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商品説明
19歳で途中失明して夢を失った凛子。向日葵のようだった母の死に続き、寡黙だけど優しい漫画家の父までいきなり「消えて」しまった。残ったのは、自分のことに精一杯で気配りの足りない兄・真司だけ。その日から「世界中の誰よりも気が合わない二人」だけの生活が始まった!一番近くにいても誰より遠い二人の未来に待っているのは…。家族の愛がぎっしり詰まったハートフルな長編小説。【「BOOK」データベースの商品解説】
19歳で途中失明して夢を失った「可愛く」ない凛子と、自分勝手で「文句ばっかり」の真司。一番近くにいても誰より遠い兄妹の未来に待っているのは…。家族の愛がぎっしり詰まったハートフルな長編小説。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
桂 望実
- 略歴
- 〈桂望実〉1965年東京都生まれ。大妻女子大学卒業。会社員、フリーライターを経て、2003年「死日記」でエクスナレッジ社「作家への道!」優秀賞を受賞しデビュー。他の著書に「県庁の星」など。
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紙の本
ガサツな兄と潔癖症の妹の物語
2007/09/04 16:10
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
19歳で視覚障害者となった妹凛子。
病的なまでの潔癖症が幸して
一人で出歩けるように白杖の訓練を受け始めます。
半年前、看護婦で一家の稼ぎ頭だった母が
交通事故で亡くなり、汚くなっていく家のなかに
我慢がならなくなったからです。
2歳上の兄真司はサラリーマン。
デベロッパーに入社早々、ハウスウェディング会社に出向。
ウェディングプランナーとして営業の日々。
もてないわけではないのですが、すぐにフラれます。
大雑把でいい加減な性格。
ところが、ソリのあわない兄妹を残して、漫画家の父親が失踪。
ふだんから無口で何を考えているかわからない人でしたが
凛子は父親の漫画の原案者として
中途失明の女の子を主人公に自分の体験を重ね、成功。
生まれて初めて連載が11ヶ月続き、
順風に思えるかのような時でした。
失明した娘を置いて失踪してしまうのが
不可解なのですが、兄妹の物語は
それぞれが必要不可欠な存在として認め合い
それぞれの人生を歩いていく姿を描きます。
また出版社の編集者西尾の存在が秀逸。
父親失踪後、頼れる人であった彼が別の面をさらけ出し
ただの兄妹の物語だけじゃない小説になっています。
真司の彼女として登場するふたりの彼女も
それぞれ味わいがあります。
小粒ながら、しっかりと描き出される人間の心に
ちょっぴり笑って、ちょっぴり泣けました。