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恋文の技術(ポプラ文庫)
  • みんなの評価 5つ星のうち 4.2 518件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2011.4
  • 出版社: ポプラ社
  • レーベル: ポプラ文庫
  • サイズ:16cm/343p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-591-12421-5
  • 国内送料無料
文庫

紙の本

恋文の技術 (ポプラ文庫)

著者 森見 登美彦 (著)

京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説...

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恋文の技術 (ポプラ文庫)

670(税込)

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商品説明

京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への手紙は、いつまでも書けずにいるのだった。【「BOOK」データベースの商品解説】

収録作品一覧

外堀を埋める友へ 9−38
私史上最高厄介なお姉様へ 39−62
見どころのある少年へ 63−88

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書店員レビュー

ジュンク堂書店郡山店

最初から最後まで、一人の男性が…

ジュンク堂書店郡山店さん

最初から最後まで、一人の男性が書いた沢山の手紙が綴られているのですが
読んでいくと、なぜか相手の返事も浮かんでくるんです。
手紙を読み続けるってちょっと退屈かもって思っていましたが、まったく
飽きません。もう数ページで、森見ワールドに!さすがです。
しかも手紙の送り主の中には、森見先生が登場(まさかの手紙の内容でした)
また、四畳半シリーズを読んだ人には分かるワードが隠されています。
色々な所に遊び心満載の手紙の数々、肩の力を抜いて笑っちゃって下さい。

文芸担当 郡司

ジュンク堂書店吉祥寺店

この小説がポプラ社発...

ジュンク堂書店吉祥寺店さん

この小説がポプラ社発行のPR誌に掲載されていた当時から凄く好きな話。
全体が主人公守田が書いた手紙の形式で書かれているのだが、返信は書かれていない。だが森見愛読者ならばその返信の部分を想像するのが楽しいのだ。森見作品独特の妄想だらけの主人公が熱心に手紙を書き綴るその内容はなんとも馬鹿馬鹿しくも愛らしい。いまどき「文通」なんて、と思う無かれ、メールでも電話でもなく、なんか手紙っていいかも、とつい思ってしまうのだ。
声を出して笑って欲しい。

吉祥寺店 文庫担当

みんなのレビュー518件

みんなの評価4.2

評価内訳

紙の本

ラブリーラブリーこりゃラブリー♪

2011/06/11 10:00

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:道楽猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る

相変わらず森見さんはすごい人だ。
(「凄い」というと何だか怖い感じなので、ここではあくまでも「すごい」。)
書簡形式の小説なんてイマドキ別に珍しくもないけれど、一方からの目線の、しかも手紙のみでこれほど季節感を表現し、それぞれの登場人物の性格を表現し、物語の経緯を語り切っているものにはなかなかお目にかかれない。

ラブリーラブリーこりゃラブリー♪

で、もう終わりにしてもいいぐらい、この一言がすべてを物語っている。
(実は、この言葉だけは絶対書こうと思ってまず書いておいたら、なんだかもうこれだけでいいような気がして、ほんとにこの一言で終わりたいという発作に襲われたことはヒミツ)

登場人物はこのお話でも皆愛らしい。
「ぷくぷく粽」「天狗ハム」「マシマロ」など、そこかしこに散りばめられた森見さんならではの「小道具」も黒光りしている。
(うっかり検索してみたら「天狗ハム」は実在するが「ぷくぷく粽」は見あたらなかった。そりゃそうか。)

そして、それぞれの手紙の最後の宛名と署名がまた笑える。
中でも、非常に小ネタになるけれども「一級ナメクジ退治士」に私はヤラレた。
電車の中で思わず噴き出してしまった。ナメクジ退治士て!しかも一級て!
そう、モリミーの小説にはこういう小さい爆弾がたくさん仕込まれているので人前で読むときには十分注意が必要なのだ。

