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紙の本
「阿修羅像」の真実 (文春新書)
著者 長部 日出雄 (著)
日本人にもっとも愛された仏像・阿修羅像のモデルとは? 藤原不比等の娘として生まれ、臣下から出た最初の皇后といわれる光明皇后。天平の世を生き抜いた、この稀有な女性の生涯に迫...
「阿修羅像」の真実 (文春新書)
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商品説明
日本人にもっとも愛された仏像・阿修羅像のモデルとは? 藤原不比等の娘として生まれ、臣下から出た最初の皇后といわれる光明皇后。天平の世を生き抜いた、この稀有な女性の生涯に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
長部 日出雄
- 略歴
- 〈長部日出雄〉1934年青森県生まれ。早稲田大学第一文学部中退。週刊誌記者、フリーライターを経て、作家活動に入る。「津軽じょんから節」「津軽世去れ節」で直木賞を受賞。他の著書に「鬼が来た」など。
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紙の本
阿修羅像はどこ?「真実」までの道は長く、違う風景にたどりつく。
2010/04/26 17:10
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年の「阿修羅像公開」がらみの本の一つではあるのですが、少し異なる方向にまとまっていました。
阿修羅像は「はじめに」で触れられた後は第六章で著者が69歳で初めて興福寺へ詣でた話(P193)まで出ません(本書は230ページまで)。
「はじめに」も光明皇后の紹介が主であり、「第一章 美貌の皇后」でその詳細が語られるか、と思うと今度は亀井勝一郎が紹介されます。その後も、光明皇后に戻るまででも仏教の伝来をたどるために三蔵法師と天竺まで話がめぐっていくなど、阿修羅像までの道はとてもとてもながく、「どこへいくのだろう」と思い続ける読書の道でした。自分にはみえているので、著者はその回り道にも見える展開を楽しんでおいでだったのかもしれません。でも「阿修羅は?」と思って読み始めたのでかなり戸惑いました。
結論はいたって簡潔。阿修羅像のモデルは「光明皇后以外の人ではありえない(P211)」。
著者は阿修羅像の公開から光明皇后に思い至り、「皇族以外の出身の皇后」を語りたかったというのが真実でしょう。阿修羅像が公開された2009年は「御即位二十年、御成婚五十年の記念すべき年であった(P226)」。施薬院をつくり、民衆に医術の恩恵をあたえた光明皇后を、被災地や施設を巡る現在の「民間出身」皇后の姿に著者は重ねています。なるほど、そういうことでしたか。どうりで「皇室の役割」などについての記述が多くなるはずです。
「阿修羅像」までの道のりは長く、違う景色にたどりつきました。
こういうつながりで一冊をと考えたところ、出版社にも「座布団一枚」あげたいところです。
でも、目的としていたところにたどり着かず、途中の道もたどり着いたところの風景もあまり好みに合ってはいなかったので、個人的には残念。