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商品説明
なぜそれは、おそろしいのか。なぜなつかしく、切ないのか。「ゴジラ」と「風の谷のナウシカ」のふたつの物語に、日本人の精神の原風景を幻視し刻印する、著者渾身の論考。怪獣映画通の俳優・佐野史郎との対談も収録。【「TRC MARC」の商品解説】
日本の大衆文化の本質と日本人の精神の原風景を民俗学的視点から深くやさしく描くことにおいて、この著者の右に出る者はいない。また<東北>と<沖縄>をおもなフィールドにする氏が3.11の直後、発言を徹底的に控え、書斎にて「ナウシカ」と「ゴジラ」を繰り返し観つづけたけたことは、知る人ぞ知る(のちに新聞、文芸誌などに発表)。本書は日本人が生きた<過去>をゴジラ作品に、これからの未来を<ナウシカ」に読み取る、画期的な試みであり、このふたつの作品をつなぐ細い糸に、世代を越え、日本人の「こころ」に留まり続ける「物語」の特【商品解説】
著者紹介
赤坂 憲雄
- 略歴
- 〈赤坂憲雄〉1953年東京都生まれ。民俗学者、学習院大学教授、福島県立博物館館長、遠野文化研究センター所長。「岡本太郎の見た日本」でドゥマゴ賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞。
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紙の本
ゴジラの世界を越え、ナウシカの世界を生きる。
2016/02/21 20:59
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災を東京で体験した著者。呆然とした時間の後にやったことがパソコンで映画『ゴジラ』とアニメ『風の谷のナウシカ』を見ることだった、というところから本書は始まる。震災、特に原子力発電所の事故から考えさせられたことは科学技術のありかたである、というのはかなりの人に共通することであろう。本書もそこにつながっていく。
既出の文章などをまとめた部分が多く、内容も『ゴジラ』についての考察が多い。(正直なかなかナウシカまでつながらないので読んでいて少々焦った)。しかし、著者の言いたいことはよく伝わってくる。『ゴジラ』や『風の谷のナウシカ』、さらには『グスコーブドリの伝記』まで引用されてるのだが、ストーリーを知らなくても大丈夫。著者は丁寧に物語を追いながら思考を綴ってくれる。
『ゴジラ』が第五福竜丸や戦争の犠牲者への思いを秘めた作品であることはよく言われることでもある。最後には新しい科学力で葬られるゴジラ。そこにはまだ「科学でなんとかなる」という考えがあったとと著者は分析する。では『ナウシカ』は。科学で破壊された世界は科学の遺物である「巨神兵」では制御できない。アニメ版では若干違和感を残した終わり方をしたと著者は思い、漫画版についても言及をし「人間が火を手にしたことに潜む原罪」にまで考えを広げていく。
「ゴジラ」や「ナウシカ」に対する著者の解釈は、原作者の意図したものではないかもしれない。描かれたものとは、そういうものだ。独り歩きもする。それでも、新たな考えを引き出したり、展開させたりする刺激になるというだけでも、たかが映画、たかが漫画と言えない役割がそこにあるという価値を証明してくれている。
本書での考察はまだ完結しているわけではない。本書のあとがきの日付は2014年7月28日。ハリウッド版「ゴジラ」を見ての感想を含めて書かれていいる。ナウシカについても、特に漫画版の評などはまだ未完であるようなので、再度(いや何度でも)考察して著して欲しいと思う。
紙の本
みちのくのゴジラ論
2019/12/20 18:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゴジラやナウシカから民俗学を論ずるというより、東日本大震災後の心理をゴジラに仮託して語っている印象。荒ぶる神であるゴジラ、清濁併せて受け入れると悟るナウシカ。心の整理が足りず、語り足りないよう。