電子書籍
いろいろすごい
2020/09/02 11:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
豪胆で知られる勝負師ほど、戦災で自分に自信がない。もちろんそれがいいわけにはならないし、辛くて囲碁を捨てられない。女性にもアルコールにもギャンブルにも走る。とにかく、すごいです。
投稿元:
レビューを見る
自分は碁を全く知らないので、藤沢氏のことも知らなかったわけですが、ただただ、痛快の一言に尽きると思います。
博打、女、酒、というコンボで乱行をしながらも、碁や、人に対する突き抜けて透き通った見方。天才という言葉がふさわしい方は、やっぱりカッコイイのです。
なんというか、大人物が大人物然として「俺の生き方すごいでしょ? ちょっとすごすぎる点もあるけどねwwwwww」と語った半生を、最後には「やっぱり女房にはかなわないよ」で閉められると、たまらないものがありますな。
非常におすすめ。
投稿元:
レビューを見る
藤沢秀行―――。まさしくカリスマですな。。。
囲碁なんぞ全く知らない、どころか何する人か、どこの誰なのかすらしらなかったのに一目見ただけで惹き込まれてしまった。
見るからにオーラが漂う、升田幸三、志ん生クラスのカリスマだろーね。
投稿元:
レビューを見る
こんな人は近くにいてほしくないと思うが、しかしこの人のまわりはたくさんの人でにぎわっている。欠点を帳消しにするほどの魅力があったのだろう。
確かに野垂れ死んでも不思議ではない生き方だが、そうはならないところが人生の摩訶不思議なところ、真似してはいけないよ。
投稿元:
レビューを見る
少し大人しめにしているところもあるが、
破天荒ぶりの一端はうかがえる。
碁に対して随分マジメだったんだなぁというのが
よく分かる。繊細が故にアル中になる。
競輪への思い入れもすごい。
こういう人は好きにさせるしかない。
生き様を、他人として楽しむ。
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
天才棋士と騒がれる一方、ギャンブルで作った借金は億単位、正妻と子供のいる自宅には三年間も帰らず愛人の所に入り浸り、酒での乱行も数知れず。
そんな秀行さんも齢八〇を超えた。
とっくに博打場でくたばっているはずが、死神にも見放されたらしい。
三度のガンを患うも、みな克服してしまう。
「こんなに長く生かしやがって」憎まれ口をききながら、今日も競輪場に通う―。
無頼派勝負師が語る痛快なるその半生。
[ 目次 ]
第1章 死―くたばり損ない
第2章 金―博打三昧
第3章 酒―繊細磊落
第4章 芸―無悟の悟
第5章 人―〓(き)然独存
第6章 血―父親失格
第7章 絆―内でも外でも、女性は平等
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
痛快な人生。
囲碁に対する真摯な取り組みに相反して、人生は飲む買う打つで身内や周囲の人間たちに迷惑をかけつつも慕われる人柄。
棋聖六連覇、最高齢記録となる王座防衛、定石に拘らない碁、来る者拒まずの秀行塾での人材育成や、浮気をして三年間家に帰らない、競輪でした借財を返せず家を取られる、酒癖が悪くトラブルを起こすなど、とても真似できないような数々の行動に驚いた。
投稿元:
レビューを見る
藤沢秀行名誉棋聖の書かれた「野垂れ死に」、2005.4発行です。藤沢秀行名誉棋聖は1925年(T14)6月14日にお生まれで、2009年(H21)5月8日にお亡くなりになりました。(享年83)この方の囲碁は大好きでした。理路整然とした打ちまわしにいつも惚れていました。アルコール中毒で指が震えながらの対局姿、今も瞼の奥に残っています。書の個展も銀座で開かれてますが、その素晴らしさに感服です。この本は秀行さんの規格外ぶりが存分に描かれています。ギャンブルで億単位の借金、自宅をあけて愛人の所に3年・・・etc
投稿元:
