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紙の本
どぜうの丸かじり (文春文庫)
著者 東海林 さだお (著)
丑の日のうなぎに対抗して、どじょう丼を支援するべく浅草の老舗にのりこんだショージ君が見たメニューには…。他に、おじさんの歯にニラがはさまってニラプラになる「ニラの怨念」、...
どぜうの丸かじり (文春文庫)
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商品説明
丑の日のうなぎに対抗して、どじょう丼を支援するべく浅草の老舗にのりこんだショージ君が見たメニューには…。他に、おじさんの歯にニラがはさまってニラプラになる「ニラの怨念」、空港の税関申告より難しいコーヒーの注文にトライする「おじさん“スタバデビュー”す」など読み出したら止まらない35篇。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
「丸かじり」挿絵三点セット
2009/11/22 07:58
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
世の中に三点セットというのはよくある。
着物、帯、ぞうり、の和装三点セット。
実印、銀行印、認印、ハンコ三点セット。
ハンバーガー、フライドポテト、コーラ、のマック三点セット。
森昌子、桜田淳子、山口百恵、の「スター誕生!」三点セット。
三という数字が座りがいいのでしょうね。
そういえば、昔は三人ひと組のお笑いコンビもたくさんあった。
レッツゴー三匹、かしまし娘、漫画トリオ。
かなり古いな。
東海林さだおさんの食べ物エッセイ「丸かじり」シリーズの三点セットといえば、エッセイのなかの挿 絵。文章はいうまでもなく、この挿絵の魅力を語らずして「丸かじり」を語るなと、街のおそば屋さんも 言っているくらいです。
もちろん東海林さだおさんの本業は「漫画家」ですから、挿絵が面白いのは当然といえば当然。
それにしてはエッセイがうますぎる。
もしかして、エッセイは裏稼業かと疑われて、さらに人にいえない闇の稼業もしてるんじゃないのと、 ちょっと署まで来てもらおうかということになっているかもしれない。
そして、このときの署というのは税務署にちがいない。
話がよけいなところに進みそうな雰囲気だから、挿絵の話にもどします。
もし、「丸かじり」の挿絵が手塚治虫さんだったらどうなのかということを想像してみてください。
きっと、アトムなんかがエネルギーの注入しているところなんか描かれていて、「今回のエネルギーは和風煮干風味でこれはかなりいけます」みたいなことが書かれているような気がする。
ちょっとおいしくない。
もし、藤子・F・不二雄さんなら、ドラえもんがドラ焼きなんか食べている挿絵でしょうね。
「ドラ焼きをソティーにしてみました」とか「ドラ焼きのハンバーガーを食べに行ってきました」なんてことになるような気がする。
これはいけるかも。
もし、赤塚不二夫さんだったら、どうなるか。
これはもちろんチビ太がおでんの「丸かじり」をしているにちがいない。
これもいける。
なーんだ、誰だっていいんじゃないか。(しまった、流れがおかしい。東海林先生、早く税務署からもどって)
東海林さんの「丸かじり」挿絵三点セットの魅力は、キャラクターに依存しない魅力なのであります。
では、なんだと怒られそうだから、すぐにいいますね。
一般大衆、市民、どこにでもいるおじさんおばさんおにいちゃんおねえさん。
「丸かじり」エッセイがどこにでもある食べ物をものの見事に描くように、その挿絵でもものの見事に普通の人が描かれているのであります。
挿絵をみただけで、いるいる、と笑えるでしょ。
挿絵をみただけで、あるある、と納得いくでしょ。
挿絵をみただけで、そうそう、とうなづくでしょ。
これを「丸かじりにおける挿絵三点セットの人格形成三点セット」といいます。
ちょうどハンバーグ定食における、にんじん、ポテト、ブロッコリーの添え物みたいです。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でご覧いただけます。