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紙の本
賢者はベンチで思索する (文春文庫)
著者 近藤 史恵 (著)
ファミレスでバイトをしているフリーターの久里子。常連にはいつも同じ窓際の席で何時間も粘る国枝という名の老人がいた。近所で毒入りの犬の餌がまかれる事件が連続して起こり、久里...
賢者はベンチで思索する (文春文庫)
賢者はベンチで思索する
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商品説明
ファミレスでバイトをしているフリーターの久里子。常連にはいつも同じ窓際の席で何時間も粘る国枝という名の老人がいた。近所で毒入りの犬の餌がまかれる事件が連続して起こり、久里子の愛犬アンも誤ってその餌を食べてしまう。犯人は一体誰なのか?事件解決に乗り出したのは、意外なことに国枝老人だった。【「BOOK」データベースの商品解説】
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紙の本
今を生きにくいと感じているのは、決して自分だけではない。
2008/09/16 21:43
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファミレスで働くフリーターの久里子は、気になる客がいた。それは、毎日同じ席で何時間もすごす老人。彼女の愛犬が巻き込まれた事件をきっかけに、彼女は老人と親しくなっていく。
いわゆる「日常のミステリー」という部類にはいるのだろう。で、謎を解くには老人で、久里子はその助手のようになって動く、といういわば王道。
しかしながら、それだけではないひっかかりがある。
主人公の久里子は、専門学校を卒業したものの上手く就職できずファミレスでアルバイトをしている。弟は、高校で挫折し、引きこもりのような浪人生活を送っている。そして、老人も…。誰もかれもが生きにくいとあがいている。
誰も特別ではない。
ミステリーといういわば非日常の世界を描きながら、そこにあるのは、同じように悩み同じように傷ついているという人の普遍的な姿なのだ。
そして、その閉塞から脱却することを、それは久里子だけに当てはまったことなのかもしれないけれど、特別なことは何もなく、ただきちんと前を向いて地道に生きていく彼女には光を感じる。
その光には、老人の力が少なからず関与しているのだけど。
彼女は、老人と出会うことで変わり、彼女が変わったことで弟も変わっていく。世界はビリヤードの玉のように、ぶつかり合うことで変わっていく。そこに光がある。
楽しく読んだ後、漠然と「優しい世界」を希求する自分がいた。
人は誰もが違う。けれど、誰も同じように悩み苦しんでいる。そういうことを皆がそれぞれに受け止められる、そんな優しい世界。
だから、非日常(ミステリー)なのだ。
電子書籍
最後もの悲しい
2022/07/05 23:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:K - この投稿者のレビュー一覧を見る
素敵なおじいさまがなんと!
最後は本当にもの悲しかった
紙の本
知的で粋な老人がカッコいい
2019/05/21 20:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:如月 弥生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
躍動感ある笑顔のエンディングが強く印象に残ります。伏線が最高に生きてます。「久里子ちゃん、良かったね」と地下鉄の中で一人口角を上げてしまいました。
大げさな表現もなく、奇をてらった展開もない物語なのにお気に入りの小説になりました。誰かが特別に不幸になったり、痛めつけられることもないので、心穏やかに読み続けられます。だからと言って退屈ではありません。
最後まで謎に包まれたままの老人がキーパーソンです。普段はボケ老人のような素振りをしていますが、実は世の中をよく観察し、常識をわきまえているので、警察に追われるようなことをしていても平然と生活しています。冷静沈着な老人、妙にかっこいいです。
主人公の女性はいたって普通。特別な能力や野心など、カケラほども持っていません。思う通りの就職ができず、アルバイト生活を続けることに不安を感じる毎日。美人というわけでもなさそうです。ちょっと冴えないです。
そんな老人と二十歳そこそこの女性が、日常生活の中で遭遇する謎を解いていきます。少しばかり刑事さんも登場する事件もありますが脇役です。
とにかく、予感にときめき、駆け出すシーンのエンディングが大好きです。とても可愛い飛びっきり笑顔の久里子ちゃんが想像できて幸せです。
電子書籍
派手じゃないけど面白い!
2015/08/28 21:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Matthew - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は今どきのフリーター女子。引きこもりの弟がいたりありきたりな設定ながら、よく練られたミステリーにはまります!ありそうな設定だからこそ、自分の周りでも起きそうな説得力のあるミステリーだと思います!
紙の本
近藤史恵の「日常の謎」
2016/11/23 12:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nazu - この投稿者のレビュー一覧を見る
この著者の作品はデビュー作に始まり、今泉のシリーズやサクリファイスシリーズなど読みましたが、そこはかとなく影を感じました。これは希望のあるラストで、雰囲気が違いますね。