紙の本
猥雑と雑学
2017/01/26 10:20
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
全編を通してのグロテスクな描写には、いささかうんざりさせられる。居酒屋で20世紀最高のミュージシャンを決める場面はよかった。
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衝撃の問題作とか、ラジオでの書評を聞いてどうしようと思っていたが、町山智浩さんと水道橋博士さんの二人の大傑作という言葉を聞いて、なんとなく読む気を無くして積ん読本になっていたのだが、やっと読んだ。結局この二人の絶対的な推薦というのは、自分には合わないんだなぁと再確認した本だった、熱量はすごいと思うけど、私の望んだ方向からは,大きく歪んでいる。
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雑司ヶ谷を仕切る宗教団体の後継者が中国から帰ってみれば、地元は様変わりしておりました。幼馴染みの女性は母となり、親友は殺され、その組織は乗っ取られ、対立する新興宗教があらわれ、安全だったはずの雑司ヶ谷で集中豪雨による事故がおき。「人の命は金で買えるし高い・安いも存在する」という価値観の元、主人公はいかなる行動に出るか?
雑司ヶ谷の立地や構造をそのままに、パラレルワールドで起きていることのようです。タランティーノやキューバのゾンビ映画が作り物でない世界ならこうだろうなと。身体的、精神的暴力で話が進んでいきますが、不謹慎という感じはしません。お腹が空いたから食べる、眠くなったから寝る、邪魔だから殺す。それくらい自然。巻末を見ますと著者が影響を受けたものがズラリと並んでまして、好きなものを突き詰めて、それを一つにまとめて再構築したらこうなったんだなぁと妙に納得いたしました。二次創作っぽくならずにちゃんとした世界に作り上げるのは、元ネタの本質をつかんでないと難しそうですがうまくまとめてます。現実味を排除してここまでフィクションならこういう世界もありか、と思わせる。それはそれですごいと思うけれど…映画化されても見たいとは思えません。やっぱりグロいことはグロい。
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雑司ヶ谷ってこわいね、ってか中国こわいね、樋口さん振り切ってるね、映画好きだとなお楽しい本だよね、はちゃめちゃハードボイルドだよね、こんなこと日本という国で起きてることとかあんのかな?おばばは生命力といい性欲といい尋常じゃないよ、ちょっと「おえっ」ってなるえげつない表現とかあるよね、オザケンのくだりとかめちゃめちゃ世代だからツボ。
カラオケ行ってオザケン歌いたいよ。
今をときめく人気俳優Tちゃんにおすすめされて読んだ本、だからもしもこれが映像化されるなら彼に出て欲しいと強く思う、Tちゃんご紹介ありがっと。
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雑司ヶ谷、どれだけ怖い街なのと笑ってしまう
IWGPやタランティーノをオマージュしつつ、どこまで本気なのか冗談なのかわからないテイストを貫いているのがすごい
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「小説界のタランティーノ現る!!」という帯のやらしさに、ちょっと引いてしまうかもしれないけども、実際読んでみると、疾走感もあり、あっという間に読み終わる。小説のテンポ、リズムが圧倒的にうまい。止まらせない。なんとまあ上手な書き手なんだろう。この人はうまい!文章がうまいっていうのは、こういうことをいうのです。その心意気、気に入った!
エンタメ100%、10年後、20年後まで生き残る作品じゃないけど、どうせエンタメ読むなら、これを読めばよいなあと。「さらば雑司ヶ谷」というタイトルがまた、昭和っぽくてまた良いでしょう。笑いのリズムも素晴らしい。きっと作者は一緒に酒を飲んだら楽しい人に違いない。ところどころに笑えるポイントを埋め込んでるんだけど、もちろん計算。でもその計算が、やらしくない。ナチュラル。デタラメの中に、大事なことがちりばめられている。親切なデタラメ。
そして自分が愛している物を、自分自身でちゃんとわかってる、そこがまた最後まで読んで気持ちいいなあと思ったところ。
評価は★3つ半って感じ。4まで届かない。軽やかだから、3つ半くらいがちょうどよい。
読んでて思い浮かべたのは、『オスカーワオの短く凄まじい人生』。全頁から醸し出されるサブカル臭。サブカルのエンタメ利用なんて、実に全うじゃねえかと。正しき道じゃないですか。批評なんかよりもずっとね。
新興宗教ネタ、わたし好きだな。あと、いま雑司ヶ谷、個人的ホットスポットだから、そこもまたこの作品の没頭ポイントなのであった。
生まれ育った街への複雑な感情、ばばあへの憎しみ、京介への友情と雅子への愛情。「すべてが荒廃した大地に、種子が芽吹くような」しんやに託した希望。感情が炸裂している。あくまで理路整然と。
最後の最後。水道橋博士の解説がこれまた素晴らしいったら、ありゃあしない。これほどまでにまっすぐに胸打つ解説の書き出しは、わたしの記憶の中には後にも先にも、これだけなんじゃないだろうか。
「僕は「芸人」になってから、ほとんど小説を読んでいない。何故なら「物語」を必要としなくなったのだ。・・・考えるに「人生は平凡で、あまりに長すぎる」と感じていた絶望の思春期。その暗闇を脱出し、家出と勘当という曲がり角を経て、自分にとって最大のフィクションだった存在のビートたけしに弟子入りし、たけし軍団に入門した。・・・テレビという装置の中でありながらも、ガンバルマンと称して、裸で熱湯に浸かり、雪中を泳ぎ、猛獣や格闘家らに挑む、そんな日々が、いかに平凡な日常を超えてフィクショナルな毎日であったことか。・・・それに比べ、小説は、なんとも地味で閉じられた世界に思えたか。そんな小説インポの僕が2009年、久々に読み、いきり立った小説が『さらば雑司ヶ谷』だった」
