紙の本
ノンフィクション?いや、根拠も統計も無いのだからこれは小説だ。だが小説だとしたら詰まらなすぎる。
2009/04/25 16:45
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Skywriter - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近、若者の犯罪が増加している。凶悪化している。そんなデマが流されることもあるが、実際に増加の一途を辿っているのは老人犯罪である。むしろ少年犯罪は減少しているのだが、体感治安とかいう、つまるところはマスコミの流すイメージが悪化しているに過ぎない。
そんななか、老人の犯罪を正面から取り上げたノンフィクションということで期待して手に取った。が、どうにも違和感を感じてならなかった。それは、暴走する老人の背後になにがあるのか、という肝心の点について、根拠が全然示されていないためである。その謎は後書きによって氷解した。そして呆然とした。というか、憤激した。
曰く、「現代老人の暴走にふれた本はなく、適切な分析も見あたらないなか、そこに発生した事件や出来事に想像力でわが身をおきなおし、思考する。それが小説化としての私の方法でした。」
それではノンフィクションじゃなくて小説だよ。もし著者がまともな小説家で、その立場から問題のありかを探るなら、そういう小説を書けば良い。社会問題を見事に小説に纏めてきた先達はいるし、それらが小説として面白くない訳ではない。宮部みゆきの『火車』をとって考えてみれば分ることである。
後書きから分るとおり、根拠なし、統計なしの著者の想像が延々と書かれているため説得力が無い。とにかく残念な本である。
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???な作品
2012/07/09 12:35
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投稿者:ハム2012 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ルポでもなくノンフィクションでもなく、単なるエッセイの枠を超えていない。
なぜならば、取材不足、机上での私的考察に留まり何の説得力も持ち合わせていない。
従って、何も得られるものがなかった。
自分にとっては本棚には残さない本。
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小説家の書いた本だけれど、社会学者たちも無視できないものだと思います。1年後、最も論文に引用されることの多い本になることでしょう。
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最近キレる老人が多いという。突然に大声で怒鳴り不満を撒き散らす。コンビニで長時間の立ち読みを注意された老人はチェーンソーを持ち出しエンジン音を威嚇に使いながらまた雑誌を読みふけったという・・。わからん。ゆがんた自己顕示欲が理解不能の行動を誘発する。時代や社会の速すぎる速度についていけない老人たち。経験則が無効な社会。現代社会の病巣を描いて興味深い。
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想像してた内容とちょっと違った。
「そりゃ無茶やなぁ」というような事例が面白おかしく書いてあるのかなぁって思ってましたが、「(新)老人」が何故切れるのかきちんと解説してある本でした。
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役所行ったらたまたま暴走してたご老体がいたので本屋で勢い余って表紙買い。
文章はとても読み易いのであっさり読めたけれど、過去の事例を色々と繰り返すのが多くて「どうしたらいいのか」っていう解決の糸口のところがいまいちだったような気がする。
言ってることは分かるんだけど。
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この本は、タイトルと装丁で選んではいけない見本のようなものである。いたる所ですぐキレル老人の羅列などでは決してない。キレル老人を見るにつけ、どうしてそうなってしまったのか、変貌する社会、とりわけコミュニケーション作法の違いという点で捉えている。ただ著者がいうような閉塞感のなかで、新老人に隠れていた暴力性が露出するというのであれば、暴走するのは老人だけではないはずだ。ケータイやネットに関われないのは年齢の問題ではなく、それを使える所得があるかどうかでもある。なのでその論でいけば、格差社会に泣くニートも暴走しやすいし、実際凶悪犯罪を犯す人は年齢に関わらず無職が多い。なので暴走老人という言葉で括るのは如何なものかとも思う。
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最近増えている、突然「キレる」老人についての考察本。
老人に限らずキレる人が本当に多くて怖い世の中だ。
サービス業の過剰な丁寧ぶりが消費者をつけ上がらせ、
それに慣れてしまった私たちが、ある一定以下のレベルの
対応をされると、ものすごくバカにされたような、
ひどい扱いを受けたような気がしてしまう傾向があると
私も常々思っていた。
他人にどう思われようと構わない人も増えている。
日本の未来は暗い。
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暴走してるのは子供達やモンスターペアレンツだけじゃない
確かにコワイ老人もいらっしゃいますね。
老人と接することも多いのですが、
歳の取り方が顔に顕れるなあ・・・ってつくづく感じます。
人生が顔に出る・・・というか・・
謙虚に・・そして感謝して生きて