それにしても主人公の守田クンは本当にシャイな人だよなぁ。
寂しくて人恋しくて伊吹さん恋しくて仕方ないくせに、この文通は「恋文代筆業」を始めるための修行なのだとうそぶく。そして友人に、先輩に、かつての教え子に、森見登美彦宛てに(!)手紙を書いて書いて書きまくる。
その内容は、と言えば、やせ我慢あり、誇張あり、哀願あり、ドヤ顔あり、とバラエティに富んでいて、飽きることがない。中には、読んでいるうちに「この先、ど、どうなるの?」とハラハラする内容もあり、いつしか次の守田クンからの手紙を心待ちにしている自分がいたのだった。
(と言っても、ページをめくればすぐに手紙を手にすることはできるのだが。なんとなく、まだ来ぬ手紙を待つ気分。)
中でも、伊吹さんに宛てて書いたものの出せなかった「失敗書簡集」は抱腹絶倒だった。
こんなの出したら大変だったろうけど、よくこれだけ考え付くものだ。

で、いったいこの物語、どのように着地させるつもりなのか、まさかこのままダラダラと?と少々心配だったのだが、それは杞憂だった。
守田クンが辿り着いた「恋文の極意」。
それは本当にシンプルなものだったが、それだけに目からウロコで、彼の真摯な想いに胸がきゅんとした。

そういえば、その昔、私もドキドキしながら手紙をしたためた。相手が喜びそうなレターセットを選び、気持ちを込めて丁寧に言葉を選んで文章を書き、時々は写真や栞などを添えたりもした。ポストに投函する前の一瞬のためらい(だってコピーでもとらない限り、手紙って手元には出した内容が残らないのだもの。)返事を待って何度もポストを覗くわくわく感。久しぶりにそういう高揚感を思い出した。
手紙って本当に良いものなのだ。

最後の手紙は、果たして思う相手にきちんと届けられたのか。
そして受け取った人はどのような返事を書くのか。
ともあれ、守田クンの未来に幸いあれ、と祈ってやまない。

読み終えた今、心の中は何故かほんわかあったかい。
主人公はお約束のむさくるしい鬱屈した男子学生なのに。

ラブリーラブリーこりゃラブリー♪

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紙の本

手紙を書くのはもう古い?そんなことはありません。

2011/10/29 15:32

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:更夜 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「世界で一番読まれている物語は何か知っている?」
「聖書かな」
「一番読まれているのは、ラブ・レター・・・何度も読み、そして行間も読むのよ」

 これはシンガポール映画、ケルヴィン・トン監督の『LOVE STORY』という映画に出てくる
図書館司書の女の子とマンネリから脱出したいと悩む小説家が交わす台詞です。
この映画は、本と文学と物語と小説家という本の映画であって恋愛映画ではありません。
本が好きな人は、この映画に出てくる「小説の技法」の数々ににやり、とする少々凝った趣向の映画です。
毎回、悲劇で終わる恋愛小説ばかり好まれて、だんだんマンネリとネタぎれに悩む作家。
その前に現れる4人の女性。4人が4通りの小説、物語の象徴となるのです。

 さて、この本は、森見登美彦さんによる「ハウツーもの」ではありません。
こういう手紙がいい見本です、などというものではなく、むしろ能登半島の研究所に派遣され
寂しくてたまらない京都の大学院生、守田一郎君は、様々な人に手紙を書いて、文章上達をめざし、
手紙代筆業として企業家にならんと手書きの手紙を書きまくります。

 同級生のマシマロこと小松崎君の恋の悩みにあきれ、叱咤激励し、
研究室の女帝、誰もかなわないお姉さまとの手紙によるバトル、ずばり本質をつく頭の切れるの高校生の妹、
家庭教師をしていた見どころある小学生の間宮くんとおっぱいと恋愛と赤ちゃん誕生の秘密に
ついての手紙問答、そして大学の先輩であり今は作家の森見登美彦氏との「恋文の技巧」についての
つもりがなんだか意地の張り合いの手紙・・・・男一匹守田一郎、能登半島で手紙を書きまくる。

 しかし、何故、守田君はこんなに手紙を書くのか・・・それは、やはり下心であった。
そうだろうな、と思うとそうなのでした。なんとかスバラシイ恋文を書いて惚れた乙女となんとかしたい、
その為に、守田君の費やす手書き手紙の労力が内容は相手によって思わぬ方向に行くけれど
なにがどうなってしまうのか、あくまでも守田君の手紙のみであるがために、目が離せません。

 手紙を書くというのは、ネットにブログを書くのとは違います。
あくまでも一対一の内容なので、守田君の書く「自分」は相手によって随分と違うのです。
女帝、ヒサコ・オオツカいわく「手紙弁慶」
本当は手紙というのは他の人に見せてはいけないものです。
だからこそ、恋心の吐露という恋文というのが成り立つのですが、それがなかなか難しい。

