紙の本
おもしろい
2017/03/31 16:56
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投稿者:ひのえ - この投稿者のレビュー一覧を見る
高杉晋作の人世!高杉さんのことは奇兵隊くらいしかイメージがなかったのですが、すごくおもしろかったです。高杉さん頭がいいし、かっこよかったです。
紙の本
西の風に抗する東風
2015/11/14 07:58
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投稿者:まちゃど - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分が歴史人物の中で最も好きな高杉晋作の物語。
葉室さんの著書は冬姫に続いて2冊目だが、非常に骨っぽい作風は好感が持てます。
本作の山場は上海に渡ったときの場面に思う。
史実に沿っているのかは知らないが、物語としてはすごく面白い。
が、高杉晋作の小説としてはマイベストはやはり池宮彰一郎の「高杉晋作」であることは揺るぎませんでした。。
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高杉晋作として知られる人の生涯。28歳までの一生だったんですね。江戸末期から明治にかけて日本という国の進む方向に思いを傾けた多くの人のうちのお一人という認識しかありませんでした。共に歩んだ訳ではないけれど、佐久間象山や五代才助、西郷隆盛とも触れ合っていたんですね。別の道を進まれていたら今の日本は違う国になっていたでしょうか。
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本作の高杉晋作は「上海での見聞」の故に、“四境戦争”で敗れることは、「欧米勢力による日本の蚕食」に繋がってしまうことであると考えている…他方、高杉晋作の身体は病魔に蝕まれ始めていた…だがそれでも、高杉晋作は戦い続けた…
「必要とされる時代に生れ落ちて、必要とされる場面で力を発揮し、静かに去って行った快男児」という感の本作の主人公、高杉晋作…強い意思、豊かな学識、様々な人達との交流や自らの見聞で練り上げた思想、迅速な行動、ロマンス、病魔との闘いの他方で戦闘の指揮を執り続ける勇姿…彼は実に魅力溢れる描かれ方をしている…
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ものすごく面白かった。
以前、世に棲む日日を読んだ事があったから正直なところ、どうなんだろうと思っていたが、作者が変わると描き方も変わるので文句なしに楽しめた(こちらは少し、エンターテイメント色が強いけれど)
この世に生まれ落ちて、嵐のように去っていった高杉。
その人生は濃密、そして何ともトリッキーな人物だ。
高杉がこれだけの功績を残したのは、やはり上海留学がキーポイントなんだろう。
上海で見聞きしたものを、スポンジのように柔軟に強力に吸収できたからこその奇兵隊誕生や、対幕府との戦の勝利(その他にも色々と成し遂げた事はある)があるのだろう。
そして風に揺れる柳のように、その局面にあわせて自分の身の振り方や周囲の人間を動かせたこと、先見の明があった事なども他の幕末の志士とはちょっと違うなあ。と。
ラスト、高杉が静かに息を引き取る場面では不覚にも涙してしまった。この時代、労咳で何人もの偉人が世を去っているが、もし労咳に効く薬があって高杉が生き延びたら、次はどんな奇策を持って日本に革命を起こしていただろうか。
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空駆ける天馬、作中にそんな表現があったけど、そのまんまな生涯。上士の家に生まれ漢詩の才強く運にも恵まれた天才的な革命家、戦う姿はまさに軍神。早世が惜しまれる。
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幕末の志士と言われる人たちの中で
いちばん好きな高杉晋作のことを
葉室麟さんはどのように描かれているのだろうと思い
手にとって読み始めて1週間以上かけて読了
本もドラマも見てきて、知っている内容ではあるけど
やはり高杉晋作という人はすごい人だよ
あまりにも濃密で激しい28年に改めて感動
正しく冷静に未来を見据え、淡々と飄々と行動を起こす
魅力的でやさしく、長生きして欲しかったな
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高杉晋作のイメージといえば、狂気、色気、イケメン俳優、ミステリアス、、、程度であった私。なんとなくカッコ良さそう、みたいな。葉室さんの高杉とかアツイ!読みたいと思い、この本を手に取りました。笑
恥ずかしながら、高須さんが27歳でなくなるまでにこんなに頑張ったなんて知らなくて、イメージを壊さない爽やか✖️モテ✖️狂気が描かれていて引き込まれました。
太平天国の乱を参考にして、西郷や竜馬も登場し、張り合ったり刺激しあったり協力しあったりして長州が日本を守る、と意気込む使命感に痺れました。
うのと八雲がイマイチ不思議。実在したのでしょうか??
