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紙の本
環境問題のウソ (ちくまプリマー新書)
著者 池田 清彦 (著)
地球温暖化、ダイオキシン、外来種…。マスコミが大騒ぎする環境問題を冷静にさぐってみると、ウソやデタラメが隠れている。科学的見地からその構造を暴き、「正論」を斬る。京都議定...
環境問題のウソ (ちくまプリマー新書)
環境問題のウソ
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「いま」を考える中学生からのプリマー新書 (ちくまプリマー新書) 15巻セット
- 税込価格:12,914円(117pt)
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商品説明
地球温暖化、ダイオキシン、外来種…。マスコミが大騒ぎする環境問題を冷静にさぐってみると、ウソやデタラメが隠れている。科学的見地からその構造を暴き、「正論」を斬る。京都議定書を守るニッポンはバカである!【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
池田 清彦
- 略歴
- 〈池田清彦〉1947年東京生まれ。東京都立大学大学院生物学専攻博士課程修了。早稲田大学国際教養学部教授。構造主義生物学の地平から多分野にわたって評論活動を行う。著書に「分類という思想」など。
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紙の本
見えない恐怖に脅える前に
2006/03/22 22:36
9人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Skywriter - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある人々はいう。人類の排出した二酸化炭素によって地球の温暖化が進んでいる。早急に対処しなければ海面が上がり、都市が水没してしまう。またある人々はいう。ダイオキシンは史上最強の毒である。これがゴミ焼却炉から大量に出ているのは問題だ。ダイオキシンが出ないようにしろ。こんなことも言われる。ブラックバスは日本の生態系を破壊する害魚だ。全力を持って駆除すべし。これらの問題は究極のところ自然保護につながる。自然は守るべきだから一生懸命協力しよう。
だが、ちょっとまった。その前提と論理は正しいのか?温暖化もダイオキシンも見えない恐怖である。見えないなら、ますます論理には気をつけなければならない。
今は地球温暖化が問題にされるが、ほんの数十年前までは地球は寒冷化している、というのが通説だった。だれもが迫り来る氷河期を心配していた。現在の状況とは正反対だ。なぜこんなことになるのか。それは、現在の科学ですら気象はあまりにも複雑すぎて扱うのが困難だから、だ。二酸化炭素が増えると温室効果でガンガン温度が上がって地球の大ピンチだ!というあまりに単純なモデルは、成り立たない可能性が極めて高い。二酸化炭素の温室効果がどの程度ありうるのか。ヒートアイランド現象で都市部の気温が上がっているのは間違いがないとしても、それは直ちに地球全体の温暖化につながっているのか。このあたりは冷静に判断されなければならない。
もちろん、これまでの研究で10万年以上の気象変動を追うと、二酸化炭素濃度と温度が連動しているのは事実である。しかし、現時点では「二酸化炭素が増えたから温暖化した」のか「温暖化したから二酸化炭素が増えた」のかははっきりしていない。
そして、地球の気候にもっと影響を与えるものがある。熱の補給源である太陽だ。太陽活動と気候の変動ははっきり関連付けられている。今がたまたま太陽の活動期だから何箇所かの平均気温が上がった、という可能性が高いのだ。
ダイオキシンにしても、騒がれすぎな問題である。通常の食品に含まれるダイオキシンだけで致死量を摂取しようとすると、途中で胃が破裂してしまうだろう。なにしろ、あの”所沢の高濃度ダイオキシンほうれん草”ですら、100トンほど食べないとダメなのだから。
そういった、恐怖を感じる前に持っておくべき基本的な知識を簡潔にまとめてあるのがすばらしい。そしてまた、環境問題を語る上で避けて通れない話しもしっかりされている。すなわち、カネの話だ。
たとえば、二酸化炭素を技術的に減らそうと思えば可能である。しかし、それには膨大な投資が必要だ。では、その投資をしただけの見返りがあるだろうか。そこをもっと考える必要がある。環境は可能な限り乱さないのが一番なのは論を待たない。しかし、カネは無尽蔵にあるわけではない以上、十分な安全性を保てるレベルで妥協点を見つけなければならないのだ。
そんな冷静な視点を与えてくれる好著である。ちょっと挑発しすぎているように見えるところもあるが、そこは挑発されたと思ってさらに問題を深く突き詰めて考えるきっかけにしたらいいと思う。そうすれば、環境問題についてさらに広く深い知識が得られるのではなかろうか。
紙の本
税金で行う環境保護は失敗する
2006/03/08 20:59
12人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者は、生物学者で山梨大学教育人間科学部教授である。養老孟司、奥本大三郎と『三人寄れば虫の知恵』を出すなど昆虫大好き学者である。
この本では、
地球温暖化
ダイオキシン
外来種問題
自然保護のウソ
の4つの問題が俎上に上げられている。