 守田君はさびしがりやの小心者。でも人はいいのです。そこら辺のさじ加減がとても
上手いし、出す相手からの返信は一切ありませんが、守田君の手紙によって色々なことが起きる。
小松崎君は、男は決してやってはいけない、ラブリーを連発するポエムを書いてしまう。
(小松崎君にはだめだっと書きつつ、こっそり自分もラブリーポエムを書いてみる守口君であった・・・ポエムの
魔力というのはなんとすごいものでありましょうか)
私史上最高厄介なお姉さま、ヒサコ・オオツカ女史からはひどいしっぺがえしをくらう。
シビアでリアリストの妹は、昔貸した300円を返せ、と書いてくる。
間宮少年は、新しい家庭教師が気に入らないとトイレに閉じ込め、次の美人先生に恋をする。
作家、森見登美彦氏は、なんと守田君の手紙の文章のアイディアを小説に使い、ファンの乙女
たちからファンレターが舞い込んできて、それを何度も何度も読み返しているらしい。おのれ、森見っ!!!

 遠い能登半島の地で、研究所の鬼軍曹、谷口さんという先輩から怒鳴られ怒鳴られ、なにもないところで
天狗ハムと温泉と水族館のイルカが慰めの守田君は、手紙で京都の色々な人たちにちょっかいを
出そうとして、ちょっかいを出され、自滅する。
それでも、めげない恋文の上達意欲。おそるべし、下心。

 しかし、文章に関しては守田君はかなり達者であり、こんな文章書いてみました、というのに
きちんと反省しているし(この手紙の悪いところは、書いた奴を絞め殺したいと思うこと、という
なかなかの自制心)、小学生には、一応大人の威厳を示そうとしますが、鋭い少年に見抜かれても
「先生は先生であってお友達ではないのだから」ときちんと書ける男なのです。
兄として妹に将来の夢なるものを訓示しようとして、逆に鋭くやりかえされてひるみつつも妹想い。

 手紙だけによる構成力の上手さ、脱力もののエピソードや小物使いの上手さが光りますし、
いい文章、自分を賢くみせようと書こうと背伸びすればするほど、自滅するということを、
ひとり手紙詭弁祭りをやっている守田君を通して、滑稽さをもって描いています。
それがめぐりめぐってひとつのある終息へと手紙が集まる。
この書簡集という形をとろうと思った理由として夏目漱石の書簡集がとても面白かったから、と作者、森見さんは
書かれていますが、『吾輩は猫である』のインテリを自称する人たちの滑稽な姿を側から見て、猫がふふん、という
雰囲気がとても良く似ています。

 メールと違って、手紙は書いたものが手元に残りません。だから気楽なのです。
コピーでもとっておかないかぎり何を書いたかは意外と忘却の彼方であり、記憶にかすかに残るだけ。
近況報告であれば、距離と時間があった方が味があるのです。
メールでは仕事の効率は上がるかもしれないけれど、近況報告は手紙の方がいいと思うのです。
森見さんは、守田君の手紙の奮闘を描いて、恋文の技術など実はないんですよ、
と書かれている通り、文は人なり。手紙は素直に書くのが一番。

 しかし、反面、下手な恋文は物的証拠として永久に残る可能性も高いのです。死後になって暴露されてしまうかもしれない
危険性を持っています。だからこそ、守口君は恋文には慎重に下書きを繰り返します。
簡単にキーボードを打って難しい漢字も一発で変換という訳にはいかない手書き。こんな漢字も書けないの?という
自滅の可能性も高い、恋文を書くというのは勇気と鍛錬のいることです。

 そして、重要なのは、決してラブリーを連発するポエムを恋文に書いてはいけません。
これはこわいです。やめましょう、というより、やめろ。

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紙の本

手紙ってやっぱり素敵

2013/01/08 09:20

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:モノノ - この投稿者のレビュー一覧を見る

相変わらずの森見先生の小難しい言い回しとユーモアの溢れる文章。それが手紙になるとまたさらに面白い!何度、吹き出したことか(笑)それでもやっぱり心暖まるストーリーで、最後には誰かに手紙を書きたくなります。