着流しのまま船に飛び乗り強敵に夜襲をかける、美しく儚げなのに堂々とした姿が鮮やかに浮かぶ描写で心に残りました。
大胆不敵でいて危なげで、自信家だけど道を見失わない信念を持ち、なぜか人を惹きつける愛嬌、魅力がある。
そんな晋作像は
まさに本名という春風そのものなんだなと感じました。
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葉室さんによる高杉晋作像。
今、脚光を浴びている五代さんも登場する上海での体験は、ファンタジーで、何かの外伝のような味わい。
でも、高杉晋作の若い日に、あのようなことがあり、それが彼の攘夷を作り上げていったのかも、と夢想するのは、とっても楽しい。高杉晋作は、若いまま駆け抜けていった人ではあるけど。
その高杉晋作の「攘夷」と、外国人を切ればいいという単純な「攘夷」との距離感について、なるほどと感じた。
実力を養い、ルールを正し、諸外国と渡り合う・・・己の尊厳を持ち、他者と渡り合う・・・今にも通じる思想と改めて思った後、これは、葉室さんの視点でもあるのか、と感じたりもした。
身分の壁を超えて奇兵隊を作り出し、電光石火の戦いを演じる一方、藩主や世子への敬愛の情も厚かったと伝えられる高杉晋作は、こういう人だったのかもと思わされる作品。
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最後までどうしても没入出来なかった。高杉晋作に対してなのか、あの時代に対してなのか、作者の理解の薄さが感じられて仕方がなかった。歴史を人を通して描くというのは相当難しいのであろう。歴史観、文化度、人間力、感性等あらゆる物が必要なのであろう。
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明治維新における長州側の一番の立役者といってもいい高杉晋作を主役にした歴史小説。著名な歴史上の人物を主役に立てる葉室燐作品は少数派(といってもまぁまぁ書いているけど)
一般的に盛り上がるシーンは、クライマックスの第一次第二次長州征討の描写、上海における太平天国の乱の描写等だろう、この小説の読み処は酒を呑むシーンだと個人的に思う。
勤王志士たちと酒を交えて語らうシーン、酒の勢いを借りて決起するシーン、そして女性としっぽり呑むシーン、どれもいいんだよなぁ。この味わい深いシーンを楽しむための調味料として躍動する戦闘描写や活劇描写があるんじゃないかと思えるくらいにいい。
27年の短い生涯を杉の薪が燃え尽くすように生きた高杉晋作、彼の辞世の詩「おもろなきこともなき世を面白く…」の句はこの本を読んでみれば、味わいが変わる。
世をすねた覇気のないおっさんがスナックや居酒屋で引用していいものじゃない詩なんだ。
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実在の人物を主人公にした、著者の数少ない本格歴史小説。
高杉晋作は通称で、諱(本名)は春風だとは、この著で知った。春疾風(はるはやて)の別名が春風なら、疾風迅雷に時代を駆け抜けた晋作にふさわしい名か。
尊攘派の長州藩を征討しようとする幕府軍に対する回天の戦いは、晋作の人生でのクライマックスである。
その行動に駆り立てた要因は、師吉田松陰の影響とともに、上海での見聞だろう(上海での晋作たちの冒険的活劇は読みどころのひとつ)。
欧米列強の植民地化に抗した太平天国軍が敗れ去ったことに焦燥の念を抱き、日本という国家を守るための軍勢を思案する。そして、封建制度の身分を撤廃して編み出されたのが、彼の代名詞ともいえる奇兵隊。
最前線で長州を、日本を救う活躍をした晋作は、長州藩世子定広ほか様々な人物に敬愛される。
さらに、彼を慕う女性が次々と。
長州一の美人との誉れが高い妻の雅、八雲、うの、望東尼、太平天国の周美玲まで。
世の難事を救うため、天から遣わされた剣鎧護法童子のような晋作。辞世の句「おもしろきこともなき世をおもしろく」の通りの、28年の濃密な生涯だった。
高杉晋作を主人公にした作品には、池宮彰一郎の歴史長編小説『高杉晋作』もあり、読み返してみようか。
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外国と渡り合う為には、国力を上げる事が急務であると、誰もが思っていたみたいですが、同じ志を持ちながら何故戦わなければならないのか?
明治維新の話は、読めば読むほど分からなくなります。
攘夷を掲げて戦う人たちも、それぞれ目指しているものが違っていたりしたんだなと、混沌とした時代を感じました。
それぞれが、それぞれの正義や考え方で、動き回っているという印象でした。
高杉晋作もその中の一人。