紙の本
事件全体の絵図のすさまじさ。そして、それを隠蔽する作者の手腕が冴えわたる本格推理小説
2021/12/29 23:06
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
三度目の正直で本格ミステリ大賞を受賞した、刀城言耶シリーズ第五長編。
雨乞いの儀式のさなか、湖上の密室である舟で起きた殺人。それを皮切りに惨劇が続発していきます。
展開のテンポの速さはシリーズ随一。今までは東京に残る役回りだった祖父江偲が言耶に同行し危機に陥ったり、雨乞いの成功が今度は降り止まぬ豪雨となって村を脅かしたりと、脇のサスペンスも盛り上がり、リーダビリティ抜群。レビュータイトルにあるとおり、このシリーズらしい驚愕の真相と、どんでん返しの続く推理も冴え渡ります。
前記のとおり五作目ではありますが、シリーズ初読者にもお勧めです。
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最後まで堪能
2017/07/08 21:39
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
雨を降らせる増儀とその逆の減儀という、古い村の風習にまつわって起こる事件の話。やはりこのシリーズの何とも言えない設定や出てくる村の人物たちの不気味さや言葉遣いがええです。また、『蛇棺葬』や『百蛇堂』を連想させる一目蔵の不気味な存在もホラー感満載。そして最後は二転三転する推理と納得のいく解決。最後まで堪能できる話でした!
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最後まで目が離せない
2015/09/07 22:46
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投稿者:鹿ノ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「水魑様」なる水神を祀る四つの村で行われる雨乞いの儀式。
そして、次々と殺害される神男。
どんでん返しの末にアッと驚くこと間違いなしなので、分厚いけれども最後まで読んでほしいです。
宮本家にあの村出身の女性が出てくるとは!
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今までで一番。
2013/08/27 14:02
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投稿者:センタープラザ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この著者は他の作品も読んでいるが、個人的にはこのタイトルが一番おもしろかった。
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刀城言耶シリーズの1冊で、本格ミステリ大賞の受賞作。
人気シリーズだけあって流石にしっかりしている。事件が起きるまでがやや長いように感じるが、起きてからはテンポ良く進んで飽きさせない。
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『厭魅の如き憑くもの』を連想させる左霧の名前に早くも怪異体験の予感…。
好奇心を刺激される怖い謎が豊富でドキドキし通し。事件らしい事件がまだ起きていないのに半分まで一気に読んだ。盛り込まれた謎に比べて、終章の淡々としたまとめで普通に完結した肩すかし感が少々残念。もう一つホラーな後味が欲しかったなぁ。
今巻は怪異の怖さより生きている人間の狂気の恐ろしさの方が顕著で、それがまた今までのシリーズとは違って新鮮に思えた。
三津田氏の手に掛かればどんな場所も恐怖の舞台になってしまうのが凄い。
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氏の作品では「厭魅」は衝撃的だった。その時の衝撃や感動は残念ながら味わえなかった。
ただ、横溝正史や京極堂にも通じる民俗学、怪異譚を調味料にして、本格ミステリを十二分に楽しませてくれる。
本作は700ページオーバーの文庫本で、いささか冗長に感じた。とは言え、後半の展開は怒涛でありラストはこの手の作品としては明るい終わり方で、好感が持てた。
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前半の事件が起こるまでが読みにくいが、一度流れ始めると止まることもできずに読み進めてしまう。
やはり言耶の迷探偵ぶりがたまらない。一進一退しつつ身の毛もよだつ答えへと進んで行く感じ。
皆殺し探偵では金田一耕助が有名だけれど、彼は後に謎を残さない。しかしこの作品は伏線は回収し事件の謎はとくも、物語としての謎は残し、読みてに想像の余地を残す。
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久々の、そして待望の、刀城言耶シリーズ。
731ページもありましたが、2日で一気に読んでしまいました。
シリーズものではありますが、読む順番は関係なく、しかも、単独でも楽しめるという、嬉しい構成は相変わらずです。
とは言え、今回、「さぎり」という名の女性が登場するので、過去の作品を読んでいると、より、面白いかもしれません。
今回は、衆人環視という密室状態の湖で起きる殺人に始まる、連続宮司殺人事件や、それに関係する諸々の謎を解決します。
人間による事件も勿論とても面白いのですが、今回も、科学では解明出来ない事象の描写が凄まじくて、そちらも、とても楽しめました。
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今までのシリーズ作品の中では一番ページ数が多かった今作。
そのせいか、少し今までよりテンポが悪いなぁという感じもしたが、最後の方引き込まれる感じや、推理の二転三転は相変わらずで面白かった。
