気づかんのだ」という独断と偏見による「仮説」をたて、
→都合のいいデータや資料を集め、
→「フリーターの増加や少子化にともなって、私の講義の出席数も下がってる」と分析し、
→海外のデータや文献から都合のいいところだけ抜き出して、論を粉飾しつつ、
→「フリーター増加と少子化は明白な相関関係にあり、したがって怠けてる若者をまじめに働かせることが、日本再生のカギ!」と、個人感情を一般的社会問題にすりかえて結論づけ、
→本を出して、講演依頼が殺到、印税と講演料でウハウハ

最後の部分はちょっと余計ですが、ま、こんなやり口です。
学術的な体裁を整えてはいつつ、中身はこれに限りなく近い「社会学」の本は、実際、めずらしくありません。
著者のいうとおり、「調査結果をもとに、フリーターが二〇〇万人いる、という事実をはじき出すところまでは、たしかに科学的」なのですが、「なぜか社会学者はその事実にゆがんだ視線を送り、研究結果に善悪の判断を加え」、自分の主観をもとに「人生の正解や理想社会の青写真を作り、そこからはずれたものを批判し、社会問題に仕立て上げ」てしまう。

最近では、この「社会学病」が自然科学の方面にも感染しつつあるようで。
「最近の若い奴らは、テレビゲームばかりして、私の講義をまじめに聞かん」
→ゲームをしてると、脳の前頭前野の活動が低下するというデータをとる
→「感情を抑制する前頭前野がはたらかないから、今の若い奴らはキレやすいんだ」
→「ゲームをさせないことが、少年犯罪を防ぎ、社会を再生させるカギ!」
→本を出して、講演して、ウハウハ
う〜ん、前頭前野の発達していないヒト以外の動物では、仲間を死に至らしめるまでの攻撃行動はまずしない、ヒトだけが仲間同士で殺し合う、という動物行動学の知見もありますけども、その点はいかがなものでしょうかね?

話が逸れました。
私のみるところ、日本の社会学界には「社会学」者はいません。
いるのは、「非社会学」者か「反社会学」者かのいずれかです。
これは個人的な意見ですが、正統な「社会学」とはそもそも「反社会学」であるのではないかと思います。
その意味では、この本は「正社会学」の良質な入門書とも言えるでしょう。

また、その点でいえば、本書に不満がまったくないわけではありません。
たとえば、第2章では少年犯罪凶悪化(増加)論がバッサリ斬られていますが、切れ味の粗さがやや目立つところもある。
土井隆義さん(『〈非行少年〉の消滅』信山社、2003)や広田照幸さん(『教育言説の歴史社会学』名古屋大学出版会、2001)といった、「反社会学」者のしごとによって、今ではさらに鋭いメスがあてられつつあります。
こういった優れた反社会学者たちのしごとへと入門者を導くリファレンスがついていれば、とも思うのですが、まあ、それは欲ばりすぎというものでしょう。

いずれにせよ、本書によって、反社会学=正社会学への道へと誘われる旅人が1人でも多からんことを願ってやみません。
本音のところ、この本は私が書きたかった。
くやしいぜ。

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紙の本

「レイバック・イナバウアー」社会学

2006/05/23 06:17

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る

非常にインパクトがあり面白い。お勧めの本だ。ただ、本書の良さについては多くのbk1評者さんが言及されているので、そちらにお任せするとして、私は気になった所を一点書いてみたい。

第6回と7回のタイトルは「日本人は勤勉ではない」だ。どのように論証してくれるのかワクワクしながら読むが、見出し通りの結論にはならない。《日本人はさほど勤勉ではない》となる。これは「日本人はある程度は勤勉である」とも、言い換え可能のような気がする。
私が「日本人は勤勉かどうか」という命題に答えるなら、「勤勉な日本人もいるでしょうし、そうでない人もいるでしょう。相互に変わることもあるでしょう」となる。しかし、この答えは実につまらない。こんな答えでは、売れる本は書けないでしょう。
数でいえば、「日本人の8〜9割は勤勉である」ことが証明されれば、「傾向としては勤勉である」と言えそうだ。しかし、ここで「勤勉」の定義が問題になる。つまり、何をもって「勤勉」かそうでないかの境界線を引くための客観的な基準とするのかということだ。これって非常に難しいと思う。
例えば「○○人は約束した時間をまともに守らない、時間にルーズな国民性だ」という言明なら、本当に時間にルーズなのかどうかを調査・検証することは十分に可能だろう。
勤勉とは『仕事や勉強などに、一生懸命に励むこと。また、そのさま。』(大辞泉)というあいまいな概念でしかない。「私なりに一生懸命やってます」と自己申告が出来てしまう。単純に時間をかければ「勤勉」という話でもないはずだ。
結局のところ「勤勉」かどうかなんて、大概が主観的に判断しているにすぎない。だから、私だったら「客観的」な証明は唱える側に負わせる。それがされないのであれば、「日本人が勤勉かどうかの判断は難しい」という結論に持ち込むと思う。
しかし、それではエンタテイメントにはならない。線引きがはっきりしていない以上、「日本人は勤勉ではない」も証明しにくいのだが、著者はそれを積極的にやろうとする。
そこが面白い、とも言える。暴走気味になりやすい、とも言える。

