紙の本
メタボラ
2021/06/07 17:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
やり切れない話だった。特に、ギンジが思い出した家族の話は、極端な出来事だろうが、リアルで辛かった。
それからのギンジが辿った道も、社会の暗部を、希望をどんどん失いながら堕ちていくようだった。ちょっと何かがずれれば、どこにでも起こるような気がする。きつい話だった。
ジェイクの強い方言が場を和ませていたが、それもラストでは辛かった。2人に救いは訪れたのだろうか・・・
紙の本
ハッピーエンドでは終わらない
2020/04/05 12:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:chieeee - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作家さんの物語は単にハッピーエンドでは終わらない。だからこそリアリティーがあるんだけど。ただりあるすぎて、逆にリアルから遠い気もする。どこか別の発展途上国の話のようにも聞こえる。未来に夢を持つ人と、全く未来が考えられない環境にいる人とは、これほどまでに違うのかとガツンと心にきました。楽しい物語ではないですが、心に留まる話で、数年後にまた再読したくなりそうです。
投稿元:
レビューを見る
う~ん一気に読み終えてしまった。
桐野作品は、やっぱりすごい。
すごすぎて、怖い。
どうしてこの人の描く人物は、こんなに魅力的なのだろう。
喉の渇きも空腹も眠気も忘れて、どっぷりと本の世界にはまれる幸せ・・・。
ああ、また本屋に行ってこなくっちゃだわ・・・。
投稿元:
レビューを見る
桐野さんの小説は、本当に生々しいといつも思う。
読めば読むほど、最後どう終わるのか想像つかなくて、
でも、まさかもしかしたら…もしかして…と思った展開に。
地味にショックだけど「やっぱ生々しい」と思った。
解説の人はかなり小難しく書いていたけれど
ホントに作者はそんな風に考えて毎回書いているのだろうか?
とかなり疑問。
もしかしたら当たってるのかもしれないけど、
私たち、小説を読む一般読者は、そんな小難しいことを
感想に思ったりしない。
それはなにかが違うと思うのだ。
これを読んで私たちが作者から受け取るものは
それこそ、もっと生々しいものだと思う。
こんな風に細かく分析したり、細切れにして
理論付けたりしてしまうと、何か大事なものが
消えてしまう気がする。
それって、作者が望んでいることだろうか?
きっと違う気がするのだけど…
やっぱり評論家は嫌いだ。
投稿元:
レビューを見る
http://booklog.jp/users/amanjaque/archives/4022645547
投稿元:
レビューを見る
7/30 だいたいこの人の書く現代社会の世相って、みんなが「あーだこーだ」言ってることに「そうなの?違うんじゃない?」ていうのを想像力の世界から描き出してみせる。凄まじい。救いがないのとも違う。ああ、そうなんだ。そうだったんだって思う。格差、や、なんつーか前向きなカリスマになりたがる人に対しての違和感とか。悲しい話だったけど読後感は悪くない。なぜか。夢中で読んだ。
投稿元:
レビューを見る
現代の若者の置かれている状況を、やや誇張しながら描いた問題作という感じ。
人生は環境に大きく左右されてしまう。
極端だけど、大きく外れていはいないと思う。
恵まれた人生を送った人には共感できないかも。
投稿元:
レビューを見る
あららら。行くところまで行ってしまう若者達。
でもそれは全部大人のせい?
手を抜こうとすると最悪は人生こうなる。
という参考書のようでした。
面白かった!
投稿元:
レビューを見る
新聞連載で読んだときは『OUT』くらいスカッとするラストだったような気がしてたけど、結構救いがないというか、出口の見えない終わりだったなあ……。
話が進んで、ギンジが自分の真実を取り戻せば取り戻すほど、追い詰められて逃げ場がなくなっていくような。
終盤に出てくる2回のキスシーンがものすごく切ないです。あのキスは対になってる気がする。男と女、受動と能動、絶望と希望。
あまりにも映像的なキスシーンなので、映画化すればいいのになあとか読みながら思ってしまいました。沖縄が舞台のロードムービー、結構いいと思うんだけど。
ケンのかっこよさが異常だった……工場で奴隷同然に働かされてる中国人研修生をどうやったらあんなにかっこよく書けるのか。しかも新聞で読んだときはもっとすごい嫌な奴という印象で展開に唖然とした覚えがあったんだけど、「美しい象牙色の膚」とか「銀色のフレームの眼鏡」とかを読み飛ばしていたせいかなあ。いや、実際計算高くて嫌な奴なんですが。
逆にジェイクは最後まであんまり垢抜けたヴィジュアルをイメージできませんでした。私の好みのタイプではないっていうだけかも知れない(笑)でも憎めないキャラでした。
投稿元:
レビューを見る
下巻は、「ギンジ」目線が多くなる。確かにジェイクで語ることってあまりないかもしれない・・。ジェイクの活躍も見たかったけど、(あと「師匠」に「フラー」と馬鹿にされてるとことかも)主題じゃないしなあ。代わりにギンジは釜田の秘書役として活躍しはじめ、このあたりから(ギンジって結構しっかりしてるし、本当は働いてたのでは?)などと思い始めた。果たして、ギンジ=香月雄太の過去が明らかになる。父親の暴発→母親の家出→ビルの清掃人→アルバムを見て父親への憎悪+悔恨で酒びたり→首→工場での作業員→自殺サイト というくだり。なんだか、誰にでも起こりうることで怖かった。その後の安楽ハウスの生活がなんとなく面倒くさい感じがしてしまった
最後はジェイクとのシーンでよかった。書評や感想ではジェイクが死んでしまったように思う方が多いようですが、わたしはジェイクが死んでしまったとは思っていません。
投稿元:
レビューを見る
これは面白かった。さすがは桐野夏生。派遣労働のところなんかは生々しくて、希望がなくて、出口がなくて、胸が痛かった。目の前を生きるしかない姿からは、目が離せなかった。
投稿元:
レビューを見る
想定通りの暗い展開。現実を得ているような、筆感はさすがだと思った。さらに、南へ行ったことない自分ですが、とっても行きたくなりました。着の身着のままもやっぱりいいかも。
投稿元:
レビューを見る
主人公の「旅」がどうして始まったのか、その源流をたどる後編。社会的貧困層にいる若者を描きながらも、単なる現代社会批評に終わらず、仕組みとして壊れてしまった社会(世界)であるにも関わらず、相変わらずそこに認証されることで個人を保とうとせざるを得ない人間の姿を描いているのだと思う。
投稿元:
レビューを見る
間違えて下巻から読み始めてしまった(!)にもかかわらず、非常に面白かったです。
工場労働での搾取、沖縄という土地の独特さ、家族の崩壊。
桐野さんの作品は特に起伏がなく、淡々としているシーンでもものすごく引き込まれます。
中国人労働者のケンと主人公の微妙な感情のやりとりがすごく印象に残っています。
投稿元:
レビューを見る
人生を転げ落ちていく人々の物語
家族やお金に困った主人公と方や恵まれた
環境にありながらも階段を踏み外す二人の
描かれ方がおもしろかった
転げ落ちる途中でどうにか救いはなかったものか
それとも自ら転がって行ったのか・・・・
ハードボイルドな恋愛物にも思えるのは私だけでは
ないはず。