レビューを見る
著者はプロの碁打ち。
病気、女、金など、これまでの波乱の人生について語る。
全体的に「やんちゃ自慢」的な感はある。
一方で、「囲碁があってこその自分、囲碁に命を懸ける」という様子も見える。
根本的には真面目なひと(真面目すぎるひと)なのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
無頼とはまさにこんな生き方を言うのだと思った。もはや二度とこんな生き方をする人は出てこないし、時代が許さないであろう。筆舌に尽くしがたい苦悩があっても、当事者たちはどこかあっけらかんとしてとても鷹揚で懐が深い。極端を絵に描いたような生き方だからこそ人間が大きくて魅力的。とても自分には真似できないし身内に居たら迷惑極まりないが、ちょっとだけほんのちょっとだけ憧れる。映像化されたものを見てみたいと思った。
投稿元:
レビューを見る
娘の研究室の教授の推薦で読む。
ハチャメチャだが芯の通った生き方。周りは大変だったろうが当人は楽しい人生だったろうなと思わせる。
今はできないだろう。しかし、こんな豪快な生き方がほんの数十年前までできていたニッポンって良い国だったんだなと思える。
推薦してくれた教授は私に何を伝えたかったのだろう?
投稿元:
レビューを見る
この生き様はカッコいい、と思うけれど、他の人に真似出来る生き方ではないだろうとも思う。囲碁では天下無敵でも、それ以外のすべてが破綻しているという極端なバランス。
たぶん、本人がみずから書いたのではなく、本人の談話をもとに他のライターが書き起こした内容だろうと思うので、その分、ちょっと迫力は落ちる感じがするのだけれど、単純に、その歴史の中に起こった出来事を見ただけでも、すさまじい波乱万丈の連続であることがわかる。
これほど浮き沈みが激しい人生はめったにないだろうけれど、面白さでいえば、これほどに充実した人生というのも、そうそうないだろうと思う。
私の車券買いのスタイルは「一本買い」と「転がし」だった。これと決めた目を一点で勝負し、当たれば浮いた分をそのまま、次のレースに注ぎ込む。勝ち負けの大きい危険な先方だが、そのリスクが私をしびれさせた。
そして、勝っていようが負けていようが、有り金全部を最終レースで勝負した。結局、すべては最終レースにかかることになる。儲かった分をキープするとか、途中でやめて勝ち分を確定させる、という発想を持つことができない。(p.48)
私にとって、酒は、必要欠くべからざる「安定剤」だった。
酒さえ飲まなければもっと大きな仕事ができたのではないか、と私の生き方を見てそう思われる方がいるとしたら、私はこう反論したい。
酒があったからこそ、あれだけの碁が打てたのです、と。(p.81)
碁には、恐ろしいほど、人物が出る。個性、生き方、碁に対する姿勢など、その人のすべてが凝縮されて盤面に表れてしまう。それが譜となって後世に残るのだから、一局一局の勝った負けたで騒いでいる場合ではない。(p.90)
教えた相手が強くなっても、私は全然平気である。それ以上に自分が強くなっていけばよい。これを切磋琢磨という。(p.98)
投稿元:
レビューを見る
藤沢先生の自叙伝。
全ての章に渡って酒。酒。酒。
酒あっての著者で、自分中心さがあっても許せるような印象を受けてしまうくらいに魅力があるんだなと想像する。
誰よりもすごいのが奥さんとこども。
奥さんとこども視点で著者について語った本がもしあるのであればそれを読んでから、改めて読んでみたい。
投稿元:
レビューを見る
無頼というのは藤沢秀行みたいな人のことだと思っていた。
が、具体的にどういう人なのか知らなかったので、今更ながら著作を読んでみる。
想像どおり、面白い。過去の時代の人物として、とても面白い人だ。「昔は良かった」というのは、こういうことだろう。否定はしない。全体的には今のほうがいい時代であることは譲らないけれども。
勝負の世界に生きた昭和の無頼派とは、こうなのだ。満足。