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紙の本
権力の空間/空間の権力 個人と国家の〈あいだ〉を設計せよ (講談社選書メチエ)
著者 山本 理顕 (著)
古代ギリシアの「ノー・マンズ・ランド」とは何か? 世界的建築家がハンナ・アレントの主著を読み解きながら、住居と都市が抱える問題を浮かび上がらせ、未来を生き抜くための都市の...
権力の空間/空間の権力 個人と国家の〈あいだ〉を設計せよ (講談社選書メチエ)
権力の空間/空間の権力 個人と国家の〈あいだ〉を設計せよ
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商品説明
古代ギリシアの「ノー・マンズ・ランド」とは何か? 世界的建築家がハンナ・アレントの主著を読み解きながら、住居と都市が抱える問題を浮かび上がらせ、未来を生き抜くための都市の姿を展望する。【「TRC MARC」の商品解説】
古代ギリシア都市に見られる領域「ノー・マンズ・ランド」とは何か? ハンナ・アレントが重視したこの領域は、現代の都市から完全に失われた。世界的建築家がアレントの主著を読み解きながら、われわれが暮らす住居と都市が抱える問題を浮かび上がらせ、未来を生き抜くための都市計画を展望する。人が幸せに生きるためには、来たるべき建築家が、公的なものと私的なものの〈あいだ〉を設計しなければならない。
ハンナ・アレントは『人間の条件』の中で、古代ギリシアの都市に触れて「私的なるものと公的なるものとの間にある一種の無人地帯」という奇妙な表現を使っている。ここで言われる「無人地帯」とは「ノー・マンズ・ランド(no man’s land)」の訳語である。そして、このノー・マンズ・ランドこそ、都市に暮らす人間にとっては決定的に重要だ、とアレントは言う。
本書は、この表現に注目した世界的建築家が、アレントの主著を読み解きながら、現代の都市と人々の生活が抱える問題をあぶり出し、われわれが未来を生き抜くために必要な都市の姿を提示する書である。
ノー・マンズ・ランドとは、日本家屋で喩えるなら、空間的な広がりをもった「敷居」のようなものだと著者は言う。古代の都市では、異なる機能をもつ複数の部屋を隔てたり、家の内と外を隔てたり、私的な領域と公的な領域を隔てたりする「敷居」そのものが場所として成立していた。しかし、そのような場所は現代の都市からは完全に失われている。
それこそが人々の閉塞感を生み、人と人のつながりを破壊した原因であることに気づいた著者は、敢然と異議を唱える。その打開策として打ち出されるのが、インフラのレベルから構築される「地域社会圏」というヴィジョンである。そこでは、国家の官僚制的支配から自由になった人々が、それぞれの能力と条件に応じて協同し、住民の転入・転出があっても確固として存在し続ける都市が実現される。
誰も有効な処方箋を書けずにいる困難な日本で、幾多の都市にまなざしを向けてきた建築家が回答を示す必読の書。【商品解説】
目次
- はじめに
- 第一章 「閾(しきい)」という空間概念
- 1 no man's landとは何か?
- 2 ポリスの空間構造、そして「閾」という空間概念
- 3 集落調査I──外面の現れ(appearance)
- 4 集落調査II──「閾」のある家
- 第二章 労働者住宅
- 1 アルバート館
- 2 労働者住宅の実験──親密なるもの
- 3 隔離される住宅
著者紹介
山本 理顕
- 略歴
- 〈山本理顕〉1945年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了。建築家。東京大学生産技術研究所原研究室研究生を経て、一級建築士事務所山本理顕設計工場設立。著書に「新編住居論」など。
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建築を補助線とした読解
2019/05/06 21:26
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投稿者:ただの人間 - この投稿者のレビュー一覧を見る
筆者の専門である建築を補助線に、アーレントやその批判対象としてのマルクス、エンゲルスなどを読み解いていく。震災後法学セミナーで法学者と建築家の企画(筆者もこれに参加)があった時はなんの関係があるのかとも思ったけれど、「物化」などをキーワードに空間の形成がいかに法学政治学(あるいは公共空間)に関わるかを少し垣間見ることができた。特に古代ギリシアから説き起こされていたのは、都市と領域の区別の知識の乏しい自分にとってありがたい点だった。特に公共空間周りでアーレントを読む必要も強く感じさせられた