第1章では、竹内薫の『99.9%は仮説』ではないが、地球温暖化の原因が二酸化炭素の人為的放出による温室効果の結果だというのは、かなり怪しい仮説であることが分かる。著者が言うように京都議定書のために莫大な予算が使われていることは、無駄だと思う。しかし、「どう考えても地球温暖化なんて大した問題じゃない。」(p.51)と著者は結論づけているが、私は地球の気温変化の原因究明は引き続き進められるべきだと思う。
次のダイオキシン問題は、理系の知識に疎い日本のマスコミ人や政治家の愚かさがよく分かる事例だ。
「我々はだれでも一回呼吸するたびにダイオキシン分子を一億個ほど吸い込んでいる」この一億個にどう反応するかで騙されやすい人かどうか分かる。呼吸を止めたくなるような人はやばい。「が、一億個という数字に驚いてはいけない。分子一億個なんてほとんどゼロに等しいのだ。」(p.59)と続くのである。それに、大規模な高級焼却炉のほうが一度事故が起こると、大きな被害をもたらすことは明らか。だから、槌田敦が『環境保護運動はどこが間違っているのか?』で書いていたように、燃やすよりも海や山に棄てるべきだと思う。
3番目の外来種についての議論は、さすが生物学者、いちばん力が入っている。「環境をムチャクチャに破壊した責任を隠蔽するために、外来種に責任を押しつけ、さらに外来種の駆除費用として多額の税金をかすめ取るのは二重の詐欺である。」(p.115)その通りである。私は諫早湾干拓と長良川河口堰は、20世紀最大の愚行だったと思っている。
最後の章では、これらの事象にあらわれてくる原理主義を猛烈に摘発している。里山を守るべきか、里山が消えていくのも自然な流れだと考えるかは、意見が分かれるだろうが、税金で行う環境保護は失敗することは明らかだ。
もっと問題なのは「省庁の決定は無謬なのだという。省庁が無謬というのは誤りを認めない」(p.134)ことである。日本の官僚は優秀だと思うが、誤りを認めない、つまり責任を取らない心性がはびこっているので、取り返しのつかないほどの失策を犯してしまう。「ゆとり教育」しかり「先の大戦」しかりである。
誤りを認めて補償に税金が投入されるほうが、誤りを認めず利権者のために税金を垂れ流され続けるよりましだと考える納税者は私だけだろうか。
紙の本
税金の使い方の正当性という論点
2011/07/11 22:58
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Genpyon - この投稿者のレビュー一覧を見る
本著は、地球温暖化・ダイオキシン・外来種駆除・生態系保護の4つの環境問題を例にあげ、それらの問題に科学的に迫っていく体裁をとりながら、実は、税金の使い方の正当性を問う政治的な著作となっている。
それぞれの環境問題について、科学的には、賛成反対の立場に立つ科学者の間で多くの議論があり、著者の科学的議論には問題が多いとする見解もあるようだが、著者が提示する税金の使い方の正当性という論点は、著者の科学的立場もそれに基づく議論をも超えて成立している。
著者の見解は、税金の投入はコストパフォーマンスを考えて、という至極もっともなものだ。
しかし、残念ながら、例えば、温暖化にCO2がどの程度関与し、温暖化によってどの程度の影響がでるかについての科学的議論とは無関係に、いったんCO2削減に税金が投入されれば、CO2削減は自己目的化され、コストパフォーマンスを無視して税金が投入されていくのが現実だろう。
そのような現実があるかぎり、著者の提示する論点は、意味を持ち続けると思う。
紙の本
問題の指摘はするどいが建設性に欠けている
2007/10/29 23:26
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
環境問題に関する議論にはウソがおおいという.同様の趣旨の本として 武田 邦彦 の「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」 (1, 2) がある.本書では地球温暖化問題,ダイオキシン問題,外来種問題,自然保護の 4 点がとりあげられていて,そのうち最初の 2 つは前記書とかさなっている.ウソをあばいて読者がだまされないようにするのはたしかに重要なことだが,本書では現在主流の論点がくずされたあと,かわりにどうしたらよいのかがほとんどわからない.最初の 2 つの問題に関しては前記書のほうがもうすこし建設的な議論をしているようにおもう.
紙の本
読む価値は全くない
2006/02/26 18:55
23人中、21人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:HTV5D2A2006 - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年まれに見るバカ本である。読む価値は全くない。筆者は環境問題や生物多様性を正しく理解しているとはいえない。科学的見地に基づいてウソを暴いているかのように書いてあるが、データがもっともらしく示されているだけなのであって、正しく理解して解説しているわけではない。批判や反対も大いに結構だが、その根拠となる証拠を示すべきである。このような本を読んで生態系や環境問題を理解した気になるのは非常に危険である。このような本を平気に出版する出版社にも大いなる責任がある。
電子書籍
うーん
2022/04/22 00:33
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者の言いたいことわかりますけど、ちょっと……極端では、無いでしょうか?少なくとも自分には、理論的には飛躍しすぎているように感じました。というのは、環境破壊が現に、行われているのは、事実なんだし……。