京都茶庭拝見 （ＳＵＩＫＯ ＢＯＯＫＳ）

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＜藁屋に名馬を繋ぎたるがよし（村田珠光）＞

著者・水野克比古は写真家。京都の名所、庭園、花の写真集を数多く出している。
本書は京都の代表的な茶庭６６箇所の写真を集めたもの。
平成４年発行の『京都の茶庭』を元にした新装改訂版とのことである。非公開の茶庭も含まれる。撮影から年数が経っているため、現状とは異なる景観もあるようだ。

長年、京都の名所を撮影し続けている著者だけに、さらりと添えられた解説も造詣深く格調高い印象。なるほど、「見るべき点」が押さえられていなくては、本質を捉えた写真は撮れない、というところなのだろう。

吸い込まれるような苔の緑。きりりとした垣根の目。鮮やかな紅葉の赤。しんと降り積もる雪。

冒頭のひと言は、茶の湯とは何かと問われて侘び茶の創始者と言われる茶人が答えたというもの。
茶庭は茶室への道すがらの庭。茶の湯と茶庭は不即不離だという。
粗末なだけではない、しかし華美ではいけない。足し算と引き算。作為とさりげなさ。茶庭とは難しいものだ。

著者のような写真はもちろん撮れず、歴史的背景や基礎知識も知らないことばかりだが、ひととき、写真の茶庭や露地を巡り歩いてみる。


＊お茶を習い始めてもうすぐ丸４年。相変わらずひよっこだなぁ・・・、とこういう本を読むとつくづく思う。きっと一生ひよっこなんだな・・・（＾＾；）。でもまぁそれが楽しいのかも。

＊いくつか似たような写真を見たことがあるような気がするなぁと思ったら、同著者の『京都の茶の庭』を以前読んでいた。