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紙の本
十三の冥府 上 (文春文庫 浅見光彦シリーズ)
著者 内田 康夫 (著)
『都賀留三郡史』なる書物の真偽を確かめるため、青森に赴いた光彦。三郡史を発見した八荒神社=アラハバキ神社の宮司は、史実であると譲らない。一方、偽書だとする人々の死—大学教...
十三の冥府 上 (文春文庫 浅見光彦シリーズ)
十三の冥府(上)
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商品説明
『都賀留三郡史』なる書物の真偽を確かめるため、青森に赴いた光彦。三郡史を発見した八荒神社=アラハバキ神社の宮司は、史実であると譲らない。一方、偽書だとする人々の死—大学教授がその学会発表の直前に病死、神社に出入りする大工の棟梁が事故死、その唯一の目撃者が刺殺—が相次ぐ。アラハバキ神の祟りなのか。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
陸奥の古文書の真贋と殺人事件
2008/01/27 20:59
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
お馴染みの浅見光彦シリーズである。今回の舞台は青森県である。青森は以前にも恐山が登場したことがある。今回はみちのくの歴史にかかわる古文書にライトがあてられている。
史料の詳細については歴史学を学んだ訳でもないのでよく分からない。この地方で論争になっている古文書があるのだそうだ。その古文書に関して殺人事件が起こる。これはいつものパターンである。このような歴史がらみの話題になると、浅見の存在価値も俄然生きてくる。何故なら、浅見は雑誌『旅と歴史』のライターとして活躍しているからである。藤田編集長との掛け合いももう欠かせないものになっている。
本書は上下に二分冊にされた長編である。しかし、それほどの長さを感じさせないほどの展開の良さがあった。しかし、終盤になるといつものように、発散した話題(事件)をまとめる(解決する)必要があり、途端にストーリー展開が辻褄合わせに走るのだ。どこに誤りがあるわけでもないのだが、どうも読んでいて違和感を感じるようになってきた。
津軽半島の十三湊が登場する。ここは安藤氏の拠点として平安時代には大陸との交易で賑わったところとされている。ストーリーでは関係者の住居があり、浅見もそこまで出かけたり、往時の盛況振りが嘘のような平成の寂しさがうまく表現されているように思う。
今回のストーリーには恐山のように巫女が出てきたりしないが、その代わりお遍路さんが出てきたり、神社との絡みなど、やはり不気味な雰囲気とオカルト的な神秘性が全編を支配している。
辻褄合わせを除けば、浅見シリーズとしては出来のよい作品に仕上がっていると思う。