どこまで本当かわからないのんべえの与太話エッセイ!
2016/04/30 18:02
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投稿者:坂の下の落人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
よくテレビで見かけるけど、何者かわからない才人・なぎら健壱氏のお酒にまつわるショートエッセイ集。
どこまで本当かわからない与太話や法螺話に、ときどきホロッとする人情話。
短文ながらどれも切れと気の利いたオチがあり、味わい深い。
酒飲みはもちろん、下戸の人にも美味しいエッセイです。
一編はとても短いので、適当にページを繰ったところからちびちび読んでみてください。
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酔っ払いがいかにもやりそうなエピソードばっかり。(^^
実際に酔っ払うまで呑む人ならではのエピソードで楽しいですね。
なかなか記憶がなくなるまでは呑めないものなぁ。弱いので。(^^;
お酒を呑まない人が面白いかどうかは判らないけれど、お酒を呑んで酔っ払ったことのある人なら必読ですな。
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朝から小そうじ。きょうで5日目。
大そうじでいっぺんにきれいにはできないから、
小分けにして週末、正月休みに少しずつ片付ける。
始めるまではおっくうだが、
ガラス磨きにせよ、部屋の整理にせよ、
目に見えて成果が出るのがうれしい。
日頃の仕事では、
そう簡単に目に見える収穫は得られないものだ。
日が暮れると、「ミニかんすけ」の出番が増えた。
錫のチロリで湯煎してやると、
燗酒が二割方うまくなった気がする。
居酒屋風にマカロニサラダ(自家製)、
丸干し、まぐろぶつで飲む。
こうしたひとときの供には肩のこらぬ本がよい。
なぎら健壱『酒(しゅ)にまじわれば』を読む。
飲兵衛の話を書かせたら、なぎらの筆は天下一品。
「バカだねぇ~」と笑いながら、
自分も飲めば似たようなものだと気づかされる。
なぎらが愛する
「佇まいのいい店」「すがれた、年月を感じる店」は、
浮き世を過ごす身には宝物なのだ。
(文中敬称略)
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酒飲みってばかだねえ、という話。
笑えるものも、笑えないのも。
オツだね、の用法が大変おもしろい。
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タイトル通りの酔いどれエッセイ。筆者のひととなりが字面から伺えるような、そんな作品。
新聞連載をまとめた本で、ひとつひとつがとてもコンパクトにまとめられている作品。そしてどこをとっても見事な酔っ払いが出てきます。
酒を飲んだ気になれる本。
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まあ、著者、タイトルを見れば内容の大半が想像されました。
期待通りの内容。気軽に読めました。
なぎらさんって、なんなんでしょうね。好きだけど。
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「大人買い」という言葉があるが、
あれは、無闇矢鱈に有り金を使って物欲を満たすということではない。
大人だからこそできること。
それは自分を知っているからこそできること。
自分が好きなもの、
自分に合うもの、
自分に必要なもの。
それを知っているからこそ、
自信を持ってモノを買えるのである。
酒しかり。時間しかり。
なぎら健壱氏は、
実に若いころから「大人買い」ができる人だったのだと思う。
どれを読んでも面白く、
普通はぷいと出て行ってしまうような店でも、
愛情ある目を向けられる彼は、
やはり「大人」なのだろうな。
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私自身は、醜態をさらすまで飲めるほど、お酒が強くないのですが、この本の話は、どことなくうなづける話ばかり。笑えます、お勧め。
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以前読んだ「東京酒場漂流記」みたいな内容を期待して読んでみたけど、、、
コラムに連載していたものとあって1項目1項目が短すぎて、なぎら氏の文章の面白さが全然生かされていない。本当はもっと面白くなるようなネタが揃っているような気がするけれど、、、とにかく残念。
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酒にまつわるエッセイ。
この作者の実際の酒場めぐりの著作は、面白いが、読んでてだれるところがあるが、この本は、新聞や雑誌の連載で、1テーマが文庫本2P程度と短く、文章がうまく削られていてなかなか良い。
「酒飲み」の分かっちゃいるけど、ダメさ加減が、よく出ていて、読んでいて何度もにやりとさせられた。
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なぎら健壱の酒にまつわるエッセイである。なぎらのウンチクも楽しいし、起承転結が出来過ぎた、綺麗なオチがついた、早い話がだいぶ脚色してんじゃねぇのか、って思えちゃう酒の失敗談が楽しすぎる。クスクス笑いながら、どんどんページをめくってしまう。話が嘘かホントかなんかどうでもよくなってくる。
で、なぎら健壱の江戸っ子な語り口が心地よい。
「まだ陽がある内から、ちょいと様子のいい蕎麦屋の暖簾をくぐる。間髪入れず「冷やと天抜きをもらおうか」と店員に声をかける。天抜きが出て来るまでのつなぎに板わさか、あるいは焼き海苔なんぞで一杯飲(や)って待っている。その様子はなんともオツなものである。またそんな時の形(なり)が和服などであれば、言うことはないのだが。
その日あたしはひとり、麹町のちょいと歴史を感じさせる蕎麦屋の客になっていた。」
エッセイの冒頭からこんな感じ、読んでて昼下がりの蕎麦屋で一杯飲(や)りたくなってくる。
ほっこりと暖かくて、笑えて、粋なエッセイ集でした。
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なんともリズムのよい語り口で、あっという間に読めてしまう。
酒のみってバカだねえ、と思いながら読むのが、この本の正しい読み方ではないかな。
それにしても、なぎらさんの突っ込みが絶妙。このタイミングは見習いたい。
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僕は酒場というより酒が好きで、酒場でのいい体験も悪い体験もそう多くはないのですが、なぎらさんの、まあ言ってみればひどいことよ。酔っぱらいの、酒にまじわったときのしょうがなさと、まだ飲む前に酒にむかって転がり落ちていく、だらしの無さ。ああ、やっぱりそうだよね、それでいいんだよね(よくないのだが)、と安心させてくれる一冊。1万円札を見つけて…の話などは、その妄想力がたまらないのだ。でも、酒を飲まない人は、どう思うのだろうか。
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内容(「BOOK」データベースより)
雪見酒、叱られ酒、幻の酒、悪魔の酒、見せ酒、ハシゴ酒…(いずれも目次より)。酒にもいろいろあるけれど、飲まずにいられないのは皆同じ。今日も酒場を漂流する著者の、おかしさと哀しみに彩られた酔い心地を追体験できる名文の数々。なぎら健壱の酒エッセイの最高傑作!オリジナル(蔵出し)原稿も収録。
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気持ちよく酔いが回ってくるとちょっと人恋しくなって、他人の存在がほしくなる。お店なら他のお客さんの話。うち飲みなら、こんな酒飲みのエッセイがちょうどいい。
こちらも酔ってますし、内容もお酒にまつわる話ですから、それこそ飲み屋で聞いた話のようにろくに記憶には残りません。なんとなく、「刺身で飽きても、鯛ならカルパッチョもどきでも切り身であぶってもゴマと鯛茶漬けでもいいじゃないの」と思ったのと、猫と共演した祝辞の話が記憶にあるくらい。これくらいがいいんです。酒飲みなら共感できる、ただのお酒にまつわる小咄みたいでぴったり。まぁさすがに「奇人変人」では酔いが覚めましたが。
この本をつまみに軽く一杯、なんとなく幸せ気分でパタンと寝るのが寒い日の夜の幸せかも知れません。