例えば、《イヤな仕事はすぐやめて、楽そうな仕事、おもしろそうな仕事に就く》人が昔も今も多いことを、「勤勉でないこと」の論証材料にしているのだが、どうだろう。
まず、イヤな仕事をすぐやめることと「勤勉でないこと」の間に、相関関係はあるのだろうか。「やめる」というのは職種選択替えの問題であって、向いた仕事が見つかれば励む可能性は大いにあるだろう。「おもしろそうな仕事」が実際に面白ければなおのこと、その仕事に打ち込む可能性は跳ね上がる。そうもいかず、次もイヤな仕事に当たったとしても、当座は一生懸命にやっている人もいるであろう(励む動機なんて人それぞれである)。となると「楽な仕事じゃなければイヤだ」という動機で職探しをしている人なら、「勤勉でないこと」との関係は強そうだ。しかし楽な仕事に就けたとして、その楽な仕事を勤勉にこなしている人だっているかもしれない。
つまり、著者の言う「事実」は論証材料としては弱いと思うんだよね。
「日本人は元来、勤勉な民族である」という、歴史的評価にも確実な根拠はない。本書はその評価に信憑性がないことを明らかにしてくれるので、それだけでも価値はあるのだが、ついぐだぐだと考えてしまった(苦笑)。

ともあれ、先に暴走したのは機関車「常識号」の方ではある。著者にはそれに対抗するだけの力量がある。ユーモアと皮肉を武器に「面白がりながら」挑戦しようとした、しなやかな書き味も光る。

さて、本書の出版後、「常識号」の暴走はどれだけ軌道修正されたのかというと、夏場の背広非着用ぐらいじゃないかな(本書の貢献度はいかに?)。
本書の目論見と意義は、まだ当分は錆び付くことはなさそうだ。

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紙の本

著者の芸風を楽しみながら、自分の頭で考えよう

2004/11/12 03:13

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SCORN - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「反***」というタイトルは逆説的な意味であることが多いが本書も同様である。中味は極めて正統な社会学本といってよい。世間に流布している社会学の衣をまとった一見もっともらしい「常識」について、その根拠や内容がいかにあやふやなものであるかを、著者は様々な統計データ等を駆使しながら批判していく。筆致は軽妙かつ挑発的で、読み物としてもなかなか楽しい。
 取りあげられているテーマは「少年の凶悪犯罪」「パラサイトシングル」「フリーター」「少子化」等々多岐にわたる。これら一般的には大きな社会問題とみなされている事象が、著者の手にかかると、全く別の様相をもって立ち顕れてくる。
 例えば、「キレやすいのは誰だ」と題する章では、最近10年間の犯罪動向に基づき「少年犯罪が急増している」という「常識」について、より長期の統計データを示すことにより、戦後少年の凶悪犯罪が最も多かったのは昭和30年代であることを示し、その数分の一のレベルで推移していることを隠したまま最近10年間のみを切り出して「少年犯罪の急増」という取りあげ方をするのは一種の捏造であることを指摘する。さらに進んで、犯罪統計からみる限り「戦後最もキレやすかったのは、昭和35年の17歳」、すなわち現在の50代・60代の人間であり、まさに少年の危険性を声高に叫んでいる当人達の方こそが危険なのではないかと皮肉たっぷりに結論づける。
 他のテーマについても同様であり、各章毎に「今回のまとめ」として、既存の「常識」を完全に転倒させるような結論を導いていくのだが、この「まとめ」を導く過程において、著者は統計データ等に依拠しつつも、その解釈において正攻法の論理と飛躍した論理(あるいは詭弁ともとれる論理)とをないまぜにして用いている。(例えば、最近10年間のデータのみを用いるのは不適当というのは真っ当な論理だが、昭和30年代に少年犯罪の件数が多いことを以て、人格的危険性(キレやすさ)を当該世代の人間全体の特徴として論を進めるのは飛躍した論理といえる。) もちろん、このような混交した論理の使用と極端な結論の導出は意図的なものであろう。著者の主張に安易に賛同するのではなく、問題の所在と解決の方向性を自らの頭で改めて考えてみる方向に読者を誘導するための一つの工夫とみるべきである。
 上述の例に戻れば、最近10年間のみのデータにより少年犯罪の急増を論じることの不適切さを認識することは極めて重要であるが、その認識の上に立って「だから少年法の強化等をはじめとする少年犯罪対策の在り方は疑問」という立場もありうるし、逆に「昭和30年代と比べると少ないとしても、やはり過去10年間の少年犯罪増加傾向は看過できず何らかの対策強化は必要」という考え方もありうる。要は、流布している「常識」やあるいは他者の意見などを漫然と鵜呑みにせず、考え得る様々な角度から自分なりに十分に分析・評価を行った上で、自らのスタンスを決定していくというプロセスこそが重要なのである。本書の内包しているメッセージもおそらくはそこにある。
 なお、本書は、一年くらい前からネット上で話題を呼んでいた「スタンダード反社会学講座」の書籍化。ネット上の連載は今でも随時更新されている。著者の正体についてもネット連載当初からあれこれいわれているが、こういう詮索は野暮であり、その芸風を楽しむべきものだろう。

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紙の本

もっと反社会学者講座を!

