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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2009.2
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: CREST BOOKS
  • サイズ:20cm/251p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-10-590074-8

紙の本

極北で (CREST BOOKS)

著者 ジョージーナ・ハーディング (著),小竹 由美子 (訳)

1616年夏、北極海。イングランドの捕鯨船が帰国の途に着こうとしていた。トマス・ケイヴという名の寡黙な男を一人残して—。明けない夜。うなりをあげる吹雪。闇を染めるオーロラ...

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極北で (CREST BOOKS)

税込 2,090 19pt

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商品説明

1616年夏、北極海。イングランドの捕鯨船が帰国の途に着こうとしていた。トマス・ケイヴという名の寡黙な男を一人残して—。明けない夜。うなりをあげる吹雪。闇を染めるオーロラ。雪と氷に閉ざされた極限状態のなか、ケイヴは、日々のできごとを克明に記し、生きるために獣を狩り、思い出深いヴァイオリンをアザラシたちにむけて奏でる。ケイヴはなぜ、極北の地に残ったのか。底知れない哀しみを抱えた男の越冬と魂の救済を重ねあわせた、胸をゆすぶる物語。英国人女性作家が400年前の航海日誌と豊かなイマジネーションで紡ぎだした、壮大なスケールのデビュー長篇。【「BOOK」データベースの商品解説】

1616年夏、北極海。トマス・ケイヴは日々の出来事を克明に記し、生きるために獣を狩った。ケイヴはなぜ極北の地に残ったのか? 底知れない悲しみを抱えた男の越冬と魂の救済を重ね合わせた、胸をゆすぶる物語。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

ジョージーナ・ハーディング

略歴
〈ジョージーナ・ハーディング〉1955年英国生まれ。ロンドンの出版界で働き、80年に来日。翌年まで東京で編集の仕事に従事し、以後アジア各地、ヨーロッパ大陸を旅してまわる。作家。

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評価内訳

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紙の本

極北の体験に寄り添って想いを巡らす思索的小説

2012/08/24 16:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る

題だけでもうやられてしまった。
原書の題は「トマス・ケーブの孤独」(The Solitude of Thomas Cave)というもので、
それはそれである種の魅力をもつとしてもやや平凡だから、これは翻訳の勝利ということだろう。

17世紀、極北スピッツベルゲンの島で、自らの意思でただ一人越冬する男。
その内面にどんなドラマがあるのか。

場所だけではなく、時間的にも遠い設定であり、
一般受けする小説ではないかもしれない。
しかし「極北」に惹かれるのはおそらく私だけではあるまい。

これは誰しもがその心の奥底に持つものに触れる小説なのではないか。
あるいは人間という生き物が、と言い換えてもいいかもしれない。

英国の極地探検船に乗り合わせたトマス・ケイブは
ほかの隊員とのささいな論争から
極北で一年過ごせるかという賭けに乗る。
およそギャンブルなど無縁そうな物静かなケイブを駆り立てたものは何なのか。

冒頭第一部は、ケイブを慕う若い隊員トム・グッドラードの目から語られる。
つまりケイブは、仲間たちの目に映った一個の謎として提示されるわけだが、
ひとり極地に残ってからはこの方法は取れないわけで、
彼を描く三人称とその日記とが交互に繰り返され、
断片的だが過去も語られて、徐々に謎が解き明かされていく。

極限での人間を描くといえば、
限界に達した人間に露になる弱さ、醜悪さを描き出す、というのが一つだろう。
逆に、限界状況でこれを乗り越えようとする人間の姿に、
かりにそれが悲劇に終わろうと、人間の尊厳や可能性を見出し感動を生み出すような描き方もある。
だがこの小説はいずれでもないのだ。

極限で何が見えてくるのか見定めようとする男

絶望して死に場所を求めるというのとは違う。
背負っているものもあり、絶望に近いところにいるかもしれないが、
そういう自分がギリギリで何を見るのか、
自分の存在、あるいは運命を、試そうとしているような気がする。

乗り越えるべき苛酷な自然があるという意味では探検物のようでもあるのだが、
この場合、自然の猛威に耐えることはむしろ内的ドラマの隠喩というべきか。
あるいは人間の問題を、極限状況で象徴化した寓話と言おうか。

その後の展開も、ひとつの結論を明示するものではない。

一年耐え抜いて救出されたケイブはグッドラードに再会、
物語は、さらに20年の歳月を経た彼らの再会までが描かれるが、
結局ケイブが極地での絶対的な孤独の中で何を見、何を考えたのかは、
最後まで直接語られることはない。
はっきりしているのは、過酷極まりない自然の中で、
彼がただ己の内面と向き合う極限の体験をしたということだけである。

