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モノからコトへとその重心を移した現代数学の不思議な世界へいざなってくれる書です!
2020/01/24 09:01
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、読みやすく、かつしっかりと理系の難しい教養が身に付く「ハヤカワ文庫ノンフィクション<数理を愉しむ>」シリーズの一冊で、同書は、現代数学における不思議な世界を紹介してくれる名作です。同書に書かれた知識は学校で学ぶ数学の教科書には書かれていません。したがって、読者の多くが、目にしたととき、驚かれることでしょう。例えば、無限に大小があるとか、コーヒーカップはドーナツであるといった例が同書では出てきます。これは現代数学の特徴であるモノからコトへとその重心を移してきたことによって生じたものです。この現代数学の不思議な世界をこの機会に学んでみてはいかがでしょうか!
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「モノからコトへ」の20世紀数学史
2009/08/04 14:04
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わたなべ - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代数学の啓蒙書ということで読んでみようと思ったのだが、「はじめての」と書いてあるわりにはなかなか高度な内容で読むのに凄く時間が掛かった。冒頭で現代数学の傾向を「モノからコトへ」と主題化して、まず代数方程式の構造主義的方法化から話をはじめ、そこに非ユークリッド幾何学の発見と「無限」のさまざまな変遷を歴史的に追い、集合論、トポロジーという二つのトピックを経て、数理論理学のはなしに展開、ゲーデルの不完全性定理で「形式の限界」が露呈する、というふうに概観する。最終章は親本が出た1988年当時の「最先端」であったファジイ理論とフラクタル理論とカタストロフィー理論とコンピュータの問題が語られ、20世紀の傾向であった「モノからコトへ」が、数学の形式的限界を見定めた上でふたたび「コトからモノへ」と大きく展開しようとしている、という著者の見通しとともに幕を閉じられる。論理記号がばしばし飛び交う数式万載の文章はなかなか完全に理解するのは難しかったが、理論のなりゆきをある程度大まかに自分で計算しながら確かめえてイメージ化していけるのはとても面白かった。集合論、数理論理学のところはある程度哲学の方で知っている話題だったのでだいぶ親しみやすかったが、まったくこの手の話題に免疫のない人だとちょっとつらいかもしれない。おそらくこの手の本のもっとも良いところというのは、バラバラに語られがちな数学の様々なトピックを、一望の元に概観する視座を与えてくれるところで、その意味ではある程度数学(とその隣接領域としての哲学)に親しんでいる人の方が楽しく読める本だろうと思う。
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200ページの数学の世界
2015/10/28 09:14
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投稿者:タヌ様 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本で現代の数学を初めて触ったという人が多いのである。1988年に新書となってから絶版で文庫に収録された2009年にはかなり話題になった。(狭い世界ではあるけれど)受験とはちがう数学の世界への道案内本だった
200ページちょっとの本ではあるが一番おもしろかったというか知らなかったカントールの対角線論法の手触り感におどろいたものだった。ゲーデルも扱われているし、はやりだったファジーなんかでていた。
かなりさわりとここだよという面白さのイントロみたいな部分をちゃんと押さえてくれている小さな本だった。
今はいろんな数学啓蒙書がでているけど、出版当時は別世界へのお誘いはわかるとしたらこれだった。何回もじっくり読む方にむいている。
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理工系の数学ちょいとやってるとかなり理解が進む。大学1年生にもおすすめ。「モノ」と「コト」に注目し本質を解き明かしているという点で文系の人にも参考にはなる。
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だまされちゃだめだ!
この本は、はじめてで読むには難易度が高すぎる!
一応読了しましたが、必死で考えても理解できないこの情けなさ。
次は「はじめての算数」あたりから挑戦したい。
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現代数学の基礎的考え方を広く薄く取り扱っている。しかし、その理解のためには、ある程度の現代数学的思考を持っていなければならず、読み手は限られそうだ。
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日頃ならこの本を読むことはないでしょうけど、こうした機会でもないと読まないので、思い立ったが吉日。
でも、かなり敷居が高かったです。「はじめての」とはあるけど確かに「やさしい」とは書いていないですね。
先日、「容疑者Xの献身」をテレビで見たので、四色問題について話が出たのは興味があったけど、たぶん、筆者の言うとしていることの10分の1も理解できていないかも。
それでも、「モノからコトへのシフト」という観点は、なかなか興味深いものがありました(私なりの解釈で、、と言うことですが)。
日頃は、ビジネスの世界にどっぷりで「そんなの当たり前じゃない」で済ましてしまうことが多い中、なぜ当たり前なのか、、そう立ち止まって考える思考もあってもいいかなと思わせる内容でした。それにしても、一応、理系で物理系(電子工学)だったけど、いかに学生時代の脳がなくなっているのかを実感させられる一冊であった。
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いやはや難しい。もともと数学は苦手だが、最先端の数学は「数が苦」である。でも数学によって物事を論理的に考える思考が鍛えられると考えるのでなんとかしたいのだが・・・
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一応理系で学び位相空間とか高木先生の解析概論なんかで数学をかじったはずなのですが・・・実社会に出てからはすっかり遠ざかっていました。大変面白い内容で数学ってこんな面もあるのだと感じることができます。数学ガールなどこのところ多く数学読み物が出ておりますが、通勤電車で挑戦しながら読める数学本です。パズルを解く感じで。
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はじめての現代数学 (数理を愉しむ)シリーズ (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
瀬山 士郎
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書店に平積みされていたので買って読んでみた。■タイトルのとおり現代数学をわかりやすく記述 ◆大学教養程度の数学的知識は必要 ◆もちろん厳密な説明ではなくイメージをつかむという感じ■断片的に持っていた知識がひとつにつながった ◆数学は抽象化のプロセスを追及している学問である、というのが 全体を読んだ要約 ⇒集合論、解析理論など個別に多少の知識のあったトピックから 位相幾何学など名前くらいしか聞いたことのないトピックまで そのひとつの流れの中にあるように感じた。■個人的には思考の膨らむ内容だった ◆数学は人間の思考・認識過程を定式化したい学問なのか? ⇒他の学問にもいえるかもしれないが、「学問の垣根」が崩れてきている? パラダイムシフト?
