紙の本
一般的には見えにくい社会の歪みを巧みに取り込んだミステリー。
2019/11/26 23:59
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一般的には見えにくい社会の歪みを巧みに取り込んだミステリー。明らかに怪しい人間を配しつつ、真の黒幕は最も怪しくないいがいな人物というミステリーの基本も完璧。知的障害者を取り巻く問題をしっかりと描きつつ、主人公である藤木司の人間的成長も取り込んだ描写に好感が持てる。素直な作風で今後の作品が期待される。
<デビュー作、このミス大賞>
紙の本
このミス大賞受賞作
2019/06/26 03:20
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
障がい者更生施設で一人の少女が自殺。新人臨床心理士が、同じく施設の患者で、少女と仲の良かった青年と事件の謎を追います。その青年は、相手の話す声が色で見え、それで相手の感情が分かるという能力を持っているという設定。柚月さんのデビュー作で、このミス大賞受賞作とのことで、後半期待が高まります!
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新米の臨床心理士・佐久間美帆が受け持った藤木司は人の声が色に見えるという不思議な共感覚の持ち主だった。司は人が話言葉の色でそれが嘘かどうかを見分けることができるのだ。そして司は同じ施設で育った少女の自殺には何か隠された真実があると美帆に訴えかける。美帆はその調査に乗り出すが…
第7回「このミステリーがすごい」の大賞受賞作。どうも『生首に聞いてみろ』以来、「このミス」とは相性が悪いというか、「ええ!これが?」というか、「『レッドカーペットで大人気!』っていう芸人さんのネタ披露を見た時の微妙な気持ち」というか、そういう乖離具合が続いてたんですけど、今回もだったー!(><)
人の嘘が見抜ける「共感覚」って設定はいいと思うんですよ。何かそういうファンタジックな要素が一つないと素人が事態に介入できませんからね。ただヒロインの佐久間美帆が初めて患者を受け持った新米で、そのモチベーションが仕事上の蓄積からではなく、統合障害で自殺した弟を救えなかったことへの贖罪っていう個人的な感情から来ているから、なんか薄っぺらいんですよね。そりゃあ最初の一人の患者だから「私は絶対に見捨てない」って言えるけど、それって何人も患者を受け持っても言えるものなの? 特殊な職業を題材として扱うのなら、職能としてもうちょっとこなれた人物を出して欲しいところ。というか臨床心理士に対する描写が浅薄過ぎる。
臨床心理士でも素人で、捜査に関しても素人であるヒロインが事件を解明できてしまうということは、すなわち犯罪が非常に陳腐だということ。もったいぶっている割には、どういう犯罪が行われたかはすぐに読者には察しが着くし、また誰が黒幕で誰にミスリードさせようとしているかまで割と早々に透けて見えてしまった。
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んー★は四捨五入して四つですが選べるなら3.5くらい…
このミスでこんなにがっつりえろいところを書くのは初めて見ました☆読んでおもろいかっていうとそういうシーンでもないのでどのくらい必然があるのか…ていうか口で言うこととやることが全然違…
あとすげえずっと気になってたのに結局流されてるんですが失語症の子のセリフが最初のキーになってる謎。
キャラ作りは何て言うかいい加減です…展開もちょっと無理矢理です…その意味では屋上ミサイルの方が潔いわ。
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とある施設に入所している少女が自殺を図った。駆けつけた救急隊員の努力も虚しく、渋滞に巻き込まれるという不運の内に救急車内で彼女は死亡する。ところがそこで、同乗した青年が暴れ出した。
「彼女は、自殺じゃない」
青年は、人の言葉の真実を、色で見分ける能力を持っていた・・・。
冒頭の掴みはOK。どうなることかと期待が膨らむ。
だが、その後は微妙。先が簡単に読める。展開が緩慢。サスペンスなのか? 社会的に訴えることを主にしているのか? どっちつかずな印象で、結果的にどちらも心に響いてこない。
話の筋や題材としては面白いのだが、展開に力不足があり、特に人物描写が弱いのではないかと思う。
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さくさく読めて面白いと言えば全然面白い。が、なんか深いようで薄い気が。。