カワイイおばあちゃんになりたいと思わされます。
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走老人を実際に見たことはない。でも、最近のニュースで、いい年(私と同じか年長)をした人が殺人、暴行事件をおこしたり、騒音を立てたり、万引きしたりしているのは、気になる。若者の凶悪犯罪は減少しているのに対し、2005年に刑法犯で検挙された者のうち65歳以上の人の数は16年前の1989年の5倍に上るという。
著者は、時間、空間、感情面から考察している。時間でいえば、ケータイやインターネットの普及で時間の感覚が変容し、「待つ」ことが「待たされる」に変わり、待つ楽しみは待たされるいらだたしさに変わる。空間的には、個のテリトリー意識がどんどん変化し、それについていけない人はトラブルの火種となる。感情面では、マニュアル化されたコンビニやスターバックスでの応対とそれに対するふるまいなどに見られる「透明なルール」などの問題がある。加速する社会の変化によって、それにふさわしいメンタリティを身につけられない、受け付けられない、不適応性を秘めた人が増えたのが問題だという。今は500年の変化が50年でおしよせているというのだから、ついていけないのは無理もない。
約半世紀前に国連が「高齢者は65歳以上」というように定義したそうだが、寿命が延びて、元気で若々しい高齢者も大勢いる今、60歳代の人は自分を老人と思っているだろうか。広辞苑によれば、中年は40歳前後を指すというが、知人で60歳すぎの人たちのパソコンクラブは中年パソコンクラブと称していた。そのようなまだ自分を老人とよびたくない人が、時代に取り残されたと感じると、もう老人だからとあきらめられず暴走してしまうのだろうか。あと著者が指摘するように一人住まいが増えたことも大きいのだろう。緩衝材、防波堤となる家族はなく、社会での軋轢は自分一人でかぶらなければならない。
「情報化社会という「社会風景」の地下では、人々の内面=感情、情動のあり方が地鳴りを響かせながら揺れ動いている」というのには、はっとした。著者は「老人批判を展開したかったわけではありません。暴走の現実を追いかけていくことで、現在進行している人と人のかかわり方の根底的な変化を見たかったのです」というが、こう考えると老人だけの問題とは思えない。そのせいで、読み始めてすぐに夢中になって読み進めてしまったのかもしれない。
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タイトルで期待してしまったが、時代考から筆者の推測に過ぎず、なんだかスッキリしない。
具体例の羅列にするか、事例の老人や周辺の人に直接インタビューするか、
どっちにしろもっと突っ込んだ読み物ならよかったと思う。
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病院でのトラブルの多くは待つことから生まれる。待つことの耐性にかける大人の増加を意味しているのではないか。 なにか楽しいことが現れる瞬間をまつことは、その瞬間の喜びと同じほどの幸福感、快楽を人々に与える。言葉を帰れば待つことを失ったとき、人は生きる力を失うのではないかと私は思う。待つことが何もない人生は、間違いなく不幸である。 ケータイという道具は新しいコミュニケーションのありかたを社会にもたらした。それと同時に、私たちから待つことを奪い取った。 人は老人になるほど待つことに耐えられなくなるのではないか。 問題を抱えた人は、自分一人で作り上げてしまった物語りに囚われて、身動きができなくなってきている。 暴走する老人とは心情式に順応できず、うまく乗り切れないために、情動を爆発させるしか無い、システム化社会の鬼っ子とでもいえるのではないか。
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突然「キレる」困った老人が増えている。でも結局いまの社会が悪いんだよ、という本。
*ここ数年、高齢者の犯罪が急増している。
*医者・看護師にキレて噛みつく(文字通りガブっと!)老人。
→医療関係者で暴力にあった人はなんと55%!!
*「待つ」ことができないで、キレる老人。
*コンビニで3時間立ち読みして、注意されたので「キレ」てチェーンソーを振り回した年寄り。
*ゴミ屋敷老人
結局
*今の社会は移り変わりが激しいので、老人はついていけない・置いて行かれる恐怖があるから。
*「現代」の「買い物」の仕方は、「昔ながら」の「会話のある」商店街から、「会話のない」「スーパー・コンビニ」を利用するようになったために孤独を感じるのだとか。
*「お客様は神様」→この「現代特有」の考え方が医療の現場にも蔓延している。
少々乱暴にまとめちゃったけど、「何故暴走老人が増えたのか」今の社会が悪い!敏感な老人がそれに反応しているのだ…というまとめ方で、かなり主観的。
著者自身も、スタバなどのチェーン店カフェや携帯音楽プレーヤー、携帯電話・今の学校教育などを非難していて、ステレオタイプなものの見方だなー、と思わずにはいられなかった。
和田秀樹の「困った老人と上手に付き合う方法」(宝島社)を読んだほうが、若者・老人双方にとって良いと思われる。
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好きなブログ人がほめていたので読んでみたけど、ぜんぜん説得力のない体験談と個人的感想だけで、なんにも得るとこなしじゃったわい。
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社会に適応できるか、できないかを意識しているのはまだ良いとして、変化を変化として認識できず、昨日のように今日を生きようとすることは、時代につまずくことになる。それが今を生きる高齢者の困難さではないだろうか。