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魅力があるのは二次か三次か?
ネットで良く議論になる所ですが、次元には計算方法があるのです。
憶えておくと楽しいので、今日はその方法を簡単に。
まず点は0次元、線なら一次元、面になると二次元、現実世界の立体は三次元ですね。
それなら線で埋め尽くされている平面は何次元でしょうか?
それに答えるのがフラクタル次元計算法です。
まず一次元=一本の線がある時、それを二等分する。
元の半分になります。線だから形も1/2になっただけで一緒(相似形)です。
では面ならどうか?
正方形の面を半分に、真ん中から切ったら(縦切りでも横切りでも)、縦長、横長になり、同じ形(相似形)ではなくなります。
変形してしまう。
同じ形のミニチュアサイズ(相似形)にするなら、縦横の比率を合わせる為、四等分しないとならない。
同じ理屈で立方体で相似形を作るなら、縦、横、高さを二分の一にし、大きさ(体積)は8分の1になります。
となると相似比rは1次元=2分の1、二次元は面積比=4分の1、三次元は体積比で=8分の1、です。
相似比を公式化するなら、2の肩に次元を自乗すれば良いのが分かります。
一次元=2^1、二次元=2^2、三次元=2^3ですね。
このアイデアを一般化します
コッホ曲線(線分を3等分し真ん中の部分を正三角形に折り曲げる、という操作を無限に繰り返す、フラクタル曲線)この曲線は何次元か?
最初の長さが1、なら操作を繰り返すごとに相似形は4/3倍の長さに増え続け、n回後にはlim(4/3)^n,n→∞です。
この次元は 4=3^x
ですね。
この両辺の対数を取り
log4=xlog3 ならば
xlog3=log4(logは常用対数、log3は10を何乗すれば3になるか?ということ)
x=log4/log3(←常用対数表から)
x=0.602/0.477
x=1.2618
よってコッホ曲線の次元は一次元より大きいけど、平面の二次元以下で1.2618次元となります
ではカントールの不連続体の次元は?
カントールの不連続体:
線分 _________があった時、三等分して真ん中の部分を取り除くと
線分は___ ___となる。この操作を繰り返すと次は
_ _ _ _となり、無限回の後にはだんだん細かく点状になるが、
線分_は空白を挟んで無限に存在する。
点状なので0次元? と思う反面、元の線分の相似形であるのだから一次元とも考えられる。
上記フラクタル次元の考え方から計算すると、相似比1/3の縮小図形で、二個に分かれるから
log2/log3=0.6309次元。
0次元以上、1次元未満!
となります。
なんと!
次元は整数だけじゃなかったんです。
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本屋で見かけて、割と気軽に読めるのかなと思って買ったのですが、読んでみると思ったよりはるかに手強くて驚きました。
「はじめての」とはついていても、さすがに「現代数学」。中身が非常に抽象的で、かなりの部分、ついて行けませんでした。歳を取って、こういう抽象思考に対し、くらいついてでもついていって理解しようとする根気がなくなってしまったことも大きいのでしょうが。
ただ、それでもこれを読んで、わけのわからなかった現代数学というものが、それぞれ古典数学の何にルーツをもっているのかだけはとりあえず理解することができて、収穫でした。「計算」が拡張されて「群」になり、「図形」が拡張されて「多様体」になったのだということすらも、文系のため大学で数学を学ばなかった僕にとっては、これを読んで初めて知った知識でしたし。
とりあえず、買った目的は達成できたといった感じです。
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数学好きの人はもちろん、そうでない人も楽しめるんじゃないかなぁと思います。
私が特に「ハッ」と思ったのは、
その方程式を解くことがどんなに難しくても、解ける方程式であればさまざまな工夫をこらして人はそれを解いてきた。これが「モノ」に対する人間の態度である。一方その方程式が本質的に解けない方程式であれば、そこでは「方程式が解けるとはどういうことか」という「コト」が問題となってくるであろう。五次方程式がまさしくそのような「コト」を問題にしなければならない相手だったのである。
です。
すぐにソフトウェアテストに結び付けてしまってなんですが、「ちょっとした大きさのソフトウェアにおいてもテストでバグがゼロであると証明できない」なら「バグをゼロにするというのはどういうことか」と「コト」を問題にしなければならないのだなと思いました。
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何度となく挫折した現代数学。
位相数学とか、トポロジー論とか、論理学とかを、ざくっと紹介していて、何となく全体像は理解できたような気がする。
でも、しっかりとした知識として身につけるには、やっぱり専門的な教科書を読むしかないんだろうなー