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紙の本

爆笑失敗書簡集

2016/07/18 00:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Zero - この投稿者のレビュー一覧を見る

失敗書簡の自己分析(書いた人間を絞め殺したくなるやつ)に大爆笑。へたれ学生のいつものへたれ青春ものだが、きれいにオチてると思えた。『意外に実用的』というオビのフレーズも読後になっとく。

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紙の本

書簡体小説の妙技

2016/05/31 21:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:もち - この投稿者のレビュー一覧を見る

書簡体小説と聞いて、どんなものを思い浮かべるでしょうか? もしそれが、季節の挨拶、日々のやりとり、何かしらの世間を騒がす事件についてーーだとしたら、この本はその印象を良い意味で、大きく裏切るのではないかと思います。
確かに全編書簡体で書かれているので、手紙としての体裁は崩さず、しかし作者の遊び心が宛名などの細部までちりばめられています。送る相手によっても文体が変わりますが、突然文語調になってみたり、軽すぎる文章になったり。これだけで十分面白いです。
色々な事件が起こるのですが、手紙の内容で、何が起こったかを追っていくのは、可笑しさとリアルタイムっぽさが絶妙です。最後の方で話が収斂していくのは、圧巻の一言に尽きます。
ともかく読んでみてください!

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紙の本

阿呆学生系です

2015/09/12 23:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:tacktack! - この投稿者のレビュー一覧を見る

森見先生の作品ではおなじみの阿呆学生が出てくる作品ですが、同級生・先輩・家庭教師の教え子等々、色んな人への手紙で構成されています。恋文と言いつつ、肝心の恋がどうなったかは、読んでのお楽しみです。

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紙の本

読後感爽快、それでいて心温まる展開

2013/09/06 11:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:xx - この投稿者のレビュー一覧を見る

すべて手紙文形式で書かれた珍しいタイプの小説。
友人に少々しつこく勧められ、なんとプレゼントまでされたので、そこまで言うかと思い読んでみた。
最初の方は、難しい言葉が出てきて勉強になるなぁと思いながら読んでいたのだが、多少下品な表現が私的には好きではなかったのでしばらく読むのを中断していた。

しかし、半年ほどたって暇なときに、ふと思い出しもう一度手にとってみると、読むにつれて面白さが増していき、勉強になる表現も多かったので、多少下品な表現にさえ目をつぶっておけばとても楽しく一気に読み進められた。終盤にはもはやそういう表現、いや 登場人物がいとおしく感じられるほど…。

そして最後の展開。森見さんの頭の良さに感服しました。
これを機に森見さんの作品を色々読んだけれど、一番最初のこの『恋文の技術』に勝る作品はない!
途中では笑い過ぎて何回か泣きました。(笑)
あんなに勧めてくれた友人に感謝。自分なら絶対に買わなかった。この作品に感化された友人は、実際に文通をしはじめたそうな…。
最後まで読めば分かっていただけると思います。

とにかく森見さんは頭がよい。面白く読めるのに、語彙の勉強にもなり、最後まで読めば全てがつながる。しかも読後感はすっきりしていて、それでいて心温まる。
全てが手紙文だというのに。

…いや~、京大にはかないませんなぁ~。

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紙の本

最後に来て初めて、あ、やっぱりこの作家は巧いのだと気づかされるのである。

2011/08/08 22:12

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

本屋で見つけて何となく惹かれて買った。文庫が出てから読むのは最近の僕としては珍しいことである。書簡小説の形を採り、恋愛の指南書のように見せかけて、実はいつも通りイカキョーの情けない青春をペーソスたっぷりに描いた小説である。特に何人かの登場人物の書簡を、交互に時系列に並べるのではなく、人ごとにまとめる構成にしたのもアイデアである。そういう意味では非常に森見登美彦的な作品でもあり、いつもの森見を超えた小説でもある。ただ些か遊びすぎの感がなきにしもあらず、なのである。いや、遊ぶのはいつものことで、いくら遊んだって構わないのだが、しかし今回はそれが少し上滑りしてはいないかい?という感じ。面白い読み物に仕立てようとするあまり、如何にも作り物感があって嘘っぽい。日本語の物語は誇張が過ぎると滑ってしまう典型のような気もする。