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あちこちで「ニヤリ」とする表現があったがタメと言うことだし当然ちゃ当然なのか。
世界肯定とか運命決定論とか最近考えるけど、考えない方が楽しいかな。
あぁ俺が好きなのはロックじゃなくてポップだと再認識したことも付け加えておきます。
さてオザケン聴くか。
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「小説界のタランティーノ」。
そう帯に書いてあったので買ってみた。
なるほど確かに。
物語偏重主義の現代小説において、久しぶりに小説を読みながら「世界観」を痛いほど脳みそに感じさせる小説でした。
そりゃもちろん小説界のタランティーノですから、物語はめちゃくちゃです。
良い意味で。
でもその物語のめちゃくちゃな感じを楽しませることがメインの読み物ではなく、「雑司ヶ谷」という町の土着感を、雑司ヶ谷に縁もゆかりもない僕が感じることができた、そんな世界観を読者に植え付けるくらいパワーのある小説は良い小説だと思います。
村上龍=長崎
阿部和重=山形
舞城王太郎=福井
こんなふうに。
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待望の文庫化により一気読み。
サブカル満載エログロ殺戮の平成偽史録。
展開は無茶だけど面白かったです。
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長いこと積読になっていたので何故購入したのか忘れてしまったが、下町人情ほのぼの話かと思って読んだらとんでもなかった。ハードボイルドのようなパロディのような。暴力やゲイの描写はうんざりだったが、パロディ部分は元ネタがわかれば面白いかもしれない。
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アングラ小説風でもあり、奇妙な小説だった。が、随所にあるマニアックな設定、描写におおっとうなりつつ進められ、その点で特に面白かった(かなり強引な展開ではあるがストーリーもある)。最後のページでのネタ元紹介中、半分強がわかってしまった・・・解説を読んでまたまたマニア根性を自覚させられたり、と予想以上に楽しめた。当初、なぜ本書を読もうと思ったのかも不思議なくらいだったが、この味を知りたかったのかもしれん、と読後強く思うところ。
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『日本のセックス』が良かったのでこちらのデビュー作を読んでみた。文章と内容ともに稚拙さがありおすすめしない。誰それの真似といわれても否定できない感あり。
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滅茶苦茶おもしろかった!
帯にタランティーノの文字があり、様々な作品の引用が注目されているように感じていたけど、元ネタが半分もわからない状態でも全く問題なかった。引用のための引用ではなく、ちゃんと面白さにつながっていて、滅茶苦茶な話なのにどんどん引き込まれて行ってしまった。
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2015/11/24読了。
斎藤工がこの本をお勧めにしていたところで興味を持って手に取ってみた。
なんともグロテスク。
読書はほぼ電車の中で、の私には過激すぎて本を開けなくなるシーンすらあった。
読みやすくて一気に読めたが、それ以外特筆すべき事もないような…
この人の本を読むことはもうなさそうです。
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「しばらく見ないうちに変わったな」
「変わらなければ、生きていけなかったの」
『あらゆる健康法は、持って生まれたDNAの前では気休めにすぎない。』
「歌うことがないからとりあえずラブソングを歌っている連中とは違うのさ。誰もが気軽に聴けるポップソングの中に深い真理を込めたフレーズを織り交ぜる。それが大事なんだよ。」
『この世に神はいない。それは歴然とした事実である。
天国と地獄もないし、前世も霊も、ましてや運命などといったものもない。それは偶然をこじつけようとする勝手な解釈にすぎない。それを自覚した人間から金持ちになっていく。』
『時代や国家が違えば、思想や価値観も変わる。現代では人類はみんな平等ということになっている。だが人類が「命の尊さ」とか「人権」とかいうそれはそれはステキなお題目を唱え出したのは、たかだかこの半世紀のことだ。それまでは腹が減りすぎて考えられなかった。』
『平等だとか博愛だとか、立派なことを並べ立てられるのは、衣食住が満ち足りているからこそだ。』
『死者は見守ってくれていたとしても、手助けはしてくれない。あの世から金を持ってきてはくれないのはもちろんのこと、水の入ったコップ一杯、運んではくれない。文字通り、ただ見守っているだけだ。
俺たちは現世において、現実において、自分自身の手で道を切り開いていくしかないのだ。
もう一度言う。この世に神はいない。
俺は、俺という存在を徹頭徹尾、偶然の産物だと確信し続けるだろう。』
『俺は映画や本などではなく身体で知った。セックスは愛の行為ではなく、奪うか奪われるか、支配するかされるかを決める力学であることを。
心が肉体をコントロールするのは難しいが、肉体は心をいくらでも矯正し、支配できる。』
「溺れている人に船から浮き輪を放り投げて、『自分はただ見ているだけではなかった』と言い逃れするのではなく、自分も海に飛び込んで溺れた人を助けてあげなさい。強い意志と行動を続ければ、必ず不幸の連鎖を断ち切ることができるよ」
「おまえも人の使い方がわかるようになってきたじゃないか」
「命は平等ではない。それはあんたの口癖だったじゃないか」