- 販売開始日: 2019/12/02
- 出版社: 徳間書店
- レーベル: TOKUMA NOVELS(トクマノベルズ)
- ISBN:978-4-19-850711-4
忌品<新装版>
著者 太田忠司
「道具」に秘められた魔の力と、それに引き寄せられてしまったひとびとを描くホラー短編集。★眼鏡 亡父の仕事場で見つけた円縁眼鏡をかけると、白紙の本に奇妙な活字が現れた。そ...
忌品<新装版>
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
「道具」に秘められた魔の力と、
それに引き寄せられてしまったひとびとを描くホラー短編集。
★眼鏡 亡父の仕事場で見つけた円縁眼鏡をかけると、白紙の本に奇妙な活字が現れた。
それは自分に向けてかかれたもののようだった。
★口紅 なぜ愛されるのが自分ではないのか?
暗くつめたい部屋でひとり飲むワインが、看護婦・峰子の思いをゆがめ、煽り立てた…
★靴 今春、小学校へ入学予定だった娘を事故で亡くした蒲生。
彼の押入れから、娘のために買っておいた小さなスニーカーが出てきた…
★ホームページ 高校時代の女友達について不思議なことがあるのでリンクを見てほしい。松浦に奇妙なメールが届いた。
彼女は昨年事故死していた…
★携帯電話 駅のホームで飛び降り自殺を目撃してしまった。
全身の震えが止まらなかった。そして手許には死んだ男が残した携帯電話があった…
★スケッチブック 体に十字の傷を切り刻む幼児連続殺人事件の犯人は、十二歳の少女だった。
作家・狭川の脳裡には三十年前のある事件が甦っていた…
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
こういっちゃあなんですが、魅力的ではない著者名、っていうのがあるんですね。筆名って、そういう意味ではかなり損得があると思いますよ。でね、太田のホラー、面白いんですけどね、何となく・・・
2006/12/01 21:13
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
前にも書きましたが、私にとって太田忠司は深谷忠記と同一人物なんですね。共通なのは「忠」っていう一文字の位置だけなんですが、ともかくカブる。だから、なんとなく読まない。太田作品については以前、一冊だけ読みましたが、深谷のミステリなど背表紙を見ることはあっても、手にしたことすらありません。
で、太田についていえば、読んだ作品は十二分に面白かったんですが、その後、一冊も読まずに来てしまいました。正直、私に言わせれば全く失礼な話なんですが、名前が野暮なんですね。特に、太田。平凡。それなら、この本のカバーデザインをやっている松 昭教のほうが、グーンと魅力的。ま、これってイメージだけの話なんですよ。深谷についてだって・・・ねえ。
で、カバーの靴の絵、でいいんでしょうか、これって松 昭教の作品なんでしょうか。それとも私の見落としでしょうか。結構、いい味、出してます。全体にかかったグレーが、いかにもホラーだぞ〜って。早速、カバーから
「医者から老眼適齢期だと言われた。治療法はただひとつ、眼鏡をつくることだという。そんな折り、訪れた両親の家で、亡父が使っていた眼鏡を見つけた。幼い頃は入室厳禁だった書斎の机に置かれていたのだ。掛けてみると、書棚にぎっしり埋め尽くされた本の表紙がくっきりと読みとれる。その中に異彩を放つ一冊の黒革表紙の本があった。ある予感に駆られ、それを開いた。どのページも白紙だ。しかし三分に一ほどめくったとき、それは現れた・・・・・・(「眼鏡」より)。“遺品”に宿る魔の力を題材にしたホラー小説全八篇。」
だそうです。各話を内容も含めて簡単に紹介しましょう
眼鏡 :カバーの案内通りの内容
口紅 :看護婦の峰子が嫉妬するほどに美しい山形寿美子・恒之夫妻。いつか恒之を奪ってやる、と心に決めた峰子は
靴 :蒲生政二が押入れのバッグの底に見つけたのは、今年の春、小学校に入学予定の桃子のために買ったものだった
ホームページ :松浦光弘のもとに届いたメール、その指示に従って覗いたホームページは、去年亡くなった沖田萌子が開設したものだった
携帯電話 :面接帰りの富谷大輔がホームで目を合わせた男は、どこか不吉な気配を漂わせていた。虚ろな
スケッチブック:狭川充樹に取材を申し込んだ記者が聞きたかったのは、連続殺人犯である少女のことと・・・
万華鏡 :画家としてデビューする19歳の藤崎華子の後ろ盾となるのは日本画壇に衝撃を与えた伯父武彦
手紙 :死を迎えようとしている作家がしたためた七通の手紙、それは・・・
データ的に書けば順番に6話までは「問題小説」が初出、「万華鏡」はアンソロジーに『十二宮12幻想』として発表され、「手紙」は書き下ろしです。個人的には「手紙」はピンときませんでしたが、あとはどれを取っても面白いです。でも、血筋というものが共通な「眼鏡」「万華鏡」が好きです。あとは、話の運びに一つのパターンがあって、先が見えるところが惜しいかな。
十分に楽しめるんですが、森奈津子『シロツメクサ、アカツメクサ』を読んでしまうと、同じホラーでも森作品のほうが、エロスという根源的なものを底流に持つ分、オリジナリティにとみ、変化球の多さでも上かな、なんて思います。特に、家族の問題を扱うと、森の技が光るんですね。読み比べてみてください。
8つの宿る恐怖
2020/07/08 08:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
スニーカーから携帯電話まで、さまざまな因縁が明かされていきます。生きた人間でもなく漂う死者でもなく、物言わぬ遺品こそが何よりも恐ろしいのかもしれません。