とは言え、もちろん全編にわたって滑っているわけではない。

ヒトが四つん這いだった時代にはおっぱいは見えなかったから「お尻の時代」が続いたが、二足歩行するようになっておっぱいが注目をあびるようになった(128ページ)とか、美術展の素晴らしいところは一緒に行った彼女の横顔が見られるところだ(184ページ)とか、これは森見でなければ書けない、いや、観察できない、思いつかないというような見事な描写もところどころにある。しかし、それはあくまでところどころなのであって、やっぱりちょっと引いてしまう部分が多い。特に作家が自分の小説の中に自分自身を登場させて、主人公である語り手に語らせてしまうというのはどうも悪趣味、あるいは悪乗りという感じで、読んでいるほうはなかなか乗り切れないのである、途中までは。

ところが、やっぱり最後にはこの作家が力量を見せてくる。最後の第十ニ話になってまるでギアチェンジしたみたいに一気にスピード感が出てくる。細かなギャグ以外はおふざけを概ね抑えて、主人公の伊吹夏子さんへの渾身の手紙が披露される。ここまで来て初めて、あ、やっぱりこの作家は巧いのだと気づかされるのである。上滑りした感じも、全てはここに至るための助走路だったのである。

「なぜあんなにも夢中になったのであろうと考えるに、それは手紙を書いている間、ポストまで歩いていく道中、返信が来るまでの長い間、それを含めて『手紙を書く』ということだったからだと思います」(333ページ)と主人公は述懐する。

手紙なんかほとんど書いたことのない世代もそんな風に思ってくれるのかどうかは解らないが、僕らの世代は間違いなく、ああ、そうだったと思う。そして、恋愛の真髄に思い当たるのである。見事な本であった。

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紙の本

手紙、書かなくなりましたよねぇ。

2015/12/15 21:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

手紙書いてないなぁ、もらってもないし。
今、誰かに手紙を書こうとしてもどう書いて良いのか分からないなぁ。
って反省します、これ読んだら。

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2011/05/09 22:08

投稿元:ブクログ

手紙のやりとりから垣間見えるものを探るのが、個人的に好きらしい。
紐解かれていく経緯、着地点、おもしろかった。

2011/09/30 18:26

投稿元:ブクログ

夏の休日、早朝に布団の中で読んでいた本。話の内容自体は、夜は短しや有頂天家族の方が良く出来てると思うのだけど、読んでいたときとても幸せな気分だったので好きな本。

2011/08/21 12:08

投稿元:ブクログ

親しい人々への手紙を纏めあた形式の物語。相変わらず駄目な学生が主人公で、そいつが皮肉れていて、おっぱい星人で、誇り高いけど卑屈で、という森見作品の典型的な人物。ただ、阿呆な感じが憎めない。
物語自体はイマイチ盛り上がりに欠ける感が否めない。
とりあえず手紙が書きたくなった。

2012/05/02 13:37

投稿元:ブクログ

まず電車の中など公共の場では決して読むべからず。吹き出しそうになるのを咳で誤魔化しきれず、知らない人からもかわいそうな人認定されるでしょう。

教授から寂しい能登の実験所に派遣された守田一郎と、京都の大学院の仲間やら数人との今時珍しい文通。マシュマロ体型の小松崎くんとの恋愛相談(主におっぱい談義)や、元家庭教師先の見どころのあるまみやくんへの訓示、研究室の女帝の大塚さんとの戦い、森見先生との恋文指南、高等遊民になりたい妹とのやりとり、そしてラスボス伊吹さんへの恋文。
恋文を書くための技術を磨こうと始めた文通を続け、伊吹さんへ書いた(出してない)恋文の失敗作の数々には爆笑。最終的にたどりついた恋文のノウハウには私も納得。まあ、書くことはなかろうが。

とにかく「おっぱい」は偉大ということは分かった!

2014/10/24 21:20

投稿元:ブクログ

全編手紙の内容から主人公と周りの状況を読み解く構成でなかなか新しい。
なかに作者自身を登場させるのもなかなか面白かった。

2011/06/08 19:37

投稿元:ブクログ

相変わらずの森見節満開。
第九話の失敗書簡集は今まで読んだ氏の作品の中で一番笑った。
気楽に楽しんで読める。
そして手紙ってやっぱりいいなぁ、と思ったりした。