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評価内訳
2013/12/29 22:17
投稿元:
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本書で主張されるポイントは2つ。 1.金日成は金正日に殺された。 2.1990年代の「苦難の行軍」の時期に300万人も死んだとされる餓死者は、「敵対階層殲滅のための意図的な政策の結果」であるということ。 1について、非常にセンセーショナルな内容であるように見えるが、これについては似たような主張が他の書籍でもみられる。金正日は権力を継承する過程で、金日成の影響力を徹底的に排除していき、金日成死亡の少し前にはすでに金日成は「象徴」としての意味しかなかったという。その過程で、父子の間に葛藤が生まれ、間接的ではあれ(なぜならば、真実を知る人間は北朝鮮にもほとんどいないだろうから)金正日が金日成を殺した・・・といえる状況はあるにはあるらしい。 2について簡単に説明すると、金正日はルーマニアの独裁者チャウシェスクが民衆蜂起によって処刑されたのを見て恐怖し、敵対階層といわれる人々を恐れて敢えて餓死させた・・・というもの。 この点について著者がアメリカや韓国に赴いてその証拠となる研究や証言を精力的に集めた「手記」が同書である、といえる。 ただ、北朝鮮人民を無垢で疑うことの知らない人々であると位置づけているせいか、共感できない点も多々ある。 興味深いのは著者の経歴である。「赤旗」の記者を務め、平壌特派員として平壌で暮らした経験をもっており、非常に「左派」としての色が強いが、北朝鮮に対して非常に批判的である。韓国でもそうだが、共産主義を一度は夢みた人々は、その理想からあまりにもかけ離れた北朝鮮に対して辛辣になるようだ。
2013/05/01 13:02
90年代の北朝鮮について知りたくて読書。 平壌に駐在し、スパイ疑惑をかけられ国外追放された経験を持つ著者。 いろいろな統計を用いた北朝鮮想像物語という印象。 金日成主席は、金正日総書記に暗殺された。 300万人とされる飢餓は人為的にに作れた。飢餓に陥るほど食料は不足していないから。 80年代後半の東欧諸国の崩壊が、金親子に痛烈な衝撃とその後の政治に与えたことは事実だと思う。 個人的にはもっと著者の平壌時代のエピソードを期待していたのであるが、あまり紹介されていない。 最後の金慶喜の愛人とされる人物のエピソードは面白い。 「天皇制政府」なる実に奇妙な言葉を登場させるのは、元赤旗の記者だからか。 読書時間:約55分 本書は知人からいただいています。有り難うございます。
2014/02/06 23:11
これはすごい。 本当なのか本当じゃないのか。 確かに、ニュースの裏を考えればつながる部分もあり。 作者は三男の第一書記就任をどう思うか。
2014/06/11 13:46
金日成は後継者の日正によって暗殺されたという内容には驚かされる。脱北者の証言や証拠をもとに著者は確証を得る。何があっても不思議ではない国が北朝鮮なのだ。そんな国と国交を結ぶべきではない。人権問題はあるのだが、援助の手を差し伸べることで現政権を延命させてはいけないという理屈も納得がいく。
2017/01/12 13:03
本書で書かれている記述は、その信憑性はともかく、内容は面白い。一言で言えば、まるで中世の宮廷絵巻のような状況が、金日成と金正日との間で存在したというものだ。真相は、北が開放され、秘密文書が暴露でもされない限り、闇の中だろうが、さもありなんと思わせる筆力である。北朝鮮に関する数少ない情報を考えると、一読の価値はあるだろう。
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