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紙の本
魚影の群れ (ちくま文庫)
著者 吉村 昭 (著)
津軽海峡を舞台に、老練なマグロ釣りの孤絶の姿を描く表題作。四国に異常発生した鼠と人間との凄絶な闘いの記録「海の鼠」。名人気質の長良川の鵜匠の苦渋を描く「鵜」など動物を仲立...
魚影の群れ (ちくま文庫)
魚影の群れ
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商品説明
津軽海峡を舞台に、老練なマグロ釣りの孤絶の姿を描く表題作。四国に異常発生した鼠と人間との凄絶な闘いの記録「海の鼠」。名人気質の長良川の鵜匠の苦渋を描く「鵜」など動物を仲立ちとして自然と対峙する人びとの姿を精密に描いた傑作小説四篇を収録した作品集。【「BOOK」データベースの商品解説】
収録作品一覧
海の鼠 | 7−156 | |
---|---|---|
蝸牛 | 157−198 | |
鵜 | 199−251 |
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紙の本
時間を忘れて読める一冊
2015/10/15 09:31
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
鼠の大量発生に翻弄される島の人々。蝸牛の恍惚とした味に魅了され、隠れながら食す婦人たち。普通ならばは知る由もない鵜飼の生活。マグロ漁一本で生きてきた男の悲哀。鵜の習性に近づきながらも、人間と暮らすように馴染ませなければならない大変さを初めて知る。鵜飼の矜持、マグロ漁師の矜持。矜持にゆらぎ、普遍的な幸せからは遠ざかりそうなのを分かりながらも、そこへは行けない男たち。気持ちがぐらついたその時、どのような決断を下すのか。吉村さんの遜色ない観察力から生み出された、生々しい動物と人間の物語。時間を忘れて読める一冊。