2005/04/23 00:45

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る

あるイギリスの辞典に「社会学者」という項目がありました。そこに書かれていたのは「社会学を研究する人」。一瞬、あぜんとしましたが、実はこの記述は深いのかもしれません。そう、多くの社会学者は「社会」を研究しはしないのです。「社会学(者)」を研究しているだけなのです(少なくとも日本では)。社会を見ることなしに、お互いの顔色ばかりをうかがっている、といったらちょっと言い過ぎでしょうか。社会学者であることにこだわるほど、そうなっていくわけですから、皮肉なものです。
そんな社会学の皮相さを痛烈に皮肉ったのが本書、ということになっているようです。その軽快な語り口に快哉を叫んだ人も少なくないことでしょう。少子化、自立、キレる子供、などなど「世の常識」をばっさばっさとさばいていってくれているのですから。そんな彼の主張する「人間いいかげん史観」は、「新しい教科書を作る会」の自由主義史観と(唯一)互角に相手にできる史観かもしれません。いいかげんそうに見える文体に心地よくなってしまい、つい見逃しがちですが、まっとうな提案も行っています。大学の学費を本人と親の資産状況で格差をつけるべきである(191頁)、という案は今後の格差社会を考える上で一考に値することでしょう。
ところで、本書が具体的に仮想敵としている「社会学者」はごく限られたものでしかありません。主に、社会学っぽいアプローチをする新聞記事や文化人エッセイなどです。具体的にやりだまに挙げられている社会学者は、「パラサイト・シングル」をはやらせた人と、(社会学者の間では不評だった)『子のつく名前の女の子は頭がいい』の金原氏くらいなものです。もう少し皮肉ることもあったろうに、とも感じますが、社会学者に敵を作りすぎるのは得策ではないと感じられたのか、そんなマニアックなことをやっても面白くなかったからなのでしょう。
最後に、もう一つ指摘をしておけば、本書は「です・ます調」で書かれたリズムのよい文章です。論文や文化人エッセイばかりを書きなれた人には難しい技です。そんな彼に期待する次作は、イタリアと日本との比較社会論でしょうか。

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紙の本

「自立」と「ふれあい」のウソ

2004/07/18 21:00

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:狸汁 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 どこかの大学の先生が匿名でウェブで書いていたのがもとになっている。「少年犯罪が凶悪化している」や「少子化で国が滅ぶ」、「欧米の学生のよりに日本の学生はふにゃふにゃしてる」といった、いわゆる通俗の社会理解を笑いとばしてしまおうというコンセプト。たとえば犯罪白書をちゃんと読めば、若者のときに一番凶悪だったのは実は60代だったり、欧米のほうがフリーターが多かったりと、常識崩しを試みている。

 面白かったのは、なぜ日本の若者が自立(というか一人暮らし)できないのかという理由。だって、日本のアパートは先進国の中でいちばん初期費用が高くて、東京なら40万円、(夜逃げが多いという俗説のある)大阪では80万円も、若者に払えっていうほうが無理な話。電話だって7万2千円もする(欧米だと数千円)。賃貸用の不動産をもっている勝ち組老人はますます豊かになって、年金制度は(少子化ではなくて)彼らが社会還元しないから崩壊するという流れ。うん、たしかにそうだ。

 すみっこの話題で笑えたのは、「ふれあい大国日本」。都道府県のなかで、「スナックふれあい」と「ふれあい」の名前がついた公共施設の多いのは、北海道、埼玉、愛知なのだが、「ふれあい」が好きな地域ほど少年犯罪や不登校が多いという。「ふれあい」が増えると子供たちが荒れたりキレたりする。もちろん、かっこつきの「ふれあい」です。一方で、学校では教師のわいせつ行為という「ふれあい」が増加したりしている。「ふれあい」は危険なのである…。

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嘘くさい

2005/12/19 09:12

18人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:しょうこちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

読みやすいので、売れそうな本ではありますが、これをそのまま信じることはできません。
「バカ息子こそが社会の公平を守るカギ」だなんて書いてありますが、バカ息子が居ても、有産階級は没落していないでしょう?
それに、「メラビアンの法則」なんて、本当にあるのでしょうか?
社会批評としては面白い本だと思いますが、ちゃんとした社会学の本ではありません。

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2004/10/16 02:36

投稿元:ブクログ

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2004/10/26 01:00

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2006/02/11 00:23

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2004/11/20 02:29

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2005/01/26 23:25

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2005/01/03 17:57

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