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紙の本
サンゴとサンゴ礁のはなし 南の海のふしぎな生態系 (中公新書)
著者 本川 達雄 (著)
多様性と共生がキー・ワードであったサンゴ礁が、危機に瀕している。地球温暖化で海水温が上昇し、共生を保てなくなったサンゴが死滅しつつあるのだ。生物たちの絶妙な関係を紹介し、...
サンゴとサンゴ礁のはなし 南の海のふしぎな生態系 (中公新書)
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商品説明
多様性と共生がキー・ワードであったサンゴ礁が、危機に瀕している。地球温暖化で海水温が上昇し、共生を保てなくなったサンゴが死滅しつつあるのだ。生物たちの絶妙な関係を紹介し、海を守るサンゴ礁のこれからを考える。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
本川 達雄
- 略歴
- 〈本川達雄〉1948年仙台生まれ。東京大学理学部生物学科(動物学)卒業。東京工業大学大学院生命理工学研究科教授。理学博士。専攻は動物生理学。著書に「ゾウの時間ネズミの時間」ほか。
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紙の本
貧しい水の中で、沢山の種類が少しずつ違うものを利用している美しさ。
2008/09/08 21:42
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
サンゴ礁のカラー写真と、いろんな生き物がいる豊かさを一度見にいらっしゃい、といざなうような文章で始まるこの一冊は、たしかにサンゴ礁の紹介の本ではあるのだが、行き着いた先は文明論だった。
しかし、それは本当に最後の結論であり、ほとんどの部分は楽しくサンゴ礁をお勉強できる本である。
サンゴやサンゴ礁に関するQ&Aの形をとった前半は、「サンゴは動物なんですか」といったような素朴な質問から入っていくのだが、どうして、結構専門的な分類や発生の説明も入っている。それでも、さすが本川先生は熟練の師である。説明は読みやすく、楽しい。そして、植物との共生、動物同士の共生から、多様性の話まですんなりとサンゴ礁の不思議に引っ張り込まれてしまう。
澄んだサンゴ礁の海水は実は栄養が少ない。その中でどうして多様な生き物がいるのか、というのは不思議なようで、「これが一つの方法」なのだ。沢山の違う生き物が少しずついて、それぞれが違うものを利用することで無駄なものを減らし、少ない栄養の水の中で暮らしている。
その、いろんないき方をする、いろんな姿の生き物が混在しているということに、人間はなにか「大事なもの」を感じて「美しい」と思うのではないだろうか、というのが著者が言いたいことではないだろうか。だから「一度は美しいサンゴ礁をみにいらっしゃい」。
最後の方には「北の発想」「南の発想」という対比で、このような著者の考えが文明論のようになってまとめられている。ここで出てくる「時間もエネルギー」という考え方は、これまでも著者があちこちで書いてこられたこと。そのあたりをまとめて読みたいかたは「おまけの人生」をお勧めしたい。
おまけと言えば、歌のお好きな先生の定番、自作の歌もちゃんとついている。「サンゴのタンゴ」。学会で英訳も披露しました、という歌詞は韻にも苦労されたのではないだろうか、という力作です。