昔あった野島伸司のドラマのよう。
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「沈黙を恐れるな」「初回面接が重要」など、学生の頃の臨床心理学の授業を思い出しました。
新米臨床心理士の美帆を心の中で応援しながらあっという間に上巻を読み終わりました。
この作品は「少し読めば先がわかっちゃう話」と言われたけど、上巻を読んだだけでは、私には先がよくわかりませんでした。。
わくわくしながら下巻へ読みすすめられると思います。
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上下あわせてレビュー。
知的障害者での自殺と共感覚をもつ少年
その言葉に興味を抱く臨床心理士
なんて読み進めたらすごいサスペンスだった。
どんどん読める。
でもエロはいらなかった…
これ、デビュー作らしいよ。
今後に期待かな。
共感覚持ってたら生きるの辛いだろうな。
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ミステリーというには、上巻読了段階で(おそらく)下巻のストーリーが読めてしまうのが残念。
共感覚というテーマは面白いけれど、精神科、臨床心理の「現場」をほとんどリサーチしないで書いたのではないかと思うくらいに現場とかけ離れすぎていて、つっこみどころが満載になってしまう。
下巻での巻き返しに期待。
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下巻と合わせて。
共感覚を扱った小説を読みたいと思っていたときに、ちょうど出会った。
評価が低いのは、相性と、上記のタイミング故の期待をかけすぎもあり。
登場人物たちが、まず共感覚というものを知らないのもあって、その特性を知っても「なにそれ」と少し奇異なもののように接したので、おそらくそこが期待からのマイナスポイント。
ただ、作中でのその態度は自然な流れともいえる。
あとは、そんなエロ要るのかな、というのと。
読みやすいけれど、2冊分冊にする必要あるのかなと。これは作者の責任ではない。新人のようだし、今はいきなり分厚い本が売れる時代ではないようだから。
読みやすくて一気に読んだ分、何も残らなかった。
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上下巻通しての感想
共感覚、障害者をテーマにして、病院と養護施設を中心として描かれる舞台設定は興味深かった。
ただ、動機等は最後まで隠されていた物の、物語中盤で怪しいと思った人が、そのまま犯人であったため、ミステリーとしては、もう少し捻りがあってもいいのかなぁとも感じた。
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このミス受賞作。
題材が面白かったけれど、ちょっと、盛りだくさんすぎて
もったいない。
犯人が途中でわかってしまい、話の展開が読めてしまう・・・
けれど、引き付けられる何かを持った作品。
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このミス大賞ということで、期待して読んだんだけど、期待はずれ。
統合失調症と診断されている青年・司と、彼のカウンセリングを任された臨床心理士・佐久間美帆が、知的障害者施設で起こった少女の自殺の真相を追う、というもの。
司は実は、声の色で相手の感情を読み取る能力・共感覚を持っているという設定。
いろいろツッコミどころあった。
司はまず統合失調症ではない。
妄想=統合失調症という思い込み。
このカウンセラーは、少女の自殺の真相を解明することしか司を救う道はない、って考えてるけど、単に青年に逆転移しているだけ。
司の生育歴による歪みとか積み重ねてきたものが、少女の真相を解明したことくらいのことで解消するとは思えない。
そんなに簡単によくなったら、臨床心理士なんていらないって。
そういう基本的な設定でうまくいってないと、もし物語として良かったとしても入り込めない。
残念な感じでした。
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フィクションに行きたいのか、まじめにミステリーにしたいのか、どっちにしても中途半端。
上巻はまだ読める。
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フィクション?ノンフィクション?生々しい。
福祉施設 精神科医 カウンセラー 異常性癖 障害児