おそらくこれは、我々自身が、ケイブの意識に寄り添いながら考えるべきことなのだろう。
罪と償い、自然と人間、
人間、あるいは生命が、この宇宙の中で生きるということ、そして死ぬということ、
人間の運命について、そして孤独について。
そうした問題について、読者一人ひとりの思索を促す小説ではないかという気がする。

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紙の本

極限状況を生き抜く冒険小説と言うよりは、極北の捕鯨基地に留まって越冬を試みた男性の根が下へ下へと下りて行くにしたがい、彼の幻想と妄想が枝葉として広がっていく恐怖を丹念に描いた小説。

2009/04/23 10:13

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 1616年の夏、イングランドの捕鯨船がトマス・ケイヴという乗組員ひとりを極北に残して帰国する。雪と氷に閉ざされた極限状態のなか、獣を狩って男は生きていく。このような物語を、北の地へ赴いた船乗りたちの航海日誌を元に、英国人の女性作家がイマジネーションで紡ぎだした――という感じでカバーに内容が紹介されている。
 これを読み、ジャック・ロンドンの短篇「火を熾す」と、南極探検の途上で漂流し、隊員全員を1年8ヶ月後に連れ帰ったアーネスト・シャクルトンのノンフィクション『エンデュアランス号奇跡の生還』のような内容を期待しながら手に取った。だが、思いがげず徐々にファンタジックな要素が入り込み、どちらかというと、それを中心として結ばれていくことになった。
 スティーヴン・キング『グリーン・マイル』に書かれていた「不思議な力」を思わせる要素も入ってくる。だから、激しく厳しい冒険物語を期待して読み出すと、「ちょっと違うぞ」ということになる。

「火を熾す」でもシャクルトンの記録でも、「生か死か」が懸かる刻一刻や日々の営み一つひとつが、あまりにも苛酷な環境条件下に展開される。生体維持の限界はとうに超えたところで、人体が一個の物体、つまり遺体となってしまわないために、生物的存在、あるいは社会的存在としての自分たちが何を成し得るのかが終始課題として突き付けられる。
 そして、それに応じた行動と思考とに焦点が当てられていた。フィクションとノンフィクションという違いはあれど、「助かるために前に進む」という「動物的な動きある冒険」が共通するところであった。よって「生き残れるのか否か」に、読者の関心は集中する。
 けれども「極北で」は、食用の草を採ったり動物を仕留めたりといった動きはあっても、生活の拠点が捕鯨基地に定まっているという見かけにおいて、植物的な設定なのである。ここと決まった場所で、トマス・ケイヴは根を下ろしていく。その根が下へ下へと下りて行くにしたがって、彼の幻想と妄想が広がっていく。小説の面白さはそこにある。

 さらに言うなら、31ページから152ページまで、全体の半分近い「トマス・ケイヴの体験」という章の前後に、ある若者によるケイヴについての語りが章として設けられている点が、また面白い。
 なぜなら、ケイヴという人自身も伝説のように語られ、イングランド海岸部や捕鯨に関わる人びとの間で、まぼろしとして枝葉のように広がっていく。ケイヴが見たまぼろしとケイヴというまぼろしが枠構造でもって、二重に表されているからである。

 極地での越冬を経験したことのない妙齢の英国婦人が、北の海に赴いた男たちの航海記録と自分の想像力だけを頼りに、捕鯨基地の周囲の様子や、ひとり残されたキャンプでの生活維持、それをこなしていく精神状況を丁寧に書いた。その表現力を評価してしかるべきだ。
 しかし、厳しいことを一つ言うなら、やはり、幻視の力に依存した限界を出ていない印象も受ける。見えそうなものは十全に表現している気がするが、体の衰弱、吊るされた肉や自分の肉体が発する腐臭、生理的なものの生々しさといった面の書き込みには物足りなさも残る。
 たとえばリップクリームという便利なものがなかった当時、極地で冬を越そうという人の唇はどれほど乾燥し、ひび割れ、むごいことになっていただろうか。睡眠を妨げるような激痛があったに違いない。生身の痛みや不快は尋常でなかったはずで、精神状態にも大きく影響したであろう。
 これは、あくまで厳寒の旅を経験したジャック・ロンドンや、幾度も極限状況を乗り越えたシャクルトンと比べてしまった場合に物足りないということだ。彼らが生で経験をしたことに基づいて書いたのに、「彼女は想像だけで書いている」という色眼鏡で見る姿勢は、正直どうしても崩せなかった。読もうと思ったきっかけとなった本の情報が、このように読書の限界として立ちはだかるというのも、何とも皮肉なことである。