キャラも多くて名前がにてるし最初は戸惑ったけどキャラ分けがきちんと出来てるので結構すんなり覚えられました。
にくったらしいやつはやたら憎たらしいし、若者組は各々味があって好きです。
珍しく最後はぞっとする感じじゃなく、結構いい結果で終われたのかなぁと…。
全体的にホラー要素も今までのよりは薄めだったので、ホラー要素苦手な人でも読みやすいんじゃないでしょうか。
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刀城言耶シリーズ。
このシリーズは文庫で追いかけているのですが、今回は今までで一番の厚さに期待も大きかったです。
水魑様を祀る、4つの農村で起こる連続宮司殺人事件。
村に入ってからは厚さを感じさせない展開の速さで全く飽きを感じさせませんでした。
そして相変わらずの推理を組み立てては崩し、組み立てては崩し、のラストスパート。
最後になるまで気を抜けないのがこのシリーズの面白さですね。
そして前編通して漂う雰囲気が本当に良いです。
その雰囲気に反して素人には読み取れない部分を瞬時に読み取って解決!な天才探偵ではなく「分からないです」と言いながら少しずつ解決していく天然探偵の刀城言耶には相変わらず和みます。笑
世路さんだけがちょっと報われなかったなー…。
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中盤くらいまでとりわけここが凄く怖いというシーンが無かったのだけど、その分後半に来るとそれまで少しずつ増えてきた溜まりに溜まった恐怖にじわじわと責められてくる感じ また本作は怪奇現象の怖さよりも、儀式に関わる残酷な行為が暴かれていくことへの恐怖の方が大きかった けれど今作品は同シリーズの中において、解明しようともせず最後まで謎のまま残る超自然的な怪異が一番多い気もする 個人的にはとある場面(○○が暗闇で何ものかに追われる場面)が一番怖かったので、”アレ”の正体が一体何だったのかとても気なるところだった
物語の結末に関して言うと他作品の比べるとハッピーエンドな感じがするけれど、やはり事件に関して無辜の人が犠牲になった可能性もあることも考えると素直にめでたしめでたしとしていいかどうか…… あと犯人の正体もまた○○かと思わないことも無きにしも非ず(犯人の可能性が最も高いだけではっきりとは断定されていないけれど)
最後に今回出番の多かった祖父江偲について、前作までは正直に言うと喧しくて鬱陶しい子だなと思ってたのだけど、今作での健闘っぷりとコメディ要員としての憎めなさ可愛さを見て段々好きになってきた 今後の刀城言耶と、祖父江偲や冬城牙城等の彼の周囲の人物達との人間関係についても益々興味が出てくる
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再読。おどろおどろしいホラー色は少し薄れるが、その分謎解きがしっかりしていて、一気に読めた。面白かった。
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これはミステリフリークとして読まざるを得ない垂涎要素のオンパレード\(^p^)/もうお腹いっぱいです先生!
偏狭な村の権力者達のイザコザ、
屋形船という一風変わった密室設定、
曰く有りげな慣習と儀式、
そして極め付けは、
【雨乞いの儀式によって雨が齎されることへの揺るぎない信念】と、
【人ならぬ存在に対する問答無用の肯定姿勢】!!笑
いやー、【論理性がしっかりしてれば世界観がトンデモ設定でも許せる】って豪語してる私ですが、村の外部からやってきた主人公達が、こうも簡単に雨乞いやら幽霊やら信じちゃうのが面白かった(OvO)まあそういうシリーズな上に、一作目から読まずいきなりこの世界観満開な最新作に触れた私の自業自得なわけですが(OvO)←←
導入部はかなり長いです。
村に伝わる儀式の説明や、過去に発生した怪死事件のあらましを説明し終わって、さてそろそろ次の章では密室にご登場頂けるのかしら…と思ったら、登場人物の回想入っちゃいました\(^o^)/焦らすううう
ただ、湖上の屋形船の中から刺殺体が発見されてからは大変スピーディに犯人さん、動いております。あまりに手際よ過ぎて「プロの犯行だろコレ…」と突っ込みながら読んでいきました。
それにしても、ちょいちょい入ってくるホラー要素が怖いです。
【人ならぬ物】が見えちゃう少年の描写が怖いです。家族が寝静まった夜中のリビングで読んでたので、まあ何となくテレビつけたよね\(^o^)/なんというビビリ
村の権力者の意向で警察も呼べず、主人公に同行した編集者を人質に取られ、主人公は犯人推理に奮戦します。
その間にも、続々死体が量産されてしまうのですが、この作品の特筆すべきところは、そんな慌ただしい展開の傍らでひときわ存在感を放つ【曰くありげな蔵】です。
浮世で主人公達がワァワァ騒いでる一方で、【中に誰かがいると思われる蔵】の静けさがまあ不気味極まりない。これは、他の推理小説ではなかなか味わえない読感です。
ホラーは昔、リングの小説版を読んで以来忌避していたのですが、今作では本格推理小説でありながらホラー小説の雰囲気も味わえるという、私のようなビビリな人間でも楽しめる新しいミステリのジャンルを示してもらえたように思います。京極シリーズに近いかな。
というわけで、このシリーズ制覇するの決定〜\(^o^)/わーい
湖の上に浮かぶ屋形船という密室で、【神男】と呼ばれる祭主が殺害された。更に、【神男】を務めたことのある宮司達を次々と犯人の凶刃が襲う。
過去にも不審死を出したことのある儀式を調査する為に入村していた刀城は、宮司達の依頼を受け事件の究明に挑むが…。
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準主役の正一少年の章がやたら怖い。さすが「あの一族」の血を引くだけあって、怪異に会いやすいのか…
今回は編集の祖父江偲も刀城に同行していて、この二人のやりとりも面白かったです。がんばれ偲!