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14歳の子を持つ親たちへ(新潮新書)

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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2005.4
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮新書
  • サイズ:18cm/204p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-10-610112-2

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紙の本

14歳の子を持つ親たちへ (新潮新書)

著者 内田 樹 (著),名越 康文 (著)

14歳の子を持つ親たちへ (新潮新書)

734(税込)

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14歳の子を持つ親たちへ(新潮新書)

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評価内訳

紙の本

親がいる14歳の子供たちへ。あるいは「トラウマ」のことなど。

2006/04/03 06:00

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る

テンポのいい対談本だ。ウチダファンはもちろん、14歳の子がいなくても、子供自体がいなくても、楽しめる要素はある。カテゴリーとしては「しつけ・教育論」なのだろうが、その枠に収まってはいない。
内田氏の発言には、以前のものの繰り返しが多く新味は少ないが、名越氏のおかげでそんなに気にならない。どちらかといえば、内田氏の方がリードし、名越氏は控えめ。お互い反論し合うことは少なく、名越氏が内田氏の発言を受容・補完して、融合した趣の対談になっている。
これを読んで、若い人達はどんな感想を持つだろう。ここは、14歳前後の子供達に「批判的」に読んでもらうのも面白いかもしれないな。

ルーティンが大事であるとして、「家族揃って同じ時間に飯を食う」ことを説くなど、型にはめようとするところもある。
他方で、もっと大ざっぱで適当でいい、ということも強調されている。他人のことなんか6割も分かれば奇跡であるとか、14歳ぐらいになると体と心のバランスが崩れるが、その中途半端な状態で構わないんだとか。『だいたいで、いいじゃない。』の世界だ。ここなんかもそう。

《内田 「トラウマ」ですね。この言葉も禁止にしたいなあ、もう。》

禁止はともかく、私も気になっている。さらに引用。

《内田 あれはいけないですよ。「トラウマ」っていう言葉で自分の経験を説明した瞬間に、自分の身にこれから新しく起きるかもしれないすべての出来事をたった一つのチープでシンプルな物語のうちに回収しちゃうんですから。フロイトが言った通り、「トラウマ」なんか実在しないんですから。「物語」を作ることで自分の身に起こったよくわからない出来事を説明する方便なんだから。嘘でもいいから、説明できる方が説明できないよりいくぶんましだから。でも、精神的に混乱してる子って、ときどき目を据えて「本当のことを言いましょうか」って、「わがトラウマ」を語ったりする。どうしてそんなに全部「説明」したがるのか、その理由が僕にはよくわからない。自分のことだってわかることもあるし、わからないこともある。説明できることも、できないこともある。過去のことなんか忘れちゃった、未来のことはまだわからない。それくらい適当でいいじゃないかと思うんですけど。
名越 トラウマ論的見方にとらわれてしまうと、自分の現在のリアルな体験はまるで影絵みたいなものになってしまう。現実の方が全て影絵で、影絵の本体がトラウマという過去の側にある。そこから影絵を映してるという意味付けになってしまう。》

この文脈では異存はないが、見方を変えると、安易に使われているのには別な側面もある。「トラウマ」を、傷の軽重は問わずに「過去の心の傷」全般にあてがう形に変容させて、「乱用」しているという側面だ。ならば、禁止ではなく「乱用」を積極的に認めることで、「トラウマ」という言葉から「重し」を取り払ってしまうというのも、一つの手かと思う。

《内田 一人の人間が人格として成り立っているのは、数え切れないほどのファクターの複合効果なわけでしょう。「実はオレがこんな風になったのはね、六つの時にこんなことがあったからなんだよ」って言う人間の話を聞くと、「嘘つけ」って思うんです。そんなことあるはずないと。お前がそんな風な人間になってるのは、さっき食った海老が不味かったからじゃないかって(笑)。でもトラウマ説の人っていうのはそういう複数のファクターの関与を絶対認めないですね。全部単一の原因に還元しちゃう。》

分かる、分かる。そういう人っている。内田氏の切り返しは冴えている。

賛成しかねることも幾つかある。女性の平均寿命がなぜ長いかの理由についてが、その一つ。それこそ著者に「嘘つけ」(笑)と言いたいところなんだけど、字数も尽きたので、お開きに。

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2015/02/16 01:21

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