 では、孤絶した人物の精神状態の表現はどうであったか。
 トマス・ケイヴがひとりきりで捕鯨基地に残り越冬するという暴挙に出た直接の引き金は、売り言葉に買い言葉。荒々しい海の男たちが大きな賭けを張り、「やってみようじゃないか」とケイヴが引き受けたという流れなのだが、大金を物にしたいというだけで、人は果たして命など賭けられるものではない。そのような作家の考えが小説構築の元にはある。だからこそ、孤独にならざるを得ない、よりきつい孤独を求めてしまうという人間像を作者は想定した。

――今思うと、あの日私たちが彼の内に見たように思った狂気は、私たち自身の恐れが反映された部分もあったんじゃないでしょうか。私たちは彼を見ながら、トマス・ケイヴを見るのではなく、寒さや暗さや孤独だけを想像し、自分たちには耐えられないだろうと思っていたのです。この三つの恐怖のうち、どれが自分にとって最悪か、私には言うことができなかったでしょう。(P174)

 ここに書かれたように、人を人でなくしてしまう恐怖のなかにケイヴが自分を置く試みをしたのは、後にしてきた日常世界で大きな絶望を負ってきたからなのである。それゆえ、彼がこもった狭い空間には、幾度も幾度も絶望の源となった妻が現れては消える。
 まぼろしと現れては消える妻の姿が、ただ愛したときの面影であるならば彼は苦しまないのであるが、それは思い出したくはない記憶を引き連れて現れる。
 寒さ、暗さ、孤独と闘う他に、彼は幻覚を見る自分の意識とも闘う。この苦闘には鬼気迫るものがあり、ケイヴの絶望が完璧な孤絶のうちに追体験されることがいたたまれない。

 その闘いの果て、彼が人間世界の「極北」と人間存在の「極北」をどう受け止めたのかが結びのところで明らかにされる。しかしながら、そこであまりにも、「効率性・利便性を突き詰めた今の文明が自然に対していかに不遜なものであるか」という思いが表出し過ぎていやしないだろうか。
 せっかく丹念に描かれてきた狂気の一歩手前にある極北の精神状態というものが、理に落とすようにまとめられるのは惜しい。何かをこちらへ向けて静かに解き放つように書かれる結びだと、私もさらにケイヴの辿り着いた果てに押し流されるような気がしたのだが……。

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紙の本

北極で越冬した男の話。

2010/09/19 00:07

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 1600年頃の英国捕鯨員トマス・ケイヴが、
ひょんなことからの賭けで一人北極圏で越冬することになります。
極限状態で彼がみたものとは、また、彼が誰にも会わず一冬過ごし感じたものとは、、。

 よくSFで極圏が出てきますが、極圏って一応酸素があるって程度で生物をよせつけないほどの
苛酷な場所で、殆ど、別世界、異世界なわけです。
 そこでそれこそ、1600年ごろの科学レベルで越冬するわけで、
本書、中間小説のシリーズなんですが、ある意味冒険小説の要素たっぷりです。
 そして、越冬するケイヴ自身が自分の過去にどんどんもぐっていくような、精神描写。
 雄大というより、残酷で無慈悲な自然という現実と彼の精神面が交互にいり乱れて
描かれて行きます。

  極圏の描写(しかも、冬の)精神面(というより、ケイヴの過去の)はすごいと思いましたが、
結論からいうと、長さの面もあるのですが、読書前の予想どおりの展開で
あんまりサプライズがなかったのです。
 全体としては、敵との戦いのない、ちょっとおセンチな叙情的冒険小説って感じです。
いい小説なんだけど、小粒な感じも受けました。
 でも、越冬後のケイヴや、自然描写なんかから、人として自然に対して謙虚に生きることの
大切さみたいなものは感じました。

 極圏を描いた小説としては、ダン・シモンズの「ザ・テラー」のほうが、
エンタメ小説で(実は、ホラーでSF)ありながら、民話、伝承神話まで内包し昇華した作品として
すごいと思いました。(長さジャンルからいって、比較するのは、おかしいと思いますが)

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冷たさから

2012/09/05 17:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:いたちたち - この投稿者のレビュー一覧を見る

胸が締めつけられるような冒頭の北の大地の描写がみごとで、ケイヴの手記を通じて有と無の境界線すらあいまいな見渡す限りの北の世界を語る口ぶりがみごとだ。
寒さと自然と一人の男という単純極まりない装置を次第にごちゃごちゃとした過去や渡世や人々の営みが取り巻き始める。
合理的には説明のつかないあれこれを、人間の心の神秘に帰すのだって、りっぱな宗教であり迷妄である。
ケイヴが氷の中に進んで残った理由もそうだし、迷信と幻想をしりぞけ続けた男とその人生をその宗教にくるんだ構成は、謎かけなのだろうか。

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2010/01/22 11:03

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2010/06/08 23:32

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2011/06/24 22:35

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2011/07/01 15:56

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